SNSは自分の質を高めるきっかけに。投稿頻度と質の高い投稿で人間性をアピールして/ALBUM #2
就活に効果的なSNSの活用法について、有識者へのインタビューを通して学ぶ本企画。前回に続き、美容学生から就職先として人気が高く、SNSでの発信力の高さにも定評のある「ALBUM」の羽場友紀さんと廣原美南さんに、お話をお聞きします。
後編となる今回は、美容学生におすすめのSNSの活用法、就活にSNSを活用する際のアドバイスをお聞きしました。
お話を伺ったのは…
ALBUM 広報部 廣原美南さん/池袋店 副店長 羽場友紀さん
左)廣原美南さん
株式会社オニカム 広報部
2020年3月都内4年制大学を卒業後、新卒で大手化粧品メーカーに入社し、美容部員として従事。退職後2022年11月からALBUMにジョイン。美容師のプロモーション案件、SNS・ブランディング指導、新卒採用までALBUM全体のブランディングに関わる業務全般を担当。
右)羽場友紀さん
ALBUM池袋店 副店長
2021年3月山野美容専門学校を卒業。新卒でALBUMに入社。ALBUMディレクターNATSUMIの専属アシスタントの経験を活かし、フレンチガーリーな前髪カットを得意とする。インスタフォロワー数は1.3万人越え。インスタからの集客も多数実績がある。
学生がSNSを始めるなら
おすすめはTikTokとInstagram。
とくにInstagramは採用へのアピールに
――美容学生がこれからSNSをするなら、おすすめのSNSは?
羽場:個人的には、InstagramとTikTokがおすすめです。例えばTikTokは、ランダムにおすすめ投稿に載りやすいという特徴があります。だからヘアアレンジなどの動画系は、TikTokの方が見られる回数がかなり多くなるんです。
そこからInstagramにリンクを繋げておいて、写真でしか見えないところはInstagramに載せる。そうすると、それぞれのアカウントが、お互いにのびていくんです。だから、もしSNSをするなら、InstagramとTikTokのどちらもするといいと思います。
例えば、作品撮りや自分のファッションなど写真で見せた方が印象的なものはInstagram、ヘアアレンジやヘアセットなど動画で見せた方が伝わるものはTikTokと、内容に合わせて棲み分けるのもおすすめです。
――採用側目線ですと、いかがですか?
廣原:エントリー書類や面接時の自己アピールの中で「TikTokも力を入れています」という話があれば、もちろんチェックさせていただきます。ただ現段階では、こちらから確認しているのはInstagramだけです。
Instagramでは、主に投稿頻度と内容を見ています。美容に関する投稿をしているのが理想ではありますが、まだ学生なので100%美容であるべきとは考えていません。とは言え、就活にあたって提出いただいたアカウントなので、「美容師を目指して就活をしていく上で、どういうところを見られているのか」というポイントを押さえた投稿をしてくれているといいなとは思います。
そういった投稿があると、美容師になったときにどんなお客様を呼びたいのか、どう集客していきたいのかが想像しやすいんですよね。だから採用目線での評価のしやすさ、という点では、美容師っぽい投稿の評価が高くなる面はあります。
羽場:Instagramなら、リール動画に取り組むのもいいと思います。リールは再生数が回りやすくバズりやすいので、フォロワー数を増やすという面で有効です。僕も最近まであまりフォロワー数の伸びが良くなかったんですが、リールを上げ始めたら数字が動き始めたんです。
だから美容学生さんなら、これから美容アカウントに変えていくタイミングなどにリール動画をいくつか投稿すると、初動が進みやすいんじゃないかと思います。
自分の人間性が伝わるビジュアルと
質の高い投稿内容で
SNSへの関心の高さをアピール
――羽場さんがこれから就活のためにSNSをするとしたら、どんなことをしますか?
羽場:今なら、Instagramのアカウントページを開いたときに目に入る9枚の画像で、どれだけ「自分がどんな人なのか」を伝えられるかに、全力で取り組むかもしれません。
Instagramのアカウントページを開くと、3枚ずつ段になっていますよね。その3段の画像の系統が揃っていると、「この人はこんな人なんだ」と伝わりやすいと言われているんです。そこに、自分の強みとしてアピールできる投稿内容と、美容師になったらどんな雰囲気で打ち出したいのかが伝わるビジュアルを入れて、自分らしさが伝わる世界観を作る気がします。
あとはフォロワー数を増やすために、再生数が回りやすいリール動画にも力を入れるんじゃないでしょうか。
――ビジュアルから人間性を伝えるんですね。
羽場:でも一番大切なのは、「投稿の質をどれだけ上げられるか」だと思います。僕が就活をしていた頃は、画像2・3枚でもいいから毎日投稿することが、SNSアカウントを伸ばすには重要だったんです。でも、最近のSNSのアルゴリズムでは、毎日投稿するだけでなく、投稿の質の高さが重要になってきています。
SNSに力を入れているALBUMを受けるとしたら、「SNSのことを知らなければ採用してもらえない」と考えると思うんです。それならSNSのアルゴリズムを踏まえて、投稿の質をめちゃくちゃ上げて中身で他の人と差別化して勝負しますね。パッと目に入ったときに「見たい」と思ってもらえるサムネを1枚目に置いて、内容は詳しく編集して10枚MAXまでたくさん載せたいです。
――トレンドを押さえた投稿をしているかは、採用側にも伝わりますか?
羽場:めちゃくちゃ伝わります。「最近このかたち、よく見るな」とか、やっぱり投稿にもトレンドはあるので、そこを押さえていたら「よく研究しているな」と感じます。
廣原:ALBUMでは、最新のSNSアルゴリズムや美容師界隈でどんな投稿がヒットしているかの分析などを管理部が行い、月1ペースで情報提供しているんです。加えて、スタイリスト本人たちも自発的に実践して学んでいるので、学生がSNS投稿に力を入れているかは、採用側にもしっかり伝わります。
SNS活動は人間性を高めることにつながる。
企業へのアピールチャンスを逃さないで
――最後に、これから就活のためにSNSを活用したいと考えている美容学生に向けて、アドバイスをお願いします。
羽場:今はSNS上に情報がすごく多いので、同じことをしていても埋もれてしまったり、「この情報、前にも見たな」と思われることも多いです。では、どこで差別化するのかとなると、やっぱり情報の質の高さだと思います。
質の高い情報は、第三者目線から見て、その人の人間性の質の高さを感じさせます。内容が薄い投稿をしていたら薄い人間だと思われるし、濃い投稿内容なら、その人の人生や考えの濃さが伝わる。そして、質の高い情報を発信しようと努力し続けることで、見かけだけじゃなく本当に自分の人間としての質も良くなると思うんです。その経験や人間力は、もしSNSが全てなくなったとしても残ります。
僕自身、人間力があって人のために動けるような、質の高い人間でありたいし、そういう人と一緒に働きたいです。だから、「せっかくSNSを活用するなら、第三者のために質の高い情報を発信したい」と考えられるような学生さんが増えたらいいなと思います。
廣原:弊社の採用においては、結果よりもプロセスを評価しているので、フォロワー数はそれほど見ていないことは、ぜひ知っていて欲しいです。
SNSを使って企業側に自分をアピールできること自体、大きなチャンスだしメリットだと思います。書類と面接だけでは伝わらない、自分の世界観やプライベートをSNSで表現できたら、就活にはすごく有利になると思うんです。その機会を、ぜひ有効活用して欲しいです。
美容学生がSNSを活用するときのポイントまとめ
1.採用側がチェックするInstagramは必須
2.本気で勝負するならSNSのアルゴリズムを学ぶ
3.更新頻度と投稿内容で人間性をアピールする
取材・文:山本二季