美容業界の応援メディア
コラム・特集 2017-11-18

若手美容師の目指す場所!美容室オーナーが気をつけるポイント

若手美容師の多くが将来の独立開業を目指しています。しかし、経営者の立場は一朝一夕でなれるわけではありません。日々の鍛錬の結果として、人の上に立てるだけの実力が手に入れられるのです。また、開業してからも大変なことがいっぱいです。「オーナーになるためには何に気をつけるべきか」と意識しながら、美容師としての仕事に打ち込みましょう。ここでは、オーナーがサロン経営のために意識したいポイントについて解説していきます。

美容室のオーナーの仕事内容とは

オーナーの仕事は「開業前」と「開業後」に分けられます。開業前の仕事としては、とりあえず「物権の確保」です。どんな物件であれ「とりあえず開業すればいい」という考えでは成功しません。立地条件、人通り、外観などを考慮して適切な物件を選び抜きましょう。また、内装や設備についても莫大な費用はかかります。おすすめなのは「居抜き物件」を探し出し、費用を節約する方法です。ただし、どんなに環境が整っている物件でもそのまま開業しては前の店の雰囲気を引きずってしまいます。内装や外装の工事は必ずかかると思っておきましょう。その他、人員募集や採用面接、店舗の宣伝などをこなしていかに問題なく開業させられるかがオーナーの腕の見せ所です。

ただし、オーナーとしての仕事が本格化するのは開業後でしょう。オーナーとはいえ自ら現場に立ち、カットを行うこともあります。しかし、オーナーの仕事の中心はあくまでも「経営」にあります。収支を予測し、黒字をキープしながら経営を拡大させていくのがオーナーに課せられた義務です。また、従業員の生活を守る使命もオーナーは背負っています。いくら利益のためとはいえ、従業員に過酷な労働体系を押し付けられません。労働基準法に準じた健全な労働環境を維持することが肝心です。

店舗の宣伝や新入社員の採用は開業後も引き続き行われていきます。また、顧客の意見に耳を傾けて不足点を補っていくのもオーナーの役目です。オーナーが経営に集中するために、美容師の教育も不可欠です。明確な教育カリキュラムを用意して、若手美容師の成長を後押ししなければいけません。オーナーの利益だけでなく、従業員やお客様の幸せも支えられてはじめてサロン経営は「成功」と呼べます。

サロン独自のシステム・文化を築き上げる

美容室を開業して多くのオーナーがぶつかる壁が「ライバルとの差別化」です。すでに数多くの美容室が日本中にある前提で「どのように集客するか」は難しい問題です。「カットが上手い」「接客が丁寧」という要素は確かにお客様を喜ばせますが、「魅力」とまではいえません。接客業である美容室にとってサービスの良さは最低限の条件にすぎず、ライバルとの差をつけられるポイントにはなりにくいでしょう。自店ならではのオリジナリティあふれるシステム・文化を浸透させる必要があります。

たとえば、「あらゆるお客様」をターゲットにするのを止めてみるのも一つのシステムです。老若男女すべてが通ってくれるサロンは理想ですが、全ての層への訴求力を失うリスクがあります。「どんなお客様に向いているか」が分かりにくくなるので、誰からも魅力を見つけられなくなるでしょう。「10代・20代の女子」など、あえて性別や年齢層を絞り込んだコンセプトを作り上げると、宣伝の方向性も明らかになります。

美容室とは「髪を切りにくるだけの場所」ではなく、社交場としての役割も果たしています。あまり髪が伸びていない女性が訪れるのも、気分転換や癒しを求めているからです。そのため、接客によってサロンの雰囲気を生み出していく努力は大切です。フレンドリーに接するのか、丁重な接し方でゴージャスな気分を味わってもらうのか、サロンの文化をはっきりさせましょう。サロンのシステム・文化はオーナーが考案するだけでは浸透しません。従業員全体で共有させるための工夫が必要です。勉強会を開いたり、教育係を任命したりするなどして、キャリアや能力にかかわらずサロンの雰囲気を守れるような環境を整えていきましょう。

スタッフの個性を認めた指導を

スタッフのモチベーション管理はオーナーの仕事の中でも特にナイーブな問題です。スタッフとオーナーは契約によって結ばれている存在ですが、あまりにも事務的に接しすぎてもスタッフはサロンへの思い入れを抱いてくれません。かといって、友人のように接するだけでは雰囲気が緩んでしまいます。丁度いい距離感を見極めつつ、メリハリのある指導を行っていきましょう。

美容室ではスタッフを一括りにして、まとめて指示を出すのは望ましくありません。特に美容師は技術職であり、各々のスタイルがあります。スタイルをねじ曲げさせて無理にサロンの方針へ合わせてもらうよりも、美容師の個性をいかに取り込めるかで考えましょう。たとえば、スタッフが意見をオープンに述べられる環境は大事です。若手スタッフが先輩に遠慮して、ミーティングなどで発言できないのはいい兆候ではありません。若手の視点だからこそ見えている課題もあるでしょう。トップの人間が率先して意見を促すような進行が理想的です。

また、「接客」や「施術」を厳格なマニュアルで統一させないことも肝心です。基本的な挨拶のスクリプトや施術の手順はあった方が役立ちます。しかし、スタッフそれぞれが拡大解釈できる余地を残しておかないと、現場が無個性になります。また、一部の限られたタイプのスタッフしか定着せず、ますます味気ないサロンへと変わります。

オーナーの立場からは若いスタッフの至らなさが見える瞬間もあるでしょう。しかし、全てを「矯正」するのではなく、温かく見守る気持ちも大切です。そして、個性豊かなスタッフがそろったときにサロンの可能性も広がっていきます。長い目で見れば、スタッフの個性はサロンに利益をもたらしてくれるのです。

サロンの将来のビジョンを持とう

美容室の経営は順風満帆になるとは限りません。頻繁に来てくれるお客様もいつライバルに取られるかわかりませんし、人気スタッフが辞めて売上が落ちることもありえるでしょう。そのため、サロンの経営はつい目先の利益にばかり集中しがちです。しかし、トレンドに便乗してサロンのコンセプトを歪めるようでは、リピーターの信頼を裏切ります。また、トレンドが衰退すればサロンの株も下落していくでしょう。サロン経営では「目先の利益」ではなく「将来のビジョン」を優先する思考が必要とされます。

そのためには美容業界はもちろん、世間の動向を幅広く吸収し予測する力を養いましょう。オーナーになったからには、地価や物価の変動は経営戦略と無関係ではありません。また、経営の参考になる税制や労働基準法なども常に改正されていく法律です。広い視野で物事を見られるようになると、10年後や20年後のビジョンも立てやすくなります。

経営戦略では「現状から目標を考える」のではなく、「目標から逆算して現状を変える」発想を持ちましょう。ビジョンがはっきりしていれば経営が苦しい時期があっても方向性に迷いません。安易な目標の下方修正はスタッフの信頼を失うきっかけにもなります。そして、ビジョンに共感してくれるスタッフを育てましょう。社員教育はもちろん大切ですが、選考段階からビジョンに深く理解を示してくれている人材を優先的に選びます。スキルや経験は教育次第であり、若手美容師は「考え方」に重点を置いて採用しましょう。

この記事が気に入ったら
いいね!してね

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事