美容師の店長の給料は平均いくら?【2025年最新データ】役職・地域・規模別の年収相場と収入アップのコツ
美容師としてキャリアを積む多くの方が、目標の一つとして「店長」を意識するのではないでしょうか。しかし、店長を目指す上で最も気になることの一つが収入面、つまり年収です。現在の給与と比較して、店長になるとどれくらい年収が上がるのか、具体的なイメージを持ちたい方も多いでしょう。
本記事では、店長をはじめとしたサロン内の各役職ごとの給与相場や、実際の求人情報をもとにした月給額を紹介します。さらに、年収を左右するさまざまな要因を分析し、店長になるために必要なスキルやキャリアプランについても詳しく解説します。
店長というキャリアだけでなく、フリーランスや専門スキルの習得など、あらゆる美容師が年収を上げるための具体的な戦略も網羅しています。将来のキャリアを見据えるすべての美容師さんにとって、必読の内容です。
店長の年収はどれくらい?役職別の給与相場

美容師の求人は、アシスタントやスタイリストなど、役職別に募集されていることが多いです。ここでは、美容師の役職別の給与相場を紹介します。
※以下の給与相場は、リジョブに掲載されている求人情報や各種業界レポートなどを参考にした一般的な目安です。
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店長
美容師として経験を積むと、店長や店長候補として採用される求人に応募できます。美容室やサロンの規模、エリアによって異なりますが、店長は30〜45万円程度の月収が相場です。
年収に換算すると、およそ360万円~540万円が目安となりますが、店舗の売上に応じたインセンティブが付与される場合は、これを大きく上回ることも珍しくありません。
ただし、店長になると美容師としての施術スキルだけでなく、経営上の仕事や人材育成に関する仕事など、これまでに経験したことがない内容の業務も増えてきます。
トップスタイリスト
店舗の顔として多くの指名客を抱え、売上を牽引する存在。スタイリストのなかでも実力があり、お客様の人気が高いトップスタイリストは月収が50万円を超えることもあります。
スタイリスト・ジュニアスタイリスト
アシスタント期間を経て、ひとりでカットやパーマの施術ができるスタイリストとして認められるようになると、月給も上がります。
スタイリストのなかでも段階がわかれており、アシスタントからスタイリストになったばかりのジュニアスタイリストは16〜23万円、指名料や報奨金をもらえるようになるスタイリストで20〜30万円程度が相場です。
アシスタント
美容師免許を取得したばかりや、美容師免許を取得済みでもブランクなどがある場合は、お客様の髪をカットしたり、パーマをかけたりする前にアシスタントとして就業します。
アシスタントのときの月給は18~22万円程度で、特に最低賃金の上昇に伴い、近年は都市部を中心に初任給の水準が上がっています。一方で、求人への応募が集まりやすい都心の有名サロンほど月給が低い傾向があるようです。
求人サイト「リジョブ」に掲載された役職別の給与額
美容師・美容室の求人サイト「リジョブ」に実際に掲載された正社員求人の月給額は下記のとおりです。役職が上がるにつれて、給与水準も着実にアップしていることがわかります。
役職 |
下限 |
上限 |
平均 |
アシスタント |
214,386円 |
475,340円 |
344,863円 |
スタッフ |
217,777円 |
420,718円 |
319,248円 |
店長(候補) |
255,060円 |
476,071円 |
365,566円 |
※2025年4月時点でのリジョブ掲載求人データより
店長の具体的な仕事内容とは?

店長の業務は、一人のスタイリストとして施術を行うだけにとどまりません。店舗を円滑に運営するための「マネジメント業務」が中心となり、その内容は多岐にわたります。
①売上・経営管理
日々の売上集計や分析、月間・年間の売上目標設定と進捗管理、経営層への業績報告など、店舗の経営数字を管理する重要な役割を担います。
②スタッフ管理・育成
スタッフのシフト作成や勤怠管理はもちろん、技術指導や練習会の企画、キャリアに関する面談の実施、採用活動のサポートまで、人材の育成と管理全般に責任を持ちます。
③顧客管理・サービス向上
お客様からのクレームに対する一次対応や、再来店を促すためのキャンペーン企画、顧客満足度の分析とサービス改善など、店舗全体のファンを増やすための取り組みを行います。
④販促・在庫管理
SNSを使った情報発信や新たなキャンペーンの企画といった販促活動から、薬剤や店販商品の在庫管理、発注業務まで、店舗運営の土台を支える業務も担当します。
店長の「やりがい」と「大変なこと」

店長という役職は、収入が増える一方で責任も大きくなります。ここでは、その魅力と厳しい側面の両方をご紹介します。
やりがい(メリット)
・理想のサロンを形にできる
自身の考えやビジョンを反映したチーム作り、サービス提供、お店の雰囲気作りができます。自分の手で店舗をより良くしていく過程は、大きな達成感に繋がります。
・スタッフの成長を実感できる
指導した後輩が成長し、スタイリストとして活躍する姿を間近で見られるのは、店長ならではの喜びです。チーム全体の成長が、店舗の成長に直結します。
・お客様からの信頼が深まる
「あなたがいるお店だから」と、個人だけでなく店舗そのものを信頼してもらえるようになります。お客様との関係性がより深く、強固なものになります。
大変なこと(デメリット)
・店舗全体の責任を負うプレッシャー
売上目標の達成や、スタッフのトラブル、お客様からのクレームなど、店舗で起こるすべてのことに対して最終的な責任を負う立場であり、精神的なプレッシャーは大きくなります。
・人間関係の調整役としての苦労
経営層からの指示と、現場で働くスタッフの意見との間で板挟みになることも少なくありません。双方の意見を調整するコミュニケーション能力が求められます。
・自身の施術以外の業務の多さ
売上管理やスタッフ育成、事務作業といったマネジメント業務に多くの時間を割くため、スタイリスト業務に集中したい人にとっては、もどかしさを感じるかもしれません。
年収の差はどこで生まれる?役職以外の3つのポイント

美容師の年収を決める要因は、役職だけではありません。サロンの出店エリアや給与体系、そしてサロンの企業規模も年収に大きな影響を与えます。 ここでは、それぞれの要因について、詳しく紹介します。
①働く「地域」の客単価と物価
サロンの所在地は、美容師の年収に大きく影響します。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、美容師の全国平均年収は約371.7万円です。
この平均額を都道府県別に確認すると、東京都では平均年収が412.7万円と全国平均よりも高くなっています。一方、地域によっては平均年収が280万円台の県もあり、地域によって年収に差があることがわかります。
もちろん地方や郊外のサロンでも、平均年収より給料が高いケースはありますが、一般的には、都市部の方が地方に比べ年収が高い傾向にあるようです。
②「給与体系」の仕組みと特徴
給与体系は、自身の働き方やモチベーションに直結します。
・固定給制
毎月決まった額が保証されるため、収入が安定するのが最大のメリットです。半面、個人の売上が給与に直結しにくいため、モチベーション維持が課題になることもあります。
・歩合制
売上の大部分が自身の収入となるため、トッププレイヤーは高収入を得られますが、収入が不安定になるリスクも伴います。
・固定給+歩合制
多くのサロンで採用されている一般的な形態です。安定した固定給に、個人の売上や店販売上に応じたインセンティブが上乗せされます。「基本給25万円+売上歩合10%」のように、安定とやりがいのバランスが取れています。
③「サロンの規模」による安定性と待遇
サロンの企業規模が大きくなるにつれて、平均年収も高くなる傾向があります。 厚生労働省が発表した令和5年賃金構造基本統計調査によると、理容・美容師が含まれる「生活関連サービス業,娯楽業」の企業規模別でみた平均年収は下記の通りです。
サロンの従業員数 |
平均年収(賞与含む) |
1,000人以上 |
約422万7,100円 |
100~999人 |
約431万1,900円 |
10~99人 |
約354万7,900円 |
企業規模が大きくなるにつれ、基本給だけではなく賞与などの額も高くなる傾向にあることが、年収に反映されているようです。
引用元:
賃金構造基本統計調査 / 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
職種(小分類)、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況
店長になるには?きっかけと身につけたい6つのスキル

店長になるきっかけは、前任者の退職や新店舗の出店など様々です。しかし、こうした機会は待っているだけで訪れるとは限りません。自らキャリアを切り拓き、店長を目指すためには、以下の点を意識することが重要です。
1.チェーン店に就職・転職する
美容師の求人には、店長や店長候補を募集しているチェーン店が多いです。チェーン店のように複数店舗経営しているサロンや事業拡大をしているサロンを選んで応募すれば、キャリアを積むなかでそのまま店長になれるチャンスがあります。
すぐに店長として働ける即戦力が身についている自信があるなら、ダイレクトに店の募集に応募してみてもよいでしょう。 リジョブのような美容専門の求人サイトには、店長または店長候補を募集している求人も多数掲載されています。実際にどのような求人内容での募集があるか、ぜひ一度チェックしてみてください。
2.経営者視点を持ち、提案する
サロンの店長になると、施術者として美容師のスキルを上げるだけでなく、経営に対する的確な判断を求められる場面が多くあります。
現在アシスタントやスタイリストとして働いている時期から、「もし自分がオーナーだったらどうするか?」という視点で働いている美容室を観察・分析を行うことで経営者としての力量を養うことが可能です。観察や分析で気づいた、売上を維持する方法や集客方法があれば、積極的に提案してみるとよいでしょう。
3.経営に関する知識を学ぶ
実際にサロンを運営していくためには、経営に関する知識も必要です。 財務・労務・マーケティングなど、さまざまな知識が必要となるため、店長になる前から少しずつでも勉強をはじめておくことをおすすめします。 近年では、経営に関する書籍やオンラインセミナーも充実しており、自身のペースで学習を進めることが可能です。
4.スタッフの管理能力・調整力
美容業界はきつい立ち仕事で身体を壊してしまったり、多くの店舗があることで選択肢が多かったりすることで、転職や離職が多い業界です。
店長を目指すなら、スタッフへの関わり方や労働環境の整え方なども意識しておくことが大切です。スタッフ同士の人間関係を調整したり、勤務時間や健康の状態に配慮したりして、スタッフを定着させる管理能力が重要となります。
5.コミュニケーション能力
店長は、オーナーとスタッフとの間に立つ立場であり、双方の要求を調整する重要な役割を担います。また、スタッフの指導のために伝えなければならないことを相手が受け入れられるように伝えたり、お客様の苦情に対応したりしなければならないこともあります。
そのため、店長としての仕事を円滑に進めるためには、コミュニケーション能力を磨いておくことも必要です。
6.顧客管理能力
安定したサロン運営を実現するためには、顧客の維持と管理は欠かせません。
店長になる前から、自分のお客様のリピート率を意識して業務に取り組んでみると良いでしょう。「なぜリピートしてくれたのか」「なぜ失客してしまったのか」を分析し、次へと活かすサイクルを確立することが、店舗全体の売上向上に繋がります。
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店長になるだけじゃない!
美容師が年収を上げるためのキャリア戦略

店長への昇進は代表的な収入アップの方法ですが、それ以外にも美容師が年収を上げるための道は数多く存在します。
ここでは、自身の強みやライフプランに合わせて選択できる具体的なキャリア戦略を「3つのステップ」に分けて詳しく解説します。
ステップ① 基礎能力の徹底強化
・顧客を魅了する技術力と提案力を追求する
全ての戦略の土台となるのが、お客様を感動させる圧倒的な技術力です。
カットやカラーの基本技術を磨き続けることはもちろん、最新のトレンド技術を習得し、お客様一人ひとりの髪の悩みや「なりたい姿」を的確に汲み取るカウンセリング能力を高めることが、高単価・高リピート率の実現に不可欠といえるでしょう。
・信頼を築き、リピート率を高める
新規顧客の獲得以上に、一度ご来店いただいたお客様に「またこの人にお願いしたい」と思っていただくことが安定収入の鍵です。丁寧な施術や会話はもちろん、前回の会話内容を覚えておいたり、お礼のDMを送ったりするなど、お客様一人ひとりと真摯に向き合う姿勢が、信頼関係を築き、リピートに繋がります。
・店販スキルを磨き、客単価を向上させる
物販は、単に商品を売ることではありません。お客様の髪質やライフスタイルに合わせ、「ご自宅でのヘアケアで、今日の仕上がりを維持するために必要なアイテム」として、その価値を的確に伝えることが重要です。お客様の満足度を高めながら、自然な形で客単価を向上させる専門スキルと言えるでしょう。
ステップ② 付加価値の創造と発信
・SNSを活用したセルフブランディング
現代において、SNSは個人の名刺代わりです。自身の得意なスタイル(ショートカット、ハイトーンカラーなど)の施術事例をInstagramやTikTokで発信し続けることで、「〇〇が得意な美容師」としてのブランドが確立され、全国から指名が舞い込むこともあります。自身の世界観を表現する場として活用することが大切です。
・専門資格の取得
美容師免許以外にも、「ヘアケアマイスター」「色彩検定」「認定スパニスト」といった専門資格は、自身の知識と技術を客観的に証明する武器になります。専門性を高めることで、高単価なオリジナルメニューの開発や、お客様への提案の説得力向上に繋がり、他者との差別化を図ることが可能です。
・外部講師やセミナー活動
特定の分野で高い技術力や実績が認められれば、メーカーやディーラー、あるいは個人でセミナーを開催し、講師として収入を得る道も開けます。まずは後輩への技術指導などから始め、人に教える経験を積むことが、外部での活躍への第一歩となるでしょう。
ステップ③ 働き方と環境の選択
・フリーランス(業務委託)になる
店舗に所属せず、個人事業主としてサロンと業務委託契約を結ぶ働き方です。売上に対する報酬の割合(歩合率)が50~60%と非常に高いのが魅力です。ただし、集客から確定申告まですべて自己責任となるため、指名客を十分に確保してから移行するのが堅実といえます。
・より良い条件を求め、高待遇サロンへ転職する
現在の職場の給与体系や評価制度に限界を感じるなら、自身のスキルと実績を正当に評価してくれるサロンへ環境を変えるのも有効な手段です。基本給だけでなく、歩合率、福利厚生、キャリアアップの機会などを総合的に比較し、戦略的に転職を検討することが重要です。
・独立開業し、経営者として高収入を目指す
美容師としてのキャリアの一つの集大成です。自身の理想とするサロンを創り上げ、経営者として成功すれば、収入の上限はなくなります。ただし、技術力だけでなく、資金調達やマーケティング、労務管理といった経営全般の知識が不可欠であり、相応の覚悟が求められる選択肢です。
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美容師の年収は、多様なキャリアパスで上げられる!

店長をはじめ美容師の給料は、サロンの給料体系や規模、出店地域によって異なります。しかし、店長になることだけが収入アップの唯一の道ではありません。
本記事で紹介したように、技術を極める、フリーランスになる、専門資格で価値を高めるなど、現代の美容師には多様なキャリアパスが存在します。自身の強みやライフプランに合った方法を見つけ、行動していくことが、理想の年収と働き方を実現する鍵となります。
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美容師の店長に関するよくある質問
ここでは、店長のキャリアに関してよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 30代未経験でも店長になれますか?
A1. 美容師業界が未経験の場合、まず美容師免許を取得し、アシスタントからキャリアをスタートするのが一般的です。そのため、30代未経験からすぐに店長になるのは現実的ではありません。しかし、他業種で培ったマネジメント経験やマーケティングスキルは、将来店長を目指す上で大きな強みになります。スタイリストとして技術と経験を積んだ後、過去の経験をアピールすることで、早い段階で店長候補になることは十分に可能です。
Q2. 子育てしながらでも店長を目指せますか?
A2. はい、目指せます。近年、美容業界でも働き方改革が進み、時短勤務や日曜休みなどを導入し、子育てと両立しやすい環境を整えるサロンが増えています。 店長の役割は責任も大きいですが、勤務時間や業務内容を柔軟に調整できる裁量を持つこともできます。重要なのは、キャリアプランについてサロン側とよく話し合い、理解と協力を得ることです。リジョブなどの求人サイトでは、「ママさん歓迎」や「時短勤務OK」といった条件で求人を絞り込むこともできます。
Q3. 店長になったら、何か税金対策は必要ですか?
A3. 正社員として雇用されている「雇われ店長」の場合、基本的にはサロン側で年末調整が行われるため、個人で特別な税金対策が必要になることは稀です。
ただし、歩合給やインセンティブの割合が非常に高く年収が大幅に増えた場合や、副業収入がある場合は、個人での確定申告を検討する必要が出てくることもあります。その際は、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)といった国の制度を活用した資産形成・節税も選択肢の一つとなるでしょう。
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