鍼灸師を辞めたいと思う理由とは?転職のためにやるべきこととや理想の職場を見つける方法も紹介
鍼灸師は、お客様の体の不調にアプローチし、独自の技術で改善に導くやりがいのある仕事です。一方で、きつい・大変・やめておけなどといわれることもあります。
鍼灸師の仕事に対してネガティブなイメージがつきまとう理由には、どんなものがあるのでしょうか?今回は、鍼灸師を辞めたいと思う理由や転職成功のためにやるべきこと、理想の職場を見つけるポイントや方法について紹介します。
鍼灸師を辞めたいと思うのはどんなとき?
鍼灸師は文部科学大臣の認定した学校、厚生労働大臣の認定した養成施設又は都道府県知事の認定した養成施設で3年以上学び、国家試験に合格しなければ資格を得ることができません。高いハードルを乗り越えて手にした仕事を辞めたいと思う理由には、どんなものがあるのでしょうか。鍼灸師が仕事を辞めたいと思う理由を紹介します。
引用元
厚生労働省|はり師国家試験の施行
厚生労働省|きゅう師国家試験の施行
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体力的にきつい
鍼灸の施術は立ち仕事である部分も多く、予約状況によっては休憩をとることもままならないということもあります。鍼を使った施術では、些細なミスが事故につながることもあり得ることから、常に神経を張りつめて集中する必要があるため、精神的な疲労も感じやすいです。
精神的な負担と肉体的なきつさの両方があるため疲労感が大きく、きついと感じる人も多いでしょう。
また仕事は施術や接客だけでなく、清掃や予約管理、道具類のメンテナンス、カルテ管理など多岐にわたります。一日中立ちっぱなし、動きっぱなしということも珍しくなく、職場環境によっては辞めたいと思う人も多いです。
労働時間が長い
鍼灸院によって営業時間は異なりますが、長いところだと8~21時まで受付していることもあり、拘束時間は長い傾向があります。そういった場合当然労働時間は長くなり、上述した体力的・精神的なきつさに追い打ちをかけることにもなりかねません。
さらに鍼灸師は知識や技術に終わりがないため、勉強会に参加したり知識を増やすために自己学習したりする時間を考慮すると、ほとんど休みなく働いているような感覚になってしまうこともあるかもしれません。
給料が低い
鍼灸師の仕事でよくいわれる給料の問題ですが、実は鍼灸師の年収は決して低くありません。
一般の給与所得者の平均年収は458万円、鍼灸師の平均年収は459万3,000円、鍼灸師を含めたその他の保健医療従事者(柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・臨床工学技士など)の平均年収は438万6,000円です。
こうして見ると、鍼灸師の給料が低いといわれるのは、年収そのものではなく労働時間や精神的・体力的負担との兼ね合いで、割に合わないと思われている側面があるのかもしれません。
引用元
厚生労働省|職業情報提供サイトjobtag
国税庁|令和4年分 民間給与実態統計調査
厚生労働省|令和5年賃金構造基本統計調査
人間関係がつらい
鍼灸の施術では、お客様とのコミュニケーションが欠かせないことから、人間関係の難しさに直面することもあります。
物わかりのいいお客様ばかりとは限らず、鍼や灸に苦手意識があったり初めてで怖がったりするお客様に、丁寧に説明して緊張を和らげる声かけも必要で、ときには施術に対して不満をぶつけられることもあるかもしれません。
また院内での人間関係も、方針や考え方が合わない上司や同僚がいた場合、何事もなく毎日を過ごすだけで神経をすり減らしてしまうということもあるようです。
転職成功のためにやるべき3つのこと
仕事を辞めようと決意した場合、転職を成功させるために押さえておくべきポイントがいくつかあります。ここでは、転職を成功に導くためにやるべき3つのことを紹介しましょう。
1. 理想の働き方を具体的にイメージする
まずは理想の働き方をしっかりとイメージする必要があります。将来どうなりたいのか、どんな風に働きたいのか、どんな職場であれば長続きしそうかといった内容をできるだけ具体的にしておくことで、就職後のミスマッチを防ぐことができるでしょう。
理想とする働き方がはっきりすれば、そこに向けて必要な資格を新たに取得したり自分に足りないスキルを把握したりすることにつながり、より理想に近づくことが可能になります。
2. 転職を決意した理由をクリアにする
次に転職を決意するに至った理由を明確にしましょう。多くの場合、転職を決意するまでにはある程度の期間を経るなかで、いくつかの要因が重なっていることがほとんどです。しかしなかでも決定打となった大きな理由をはっきりさせておけば、次の就職で同じ轍を踏まずにすみます。
自分のスキルに対して十分な待遇が与えられていないことが不満だった場合は、自分自身の市場価値を客観的に評価したり、目指すキャリアを明確にしておくことも大切です。
3. ブラックな職場環境ばかりではないことを知っておく
最後に、すべての鍼灸院で労働時間が長く辛いことばかりではないことを知っておきましょう。
モアリジョブでは、6年連続で離職率0を実現している鍼灸サロン「warmy」、美容鍼サロン「HariFa」などを経営している、鍼灸師の御領原圭佑さんのインタビュー記事を掲載しています。
- 「鍼灸師の仕事は技術職ではありますが、どんなに技術が優れていても、最終的にはお客様とスタッフが人と人として向き合う仕事で、お客さまは店につくというより、スタッフについてくださることがほとんどなんですね。
僕はスタッフに負荷があまりかからず、長く働いてくれるように設計しました。その設計がうまくいけば、離職率が低くなり、求人費や教育のコストがかからない分、給与にも反映できますし、福利厚生も充実できる、いい循環になると考えたんです。」
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6年連続離職率0。稼働率を7割にする「忙しくさせ過ぎない」経営術「HariFa」御領原圭佑さん
鍼灸院を辞めるときの流れ
退職する際は、できるだけ円満に辞められるようにすることも大切です。もめて辞めた場合、自分を指名してくれていたお客様に悪印象を与えてしまうことにもなりかねず、鍼灸師として決してプラスにはなりません。
そこで、円満に退職するための流れを押さえておきましょう。
1. 通告はいつまでにするべきかを調べる
突然退職すると人員の確保や引継ぎがうまくできずに、職場に迷惑をかけてしまいます。突然今月いっぱいで辞めますなどと通告すると、悪印象を与えるばかりかトラブルにもなりかねません。退職は、通常退職日の1~2カ月前までには通告するのが一般的です。
しかし就業規則で決められていることもあるので、勤めている職場の就業規則を今一度確認し、いつまでに退職の意志を伝えるべきか調べておきましょう。
2. 有給休暇の消化ができるか確認
有給休暇の消化は労働者の権利として認められているものなので、退職までに消化ができるか確認しましょう。
有給休暇の残日数や就業規則に有給休暇についての規定があるかなどもチェックし、わからない場合は上司に聞いて有給休暇の消化ができるように段取りをします。
有給は、パートやアルバイトでも一定の条件を満たせば取得可能なので、退職が決まったら確認することをおすすめします。
3. 引継ぎをする
カルテ管理やお客様の症状など、引継ぎ事項があれば必ず引継ぎをします。引継ぎをせずに辞めた場合、職場が混乱したり場合によっては営業に支障がでたりして迷惑をかけてしまうことも。
上司や同僚に恨まれたり、退職後に確認の連絡がきたりして嫌な思いをすることになるかもしれないため、引継ぎについて確認し、必要な日数や誰に引継ぎを行うのかなどを職場と共有したうえで、きちんと引継ぎを済ませましょう。
4. 退職届を出す
退職の意思を伝えるだけでなく、きちんと書面を提出することも重要です。退職届は法的な効力をもたせることができるため、仮に引き止められたり人員確保できるまで退職を認めないといわれたりした場合でも、書面をもって区切りをつけることができます。
退職届は提出しなくても退職できますが、口頭でのみのやりとりでは証拠が残らず行き違いなどのトラブルになる可能性もあるため、提出しておいたほうがいいでしょう。
長く働ける職場を見つけるための3つのポイント
退職するのは勇気のいることなので、できれば転職先では末永く勤めたいものです。そこで、長く働ける職場を見つけるためにチェックしておきたい3つのポイントを紹介しますので、参考にしてください。
1. 待遇をチェック
特に勤務時間や給料などに不満を感じて退職を決意した人は、前職の条件を踏まえてチェックするのがおすすめです。以下のリストを参考に、待遇をチェックしましょう。
・給料
・勤務時間・休日
・福利厚生(社会保険・住宅や通勤手当・ボーナスなど)
・昇給制度について
給料や福利厚生・勤務体制などの待遇は、ワークライフバランスを見極めるためにも重要な項目。自分自身の生活パターンや家族との時間などを考慮してチェックしましょう。
2. 研修制度や教育体制をチェック
十分な経験を積めないまま転職する方などは特に、研修制度や教育体制の有無は気になるところです。
就職後にきちんと指導を受けることができるのか、研修制度や教育支援の仕組みはあるかなどをチェックしておくと、入社後も安心して働くことができます。
本人の向上心だけに任せず、鍼灸院がスタッフの成長をサポートするバックアップ体制がある職場は、すでに十分なスキルがある鍼灸師にとっても働きやすい職場である可能性が高いでしょう。
3. 職場環境をチェック
求人情報のテキストだけではわかりづらい職場環境のチェックも、必ずしておいたほうがいい項目です。
院内の雰囲気やスタッフが働く姿などは入社してみないとわからない部分も大きいですが、労働条件だけでなく働きやすく居心地のいい職場かどうかは、職場定着率に影響します。
職場見学や客として訪れたりするのもいいですが、院長の人柄がわかるメッセージや職場の雰囲気や価値観など、詳しい情報が掲載されている求人サイトを利用するのもおすすめです。
理想の条件に合った就職先を見つけるには?
求人数が少ない場合、理想の鍼灸院を見つけられる可能性は低いといわざるを得ません。待遇や研修制度、職場環境などをしっかり見極めて選びたいなら、求人数が多いサイトを利用するのがおすすめです。
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充実した検索機能で希望条件の求人を探しやすい
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月給や年収額の下限・上限を指定したり、施設の形態や働き方を選んだりすることもできるため、理想の求人を見つけやすい設計です。
求める人物像や理念、強みやこだわりなどの詳しい情報にくわえ、院の外観や内観、スタッフの写真なども掲載されているため、雰囲気もつかみやすいでしょう。
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入社後30日と1年の2回受け取れる勤続支援金やお友達紹介キャンペーンなども実施されており、転職で活用できるさまざまなサービスを利用できるのもメリットです。
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鍼灸師は体力的な辛さや精神的な負担の大きさ、労働時間の長さなどがフォーカスされがちで、実際に辞めたいと感じている方もいるかもしれません。しかし鍼灸師は業務独占資格で独立開業も可能、年収も決して低いというわけではなく、スキルを高めることで高収入も期待できる仕事です。
すべての鍼灸院やサロンで待遇が悪いわけではなく、理想の職場に出会えていないだけの可能性もあります。
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