美容師の平均年収はどれくらい? 店長はどれくらいもらえるの? キャリア別の給与相場を紹介
お客様にカットやパーマを施す美容師という仕事に、憧れていたり、やりがいを感じていたりする人は多いものです。しかし、実際に美容師として働くと、どのくらいの収入を得られるのでしょうか。
今回は美容師が給料を上げる方法と、キャリアアップの選択肢として、サロンの店長になるための方法をご紹介します。
美容師の平均年収はどれくらいなの?
美容師として働きたいと思っている人にとって、どのくらいの収入を得られるのかは大事なことでしょう。
ここでは、美容師の平均年収について、2022年2月に報告された賃金構造基本統計調査にもとづいてご紹介します。
平均月給はどれくらい?
厚生労働省が毎年調査している賃金構造基本統計調査では、その時点で雇用されている人の賃金を職種別、企業の規模別に調べています。
美容師は「理容・美容師」に分類され、従業員の数が10人以上の美容室などでは、31.7歳で7.1年勤続した人の平均月給は26万5,000円となっていました。
年間賞与はどれくらい?
同調査によれば、従業員の数が10人以上の企業で働く平均年齢31.7歳で7.1年勤続した人の年間賞与やその他特別給与額は、あわせて6万700円です。
企業規模で見ると10~99人の企業で働く平均年齢31.1歳、勤続年数7.2年の人の5万2,700円がもっとも低く、従業員数が100~999人の企業が平均年齢30.7歳、勤続年数7.3年で12万200円がもっとも高い傾向がります。
いずれにしても美容師の年間賞与は5~12万円であり、多いとはいえないのが現状です。
美容師の平均年収は約324万円!
平均月給26万5,000円の12カ月分318万円と年間賞与などの6万円を合わせた、約324万円が従業員の数が10人以上の企業で働く31.7歳で7.1年勤続している美容師の平均的な年収ということになります。
求人のデータから算出した正社員の美容師の平均年収は331万円となっており、賃金構造基本統計調査で示された年収よりも若干低いです。
ナゼ? 美容師のお給料が安めな理由とは
美容師の年収が低くなりがちなのは、年間賞与が多職種に比べて安いからでしょう。また、美容師1人あたりが1日に施術をおこなえる人数に限りがあるため、その美容室の店舗や美容室を展開するグループとしての売り上げにも限界があります。
さらに同調査では、自分の美容室のオーナーとして美容師の仕事をしている人の収入は含まれていないことも年収が低い理由のひとつのようです。
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年代別でお給料はどれくらい違うの?
美容師として経験を積んでいけば、給料は上がっていくのでしょうか。20歳前後から69歳までの美容師として働く人の平均給与は、もっとも高いのが35~39歳の34万8,300円であり、反対に低いのが55~59歳の16万9,000円です。
40歳までは年齢が上がるにつれて賃金が上がる相関関係がありますが、その後は、家族の事情や体力的に勤労時間が変わることも影響していると思われます。
美容師は70歳以上でも働けるため、この年代では平均で19万3,500円の月給を得ることが可能です。
働く地域でお給料は違うの?
美容師の平均給料は、働いている地域によっても変わります。たとえば、リジョブでの地域ごとの月給を東京・愛知・大阪・福岡の4つの地域で調べた結果、以下の金額が相場となっているようです。
東京:18~75万円
愛知:20~50万円
大阪:18~60万円
福岡:20~50万円
実際には歩合給や役職手当などが加算されるため、上記の相場はあくまでも月給の目安として捉えておくようにしましょう。
店長になったらどれくらいもらえるの? キャリア別の給与相場を紹介!
美容師の求人では、アシスタント募集やスタイリスト募集というように、キャリア別にわかれて募集されていることが多いです。こちらでは、求人情報をもとに美容師のキャリア別の給与相場をご紹介します。
1. アシスタント
美容師免許を取得したばかりだったり、美容師免許を取得済みでもブランクなどがある場合は、お客様の髪をカットしたり、パーマをかけたりする前にアシスタント期間を設けます。
アシスタントのときの月給は13~17万円程度で、求人への応募が集まりやすい都心の有名サロンほど月給が低い傾向があるようです。
2. スタイリスト
アシスタント期間を経て、ひとりでカットやパーマの施術ができるスタイリストとして認められるようになると、月給も上がります。
スタイリストのなかでも段階がわかれており、アシスタントからスタイリストになったばかりのJr.スタイリストは16~23万円、指名料や報奨金をもらえるようになるスタイリストで20~30万円程度が相場です。
スタイリストのなかでも実力があり、お客様の人気が高いトップスタイリストは月収が50万円を超えることもあります。
3. 店長
美容師として経験を積むと、店長や店長候補として採用される求人に応募できます。美容室やサロンの規模、エリアによって異なりますが、店長は30~40万円の月収が相場です。
ただし、店長になると美容師としての施術スキルだけでなく、経営上の仕事や人材育成に関する仕事など、これまでに経験したことがない内容の業務も増えてきます。
独立開業したらどれくらい稼げるの?
美容師としてのスキルに自信がついたら、独立開業して自分のサロンのオーナーになるという方法があります。独立開業した場合には年収1000万円も夢ではありませんが、お客様が来なければマイナスになってしまう可能性もあるでしょう。
開業するエリアのリサーチやブランデングに失敗すると負債を抱えることにもなりますので、雇われ店長以上に経営上や集客などについて学び、開業してからも施術をおこなう時間を割いて研究していく必要があります。
店長を目指すために必要なこととは?
いずれ美容サロンの店長として活躍したいと考えている場合、どのような準備をしていけばよいのでしょうか。
ここでは、美容師がキャリアの目標とする店長になるために身につけたいことや選びたい方向性についてご紹介します。
1. チェーン店に就職・転職する
美容師の求人には、店長や店長候補を募集しているチェーン店が多いです。チェーン店のように複数店舗経営しているサロンや事業拡大をしているサロンを選んで応募すれば、キャリアを積むなかでそのまま店長になれるチャンスがあります。
すぐに店長として働ける即戦力が身についている自信があるなら、ダイレクトに店長の募集に応募してみてもよいでしょう。
2. 経営者としての視点
サロンの店長になると、施術者として美容師のスキルを上げるだけでなく、経営に対する的確な判断を求められる場面が多くあります。
アシスタントやスタイリストとして働いている時期から、オーナーの視点で働いている美容室を観察・分析をおこなうことで経営者としての力量を養うことが可能です。観察や分析で気づいた、売上を維持する方法や集客方法があれば、積極的に提案してみるとよいでしょう。
3. スタッフの管理能力・調整力
美容業界はきつい立ち仕事で身体を壊してしまったり、多くの店舗があることで選択肢が多かったりすることで、転職や離職が多い業界です。
店長を目指すなら、スタッフへの関わり方や労働環境の整え方なども意識しておくことが大切です。スタッフ同士の人間関係を調整したり、勤務時間や健康の状態に配慮したりして、スタッフを定着させる管理能力が重要となります。
4. コミュニケーション能力
店長は、オーナーとスタッフとの間に立つ立場であり、双方の要求を調整する立場です。また、スタッフの指導のために伝えなければならないことを相手が受け入れられるように伝えたりすることも求められ、お客様の苦情対応に当たらなければならないこともあります。
そのため、店長としての仕事を円滑に進めるためには、コミュニケーション能力を磨いておくことも必要です。
美容師のお給料はキャリアアップに比例する!
厚生労働省の調査によれば、美容師の平均月給は26万円とされています。40歳までは年齢が上がるにつれて月給が上がりますが、それ以上にアシスタントからスタイリストとキャリアアップすると高くなっていくようです。その後、トップスタイリストや店長、独立開業などを目指す方向性によっても変わっていきます。
店長を目指すためには、チェーン店に就職・転職するのが近道ではありますが、経営者としての視点やスタッフの管理能力・調整力、コミュニケーション能力などを身につけておくことが大切です。美容師のキャリアアップの目標に、サロンの店長を選択してみてはいかがでしょうか。
引用元サイト
e-Stat政府統計の総合窓口 令和3年賃金構造基本統計調査