アートメイクには資格が必要?アートメイク看護師になる方法や向いている人の特徴を紹介
アートメイクをファッションに取り入れる人が増えていて、アートメイクの仕事に就いてみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
今回は、アートメイクの施術に必要な資格と、アートメイクアーティストになる方法について説明します。アートメイクの施術をするアートメイク看護師になる方法や、向いている人についても見ていきましょう。
アートメイクに必要な資格とは

アートメイクは専用の針や医療マシンを使って、皮膚の表面にインクを入れていく施術です。アートメイクは医師法が定める人体や危険をおよぼす可能性のある行為、つまり「医療行為」にあたります。そのため、日本ではアートメイクの美容クリニックを開業して、施術をおこなうためには医師免許が必要です。
医師免許なしで、アートメイクの施術をおこなうことは違法行為であり、5年以下の懲役か100万円以下の罰金刑、またはふたつ以上の刑罰を同時に課す併科の対象となります。
施術は看護師や准看護師もできる
アートメイクに興味がある方は、求人情報でアートメイク施術者の必須資格が「看護師」になっているのを見たことがあるでしょう。当然のことながら、看護師は医師免許を持っていませんが、医師の指示のもとであれば、看護師もアートメイクの施術がおこなえます。
准看護師はどうかというと、医師法には准看護師に関する明確な記載はないため、准看護師が施術をおこなうかおこなわないかは、美容クリニックの解釈に一任されているのが現状です。
アートメイクとタトゥーの違い
アートメイクに似た施術として挙げられるのが、タトゥー(刺青)です。どちらも皮膚にインクを入れていくものですが、インクを入れる深さに違いがあります。
アートメイクは表皮、つまり皮膚の表面から浅い部分にインクを入れるのが特徴。ターンオーバーがあるため、持続期間は3~5年です。一方タトゥーは、さらに深い真皮層にインクを入れます。真皮層にはターンオーバーがないため、半永久的に持続します。
厚生労働省は以下の見解を示すとともに、アートメイクは医療行為に該当・タトゥーは医療行為に該当しないとしています。
アートメイク:医療の一環として医師・看護師などの医療従事者が関与しているもの
タトゥー:長年医師免許を持たない彫師が担ってきたものであり、歴史的に医療の外に置かれてきたもの
なお、次のような部位の施術をおこなう場合はすべて医療行為(=アートメイク)となるため、医師免許が必要です。
・眉
・アイライン(アイシャドウを含む)
・唇
・頭皮
・縫合痕
・傷あと
・妊娠線/肉割れ線/ストレッチマーク
・乳輪/乳頭
・白斑
・色素脱/色素沈着全般 など
引用元
厚生労働省|医師免許を有しない者によるいわゆるアートメイクの取扱いについて(◆令和05年07月03日医政医発第703005号)
日本医療アートメイク財団|当財団における医師法第17条の解釈について
アートメイクに医師の資格が必要な理由と場面

なぜアートメイクに医師免許が必要かというと、施術中に医師の対処が必要になることがあるからです。おもな場面は、次の3つです。
麻酔や痛み止めが必要になる場合がある
アートメイクは皮膚のごく浅い層にインクを入れるため、激痛が伴うような施術ではありません。眉毛の施術であれば、毛を抜くときの痛みぐらいです。しかし、アートメイクを施す場所によっては痛みがともない、とくにアイラインや唇に施術をおこなうときは、痛みが感じやすくなっています。
どうしても施術中の痛みに耐えられない場合は、痛みを和らげるために麻酔を使用することもありますが、麻酔をおこなうには医師免許が必要です。
健康被害が起こりうる
アートメイクは針で皮膚にインクを入れていくため、施術後は赤くなったり腫れたりしますが、通常数日で治まります。しかし、針を深く入れ過ぎたり衛生管理を怠ったりすると、施術後に皮膚が炎症を起こす・化膿するなどの可能性があり、最悪のケースでは角膜を損傷してしまいます。
このような健康被害の90%以上は、無資格者がアートメイクをおこなったことが原因です。施術を安全におこない健康被害を未然に防ぐために、医療行為にあたる施術は、医療の知識や技術を有する医師のみおこなうように定められています。
アートメイクに必要な認可された機材やインクを購入するのに必要
美容クリニックで使用するアートメイク専用の医療マシン・針・インクなどは、だれでも購入できるわけではなく、医師免許が必要です。医師免許がないと、日本国内ではアートメイクをおこなう美容クリニックは開業できません。
ちなみに韓国では、アートメイクに資格は必要ありません。ですから、韓国では医師免許がなくてもアートメイクに必要な機材やインクを購入できます。
しかし、日本では無許可で購入して開業および施術をおこなうことは違法行為であり、許可されていない機材やインクの使用は、トラブルのもととなるので注意が必要です。
アートメイク看護師とは?

アートメイク看護師とは、医師の指示のもと、眉や唇・アイラインなどの表皮にインクを入れてメイクを施す施術をおこなう看護師のことです。
アートメイクは、メイクの時短になるため人気があるほか、治療による眉の脱毛に悩む人などの助けにもなっています。
アートメイク看護師になるには?

アートメイク看護師になるには、看護師の資格を取得する必要があります。看護師は国家資格であるため、看護専門学校・看護短期大学・看護大学など、看護師を養成する機関で規定のカリキュラムを修了したのち、国家試験に合格・免許申請をすることで取得可能です。
養成機関での学修期間は、3〜4年となっています。
引用元
job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))|看護師 - 職業詳細
厚生労働省|○保健師免許、助産師免許、看護師免許申請について
看護師免許取得後にアートメイク看護師になる方法について、以下で見ていきましょう。
研修のある美容クリニックに就職
美容クリニックのなかには、研修制度が整っていて未経験でも看護師免許があれば就職できるところもあります。未経験で就職したい方は、そのような美容クリニックを探すのがおすすめです。
未経験で採用された場合には、まずは研修を受けてアートメイクを学びます。研修を終了し、美容クリニックが施術に必要な知識と技術力を身につけたと判断したら、アートメイク看護師としてキャリアをスタートさせる流れです。
スクールや講習で技術を習得してから就職する
就職する前に、アートメイクスクールや講習で学び技術を習得する方法もあります。
スクールや講習では、修了後にディプロマや資格を取得できることも多いのが特徴です。たとえば日本医療アートメイク財団の講習は、2日間でアイブロウの施術をマスターし、試験に合格すれば「アートメイクブロウデザイナー」の資格が得られます。
未経験で就職するより、アートメイクの技術を習得してから就職先を探したほうが、就職活動で有利なだけでなく、未経験よりよい条件で仕事に就ける可能性が高いでしょう。
スクールには、1つのパーツを深く学べるコースや、複数のパーツを基礎から応用まで総合的に学べるコースなどがあり、そのカリキュラムや費用はスクールによってさまざま。また、講習もスクール同様に、実施団体やカリキュラム・期間などが異なります。
いずれにしても、自分が習得したいスキルが学べるものを探すことが大切です。
引用元
日本医療アートメイク財団|アートメイクブロウデザイナー
アートメイクに関連する資格・講座の学習方法

資格や講座によって学習方法は違いますが、大きく分けると通学制・オンライン+通学制・完全オンライン制の3つの方法があります。それぞれの学習方法について詳しく見ていきましょう。
通学制
さきほど紹介したアートメイクアイブロウデザイナーなど、数日間の講座で資格を取得する場合に多いのが、通学制で学ぶ方法です。また、講師にその場で直接質問できる対面授業に意義を感じているスクールも、通学制で実施しています。
カリキュラムは座学と実技で、皮膚の構造や安全衛生に関する知識・デザインの理論や技術・デッサンなどを学ぶことができ、最後に試験がおこなわれることもあるようです。
オンライン+通学制
オンラインと通学制の両方をひとつのカリキュラムに取り入れているところは、座学の内容を自分の都合に合わせてオンラインで学習するのが一般的です。たとえば、皮膚の構造や安全衛生基準・色素の選定方法・デザインの理論などは、自分で学ぶ必要があります。
座学の内容を終えてからスクールに出向き、人形やモニターと呼ばれるモデルに施術をおこなう実技の授業を受けます。
オンライン制
完全オンライン制の場合は、動画やテキストを用いて自宅学習と実技練習を繰り返します。技術の習得は課題を写真にとって提出し、添削を受けて合格が出るまで練習・提出を重ねるといった流れです。
オプションとして、提携クリニックなどでモニター講習や添削を受けることができるところもあります。
アートメイク看護師になるメリット

アートメイク看護師になることで得られるおもなメリットは、次の3つです。
美容について学び人を美しくすることができる
病院の医師や看護師は毎日病気の人や怪我をした人とかかわり、命を預かる仕事です。プレッシャーがあり、急患の患者や病状が急変した患者への対応が求められるため、精神的なストレスが多くなります。
一方、アートメイク看護師は、美を追求する仕事です。美容クリニックには、アートメイクだけでなく美容に関する情報が集まるため、常に「美」について学べます。
職場で得た知識や技術はサービスとして提供でき、お客様を希望に合わせて美しくできるというたいへんやりがいのある仕事です。
自分だけの技術を身につけることができる
病院での評価基準は、「実践能力」「組織的役割」「遂行能力」などで、個性が評価されることはありません。
しかしアートメイク看護師は、自分にしかない個性やスキルを活かして活躍できる仕事です。自分だけの技術を身につけることで、ほかのアートメイク看護師と差別化が図れます。
キャリアを積み人気が出れば指名を受けられるため、努力の成果を実感しやすいのも魅力です。ほかの人にない技術があれば、面接でもアピールしやすく就職でも有利です。
インセンティブや技術手当で給料が上がる場合がある
医師や看護師は成果報酬型ではないため毎月の給与が決まっており、特定の患者に気に入られたからといって給与額に反映することはありません。
しかし、アートメイク看護師が働く美容クリニックには指名制度があり、美容クリニックによっては指名されれば指名料が全額収入になったり、インセンティブや技術手当がでたりします。
歩合制は、指名されなくなればすぐに給与額が下がってしまうため厳しい面もありますが、努力すればするほど給与額が増え、仕事に対するモチベーションも維持しやすいでしょう。
アートメイク看護師の注意点

アートメイク看護師には、メリットもある一方で注意点もあります。
施術に対する責任は重大
アートメイクは一度施術したらすぐには落ちないので、失敗は許されません。希望と違う場合、クレームを受けるのは医師ではなく施術者である看護師であるため、責任は重大です。
とくに、眉やアイラインなどは顔の印象を大きく変えるため、患者の希望に沿った施術ができるように技術を磨かなければなりません。
最新のトレンドや新しい技術を身につける必要がある
美容クリニックに来る人は美容に関心が高いため、アートメイク看護師が美容情報に疎くてはNGです。美容に関する流行の移り変わりは激しいため、常にアンテナを張り、最新のトレンドや新しい技術を身につける必要があります。
身体的な負担がかかりやすい
病院などで働く看護師と違って、アートメイク看護師は身体のさまざまな部位に負担がかかりやすいです。
というのも、施術中は基本的にはかがんだ状態で、顔の小さいパーツに細心の注意を払って施術をおこなうため、腰や目・手首・肩などに疲れがたまってしまいやすいでしょう。
ほかの看護技術のスキルが落ちやすい
アートメイク看護師は、アートメイク以外の技術を活かす場面がほとんどないため、点滴や採血といった看護師の基本的な仕事でさえも、スキルが落ちてしまいやすいです。
一度美容業界に就くと、その後医療業界に戻りたくてもスキル不足がゆえに戻りにくくなってしまうことも考えられます。
医療業界へ戻る可能性や意思がある場合、普段から知識や技術を落とさない努力が必要です。
アートメイク看護師に向いている人とは?

最後に、アートメイク看護師に向いている人の特徴を紹介します。
コミュニケーション能力が高い
アートメイクは、あくまでもお客様の希望に合わせたデザインでおこなうのが基本です。そのためお客様の要望を聞き出したり、患者に適したデザインを提案できたりするような、コミュニケーション能力の高い人には向いています。
コミュニケーション能力は医師や看護師にも求められる能力ですが、美容クリニックでも施術の案内・カウンセリング・スキンケアのアドバイスなど、コミュニケーション能力が必要となる場面が多い傾向です。
ホスピタリティ精神がある
皮膚にインクを入れることで痛みが伴うアートメイクに対して、不安を感じている患者も少なくありません。
また、タトゥーとは異なりいずれ消えますが、それでも数年間は落ちないため、デザインをなかなか決められない方もいます。
そういった患者に対し、それぞれの複雑な心情を理解し、気持ちに寄り添った適切な対応ができるホスピタリティがある人に適しています。
デザインセンスがある
アートメイクを施す部位は、「眉毛」「アイライン」「唇」などがあり、それぞれデザインの仕方も違ってきます。全体のバランスも重要になるため、デザインセンスがある人にも向いているでしょう。
美しいデザインをするためには、色素や皮膚理論などについて基礎的な知識が必要です。
お客様がデザインを決められない場合は、アートメイク看護師がデザインを提案します。デザインセンスがあるとはいえ、アートメイクのデザインにも流行やトレンドがあるので、情報収集も怠らないようにしましょう。
アートメイクの施術をするには医師免許か看護師免許が必要

アートメイクは針で皮膚にインクを入れていく施術で、医療行為です。機材やインクを購入する際にも医師免許が必要なため、アートメイクの美容サロンを開業するには医師免許が必要です。ただし、医師の指示があれば看護師でも施術がおこなうことができます。
アートメイクの知識や技術を習得するには、看護師免許を取得したうえで、スクールや講座などで学んだり、就職先のクリニックの研修で学んだりする方法があります。
美容業界に関心がある人や、看護師資格が活かせる職場を探しているという人は、ぜひ挑戦してみてください。



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