バズりたいのなら自ら考えて動くべし!自己分析とジャンルの確立がカギに【AI TOKYO渋谷 もるさん】#1

SNSでの発信が当たり前になった美容業界。採用に向けてSNSアカウントを聞くサロンも増え、SNSの活用が就職活動に与える影響も大きくなってきました。そこで本企画では、就活に効果的なSNSの活用法について、熟練者へのインタビューを通して学んでいきます。

今回は、美容学生時代から本格的にYouTubeに取り組み、現在もなお、注目を集め続けている「AI TOKYO渋谷」のもるさんにインタビュー。

前編では、もるさんがSNSに注目したきっかけや動画をSNSに活用する目的についてお話をお聞きします。

お話を伺ったのは…
AI TOKYO渋谷 もるさん


山野美容専門学校に進学したタイミングでYouTubeを本格的にスタート。およそ2年間で登録者数15万人を突破させ、学生時代から注目の的に。現在は「AI TOKYO渋谷」に籍を置き、プレイヤーとして活躍する傍ら、アカデミア開設やSNS周りのプロデュース業を行うなど、活躍の場は広い。

Instagram:@morusan_aitokyo

美容に興味があり、YouTubeでの動画配信をスタートさせた

――最初はYouTubeから着手したのだとか。始めたきっかけをお聞かせください。

もともと美容に興味がありました。そこでヘアアレンジの参考にしていたのが、YouTubeだったんです。

とはいえ、当時は今ほどネットが定着しておらず、ネットに個人情報や顔を出す行為はNGと教育されていた人がほとんど。顔出しをして発信する人は多くなく、ヘアアレンジの動画があってもサングラスやマスクを着用しながらの解説ばかりなうえに、現在のように見やすい編集もされていなかったため、自分で一時停止したり巻き戻したりしてヘアアレンジを真似するほかありませんでした。顔が隠れていると、骨格に対してヘアアレンジが似合っているのか判断がつきませんから、再現するのにとても苦労したのを覚えています。

この出来事がきっかけとなり、大学に進学したタイミングでYouTubeの配信を始めたんです

――初めから美容に興味があったと。同時に美容師を志した?

そうですね。美容に興味を持っていた時点で美容師になりたいと考えていましたし、高校卒業後は美容の専門学校に行こうと思っていました。ところが、両親に反対されてしまって。将来を考え、まずは大学を卒業しておいた方が良いとアドバイスをもらい、横浜にある四年生大学に進学しました。

大学3年生になったとき、YouTubeの動画がだんだん注目され始めたことを機に「残りの2年は美容に懸けたい」と親を説得して、美容の専門学校へ編入する許可をもらいました。

自身が疑問に感じていた問題を取り上げた企画で大バズり!

――投稿していた内容について教えてください。

主にヘアカタログに掲載されているスタイリング解説の動画がメイン。ヘアカタログだけでは完成させるための情報が少ないと感じていたので、自分で分かりにくいと感じたところに説明を加えた動画を配信していました。

以前の自分が「あったら良いな」と思う動画を意識して作成していたら、15万人もの登録者数を獲得。YouTubeが認知され始めた頃なので、今で言うと150万人くらいの数値になりますね。

――特に反響が大きかった投稿内容は?

美容専門学校に進学したときにスタートさせた「もる散歩」です。

YouTubeのほかにヘアアレンジの参考にしていたのが、全国の書店で販売されていたヘアカタログ。でも、カタログに載っているサロン全てが東京のサロンのみ…。「全国で販売しているカタログなのに東京に行かないと体感できない」のは、おかしいと思ったんです。地方に住んでいたとして毎回ヘアセットだけのために東京に行く選択肢はありますが、現実的ではないですよね。

そこに焦点を当てた企画が「もる散歩」なんです。実際に東京のサロンに伺い、その雰囲気を配信して実際にサロンに行った感覚を感じられる動画にしました。

――実現するために準備したことを教えてください。

僕がYouTubeで発信している内容と規模感を伝えるため、反応の多い視聴者層を男女比のグラフデータを元にした企画資料を作成し、各サロンに配って回りました

当時はSNSがあまり浸透していなく、自分の足でお客様を掴んでくるのが主流な時代。さらにサロンの中でカメラを回す文化がありませんでしたから、多くのサロンに断られました(笑)。SNSが今ほど定着していないことから、避ける方が多かったんです。

そんな中、唯一許可をいただいたサロンが「OCEANTOKYO」。開業して間もないにも関わらず、美容業界ではいち早くSNSの必要性に注目していたサロンとして一目置かれていました。

――動画はどのくらいの再生数だったのでしょうか?

OCEANTOKYOの動画は300万再生を突破し、トップの視聴者数を獲得。その後も、第4段くらいまで投稿を続け、過去最高にバズった企画となりました。

SNSを活用して感じたメリットは人それぞれ。目的のためにSNSを活用すべし

――学生時代からSNSで勢いがあったとお見受けします。SNSに取り組んでいてメリットに感じたことは?

先述した動画を受けて、OCEANTOKYOから内定をいただいたこと。もともと憧れていたサロンからお声がけいただけたことはとても嬉しかったですね。SNSの使い方によっては、いろいろな可能性があると思います。

――詳しい経緯を教えてください。

東京のサロンを紹介する「もる散歩」を見ていたサロンから「どのくらい美容が好きなの?」と、突然ご連絡をいただいて。目標や想いを説明したら、内定をいただく運びとなったんです。

ただ、メリットがあった反面、周りから「コネ」だとか「ずるい」 などといろいろな意見をもらったこともありました。でも、僕はそれを悪いことだと捉えていなくて。僕はむしろ、そのコネを獲得するために動いていましたから、努力が実った結果でしかないと考えています。目的があるから動く。それによって評価された事実は間違いないですから。

美容学生がSNSで注目されるポイント

1.自分の発信したい分野を確立させる

2.自己分析を怠らずに改良していく

3.業界を知り、必要なものを見抜く力をつける


次回の後編では、SNSで投稿する際のポイントやコツ、向き合い方について、アドバイスを伺います。

取材・文/東 菜々

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