店長としての葛藤を乗り越え…アイブロウリスト・yuyuさんが「人材育成で大切にしていること」【アイブロウリスト・yuyuさん】#2

美容師からアイブロウリストへ転身し、アイブロウ&アイラッシュサロン「en(エン)」の店長を務めているyuyuさん。

後編では、店長になってからの葛藤やスタッフの育成について、そしてアイブロウリストを目指す人に伝えたいことをお伺いしました。

教えてくれたのは…
アイブロウリスト・yuyuさん

奈良県出身。大阪の美容専門学校を卒業後、東京の美容室に2年勤務。その後アイブロウリストになり、現在はアイブロウ&アイラッシュサロン「en(エン)」の店長を務めている。

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店長になって「ぶつかった壁」

――現在店長として、どのようなサロンの雰囲気づくりをしていますか?

「楽しく働きたい」というのが一番です。スタッフの子たちにも、できるだけ負担を少なくして働いてほしいなっていう思いがあります。でも人によっては波もあるので、頑張っていこうと言って頑張ってくれる子もいれば、それが難しい子もいる。とにかく一人ひとりとコミュニケーションをとって、「この子はこう伝えた方がいいな」など探り探りですが、自分なりに考えてやってきています。

私が伝えたことがあまり響いていないなら寄り添う形で接してみよう、褒めて伸ばしてみようなど、とにかくスタッフとコミュニケーションをとって、みんなが同じモチベーションを保てるように意識していますね。ただ私もまだまだなので、モチベーションが下がっている子をどうやって上げていこうかと悩むこともあります。でも自分だけでなくスタッフの子たちも積極的にコミュニケーションをとってくれているので、そういった部分ではいい雰囲気がつくれているのかなと感じています。

――店長としてスタッフをまとめていくなかで、難しいなと感じたことはありますか?

前のサロンに務めていたときは、先輩後輩という関係はあったんですけど「みんな友達」みたいな感じで。でも店長という立場となると、仲良しこよしではやっていけないなっていう気持ちがありました

ただ店長になると、スタッフにやめて欲しくないからこそ強く言えなかったりすることもあったんです。私はすぐ心が折れてしまうタイプなので、「もう無理だ」って思ってしまうこともあったんですよね。前のサロンは雰囲気がとても良かったので、そのときに改めて「店長ってすごかったんだな」って思って。

「店長になったらこうしよう」とかまったく考えられていない状態でスタートしたので、仲良くしたいけど仲良くしすぎないようにしなきゃというところが、本当に難しくて悩みましたね。

――現在はどうですか?

今は自分の指名でお客様がたくさん入ってくれているので、店長という立場を確立できていることもあり、スタッフの子に対しても色々言いやすくなってるというか。でもそれは、お客様のおかげだと思っています。

今はスタッフの子と仲良くしつつ、コミュニケーションをしっかりとれているので、いい関係性が築けてるのかなと思います。

スタッフみんな、指名で予約が埋まるようにしたい

――具体的にどのような方を求めていますか?

採用に関わることはないのですが、店長として「こういった人を採用して欲しい」というのは伝えています。enは他のサロンに比べて価格帯が高いので、高級感のあるサロンを目指していて、技術だけでなく「またここに来たい」と思ってもらえるような接客ができる方、そして向上心がある方を求めています

やっぱりマイナスな気持ちで働いて欲しくないですし、1人でもそういう方がいるとサロンの雰囲気も悪くなってしまうので、やる気のある方と働きたいと思っています。

――yuyuさんがスタッフの育成をするときに意識していることはありますか?

技術の面では、自分が大切にしている毛抜きだったりは、細かくチェックしています。お客様に「このサロンだから来たい」と感じてもらえる技術をみんなに持ってほしいなと思っているので、自分だけにお客さんがつくというよりも、スタッフみんなが指名で埋まるくらいにしたいと思っています

なので技術面では、自分がお客様にやってることを全部伝えています。正面から見たときはこういうところを注意してとか、そういったポイントはしっかりと伝えて意識してもらうようにしていて。唯一無二の施術者になってほしいなっていう気持ちで育成をしています。

――アイブロウリストになるために必要なスキルと心構えがあれば教えてください。

正直技術がしっかりできていれば、クリアできるかなと思っています。ただそのなかでも、私はカウンセリング能力をすごく重要視しています。たとえば「1〜9のデザインから選んでください」というサロンもあったり、私が勤めるサロンのように基本的にはお客様に似合う眉毛を提案するという場所もあります。

どういった形が似合うのか、自眉毛の状態から理想の形にできるのかなど、わからないまま来店されるお客様がほとんどなんです。だからこそ、お客様のお顔を見て似合う形を考えたり、ご要望を照らし合わせてより良いものを提案するという「カウンセリング能力」が必要になってくると思います

ロボットのように言われたことをただやるのではなく、プロとしてお客様に似合う眉毛を提案できるスキルは絶対に必要です。ある程度骨格に似合う形というのがあるので、その部分は学んだ方がいいと思います。それから応用編として、お客様やモデルさんを施術して経験を積んでいくのが一番いいかなと思いますね。

アイブロウリストは美容師と同じ「人を綺麗にする仕事」

――アイブロウリストを目指す人に向けて、yuyuさんからメッセージをいただけたら嬉しいです。

だんだん眉毛サロンも増えてきていて、まだまだ伸びしろがある職業だと思っています。お客様の喜ぶ表情を間近で感じられるのが、この仕事の醍醐味かなと。自分の手で誰かを綺麗にできたりするのは美容師さんたちと一緒だと思うんですけど、眉毛って顔の中でも大事なパーツになってるので、それだけでより可愛くなったり綺麗になったり、印象がガラッと変わるんですね。そういったところで、やりがいを感じられるのではないかなと思います。

ただ、美容師を目指していたのになんとなく逃げてきたと思われてしまいがちなのが、もったいないと感じていて。アイブロウリストは、美容師と一緒で「人を綺麗にする仕事」で、それが髪なのか眉毛なのかっていう違いだけ。美容師からの逃げ道のひとつとして考えて欲しくないと思っています

アイブロウリストは思ってる以上に華やかで、やりがいも感じられるし、今後伸びていく仕事だと思います。今後、アイブロウリストを目指す人が増えたらいいなと思っています。

――最後に、yuyuさんにとって「働く」とは?

私にとって働くとは、自分の一つの居場所であると感じたり、人とつながることができたり、新たな世界が見られることだと思っています。
実際に自分がサロンで働く上で、さまざまな事情を持っていらっしゃるお客様や色々なことをされているお客様にたくさんお会いします。サロンでは、自分が普通に過ごしていれば出会わないような方々と巡り会うことができるんです。

そのなかで自分との共通点があったり、そこからさらに話が広がって知らない情報を知ることができたりと、自分ひとりでは感じられないような新しい世界が見れるんですよね。もちろん自分に取り入れることもできますし、その情報を他の方へつなげることもできる。すべてにご縁を感じています。
そして顧客様がいらっしゃることで、「自分の居場所はここなんだ」と感じさせてもらえる。そんなかけがえのない場所であり、新たな自分と出会うきっかけがもらえるところだと感じています。自分だけでなく、来ていただくお客様にもそう感じてもらえたら、私の働くという意味はより価値のあるものになるんじゃないかと考えています


yuyuさんが大事にしてきたこと

1.訪れたチャンスは必ず掴むこと。

2.セルフブランディングを徹底すること。

3.サロンの雰囲気をいい状態に保つために、スタッフとのコミュニケーションを密にとること。

写真/Shohei
取材・文/菊地菜々

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Salon Data

en ~eyelash & eyebrow salon~
表参道店:東京都港区北青山3-8-11 みゆきビル 2F
銀座店:東京都千代田区有楽町2-3-6 マスヤビル 4F
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