移動時間も有効活用。スタジオ運営とヨガインストラクターを両立する尾花理恵子さん
東京・武蔵小山のヨガスタジオを共同経営し、栃木県佐野市と神奈川県川崎市で個人教室を開催するヨガインストラクターの尾花理恵子さん。自宅のある佐野を拠点とし、都内との移動は基本的に高速バスを利用。移動時間はスマホで問い合わせ対応を行ったり興味のある本を読むなど、有効活用しているそうです。そのほかにも、人口増加中の武蔵小山でオープンさせたスタジオは落ち着いた雰囲気で、男性も通いやすい工夫をされていることなどを伺いました。
今回、お話を伺ったのは…
尾花理恵子さん
ヨガインストラクター。栃木県佐野市出身。総合電機メーカーの営業職で、希少疾患や難病に関する新規事業に携わる一方、健康のためにヨガを始める。考え方や生き方にまで踏み込むヨガに魅力を感じ、ヨガインストラクターになることを決意。 年齢や性別、バックグラウンドの区別なく、集まった人同士が繋がる和気藹々とした空間作りを大切にしている。現在は、東京・武蔵小山のヨガスタジオ「Yoga & Wellness Yu Studio」の運営(共同経営)を行うほか神奈川県川崎市の「Spazio yoga」、栃木県佐野市の「sano yoga ruito」にて個人教室を開催。3箇所を拠点に日々忙しく働いている。
武蔵小山のヨガスタジオを共同経営するほか、佐野と川崎でも個人教室を開催
――なぜ武蔵小山・川崎・佐野の3箇所で働くことになったのでしょうか?
以前は会社勤めをしながら、休日にヨガインストラクターをするという生活を1年くらい続けていました。ですが一昨年会社を辞めて、地元の栃木県佐野市に移り住みキャリアをリスタートすることにしました。まずは地元からスタートしようと思っていましたが、同じ頃、武蔵小山でスタジオを作りたいという話を先輩からいただきました。時間もできたし、せっかくだからやってみようかなと思って。今は7割くらいのパワーを武蔵小山のスタジオの運営に注いでいる感じですね。
他にも、以前からやっていた地元の佐野と、川崎で個人教室のレッスンを続けています。
――1週間のスケジュールはどうなっているのでしょうか?
曜日ごとにどこで何をするか決まっています。佐野での個人レッスンは水曜日と日曜日です。佐野ではひとりで教室をやっているので、運営に関わるお仕事はその2日間でできるだけ集中して行うようにしています。
武蔵小山のスタジオは木曜日と土曜日ですね。スタジオの清掃や掲示物の張り替え、備品の補充や事務仕事など、生徒さんに快適に過ごしていただくためのスタジオ作りというのは、木曜日を中心に行っています。土曜日もレッスンがあるので、その時はスタジオの点検をします。川崎の個人レッスンは土曜日の夕方に1コマだけなのですが、武蔵小山から乗り換えなしで電車移動でき、おしゃべりの多いレッスンなのでリフレッシュになっていますね。それ以外の日は、オンラインレッスンをしたり、基本的に自宅でデスクワークをしたりしています。
問い合わせ対応や本を読むことで長時間の移動時間も無駄にしない
――栃木県佐野市のご自宅と都内との移動は時間もかかって大変だと思いますが、どうされているのでしょうか?
1時間に1本程度出ている高速バスで移動しています。都内との移動を見越して、佐野の自宅は高速バスのバス停から近い場所に物件を借りました。都内で働く日も基本的には自宅に帰ることにしています。最終のバスが23時過ぎに新宿を出るので、遅くとも1時前には自宅に到着していますね。早朝レッスンがある日以外は、睡眠時間も7時間くらいは確保するようにしています。
都内から帰ったときに佐野のバス停で降りると、都会とはやはりスケールが違う星空が見られますし、時間の流れもゆったりしていて、リセットされますね。そこは移住して本当によかったと思っています。
――バスの移動時間は何をされていますか?
バスに乗っている約1時間半の間は、公式LINEの問い合わせ対応やSNSの更新など、スタジオでやり残した作業をすることが多いです。以前はPCで掲示物の画像を作ったりしていましたが、目の健康には代えられないので最近はやめました。本を読むこともありますが、なるべく目に優しい紙の本を読むようにして、デジタルデトックスしています。
自分が興味のあるものが仕事に繋がることが多いので、ヨガ以外にもさまざまな本を読んでいますね。やり残したことがないときや疲れたときは我慢せずに寝て、たった1時間半でもネックピローを持ち込んで快適に眠れるように工夫しています。
人口増加中の武蔵小山で男性でも来やすい雰囲気のヨガスタジオをオープン
――ヨガスタジオを武蔵小山にオープンされてよかった点はありますか?
武蔵小山の駅前は、タワーマンションが建つなどここ10年で街が様変わりしています。まず人口増加という点でかなりポテンシャルが高い街であると思います。周りにフィットネスジムやピラティススタジオはありますが、徒歩圏内には当店を含めて2つしかヨガスタジオがなく、その点も集客には有利だと感じました。
一方、武蔵小山は昔からの商店街も健在で、人が元気で活気もあります。挨拶もしっかり交わす雰囲気のスタジオなので、とてもアットホーム。ほとんどが近隣の方で、生徒さん同士の距離も近いですね。以前スタジオの外で交流会を開いたときも、生徒さんがたくさん来てくださいました。地域のコミュニティーづくりにもチャレンジをしているところです。都会で忙しく頑張っている人の憩いの場所のようなスタジオにしたいと考えています。
――スタジオには女性だけでなく男性の生徒さんも多いそうですが?
男性の生徒さんは全体の24%ほどいらっしゃいます。20〜60代まで年代もさまざま。ヨガスタジオではかなり男性が多い方だと思います。その理由としては、男性のインストラクターがいること、ホームページもピンク、お花などの女性的な要素を極力減らしていることなどが考えられると思います。スタジオの壁紙もグレーを基調とした落ち着いた印象で、どんなバックグラウンドの方でも来やすい雰囲気を心掛けています。また、最近のマインドフルネス需要により、ビジネスパーソンがヨガや瞑想などを取り入れていることも大きいのではないでしょうか。
尾花理恵子さんが2つの仕事を両立し、3拠点を移動するうえでされている3つの工夫
1.曜日ごとにすべきことを決めてしっかりスケジュール管理していた
2.バス移動の時間を有効活用して問い合わせ対応をしたり、仕事にも役立つ読書をしたりしていた
3.忙しくてもきちんと毎日帰宅し、自然の多い地元で日々の疲れをリセットしていた
後編では、武蔵小山のスタジオの共同経営について詳しくお伺いします。スタジオの実務全般を担い、みんなが気持ちよく過ごせる場所を作ることが尾花さんの役割だそう。そこには、丁寧な資料作りなど会社員時代に行ってきた経験が生きているのだとか。また、ヨガをビジネスとして利益を出しながら継続させていくことの難しさについても語ってくれました。インストラクターと運営という2つの仕事を経験したことで、それぞれの立場を理解し、寄り添うことができているそうです。