テーマには一貫性を持つこと。「ギャルの神様」が多くの人から注目されている理由とは?【Hair Salon ZYNX代表 TAKUMAさん】#2
SNSでの発信が当たり前になった美容業界。採用に向けてSNSアカウントを聞くサロンも増え、その活用方法が就職活動に与える影響も大きくなってきました。そこで本企画では、就活に効果的なSNSの活用法について、熟練者へのインタビューを通して学んでいきます。
前回に引き続き、Hair Salon ZYNX代表 TAKUMAさんにインタビュー。TikTokがきっかけで認知度アップに成功したTAKUMAさん。その他、ほとんどのツールを使いこなしているTAKUMAさんに、注目を集める動画作りの極意を詳しくお聞きします。
お話を伺ったのは…
Hair Salon ZYNX代表 TAKUMAさん
都内にある有名サロンに19歳から所属し、23歳でスタイリストデビュー。今年の4月に念願の独立を叶え、渋谷に「Hair Salon ZYNX」をオープン。高度なブリーチ技術とエクステが高く評価され、若者世代から絶大な信頼を寄せられている。SNSでは「ギャルの神様」として注目を集め、総フォロワー数は30万人を突破するほど。
- Instagram:@takuma_aka_zynx
YouTube:「ギャルの神様」
TikTok:@takuma_aka_zynx
バズりたいならTikTok一択! テーマを決めることがカギ
――今、学生が取り組むべきSNSは?
今から始めるなら断然、TikTokですね。実際に僕も投稿してすぐにバズりましたし、他のツールと比べても、TikTokは注目されやすいです。
――投稿する際に気を付けると良いことは何でしょう?
最初は、まず「投稿すること」が大前提ですが…大まかなテーマは決めておくと良いと思います。これはどのツールに対しても同じことが言えます。視聴者やフォロワーから「ついていきたい」「応援したい」と思われるためには、一貫性のある投稿を心がけるべきかなと。
ただ僕自身は、常に新しさを求めているためテーマを変えて投稿していますが、分かりやすいくらいに下がるんですね(笑)。挑戦してみることは大事だと思っているので、試行錯誤あるのみ! 負けないぞという気持ちで何度もトライしています。
ターゲットは一般層。エンタメとして楽しんでもらえる動画制作を意識
――前回(#1)、美容をエンタメ化するためにSNSで発信していると伺いました。
ご自身が届けたい人に注目されるために工夫していることを教えてください。
先述した通り、僕のターゲットは一般の方。エンタメとして楽しんでもらえることを意識した動画作りを行っています。
今時、カウンセリング動画は飽和状態ですよね。基本的には必ずお客様の希望を聞き、スタイリストが感じ取ってヘアスタイルに落とし込むことが約束されている構図に違和感を覚え、僕はここに個性を出そうと考えました。
――個性とはどのような?
個性として僕が大事にしているのは、「リアル」と「アクシデント」です。例えば、ブロンドをお願いされたけど…ブロンドにできない状態になったらどうする?どんな髪型に仕上がるの?と、興味を煽るような構成を目指していて。大多数の中の「1人」になるためには周りとは一味違う、飛び抜けた発想とアクションが大事だと思うんです。
そもそもサロンワークのリアルは、動画のようにスムーズにいかないことが多くあります。縮毛矯正をしていないと聞いていたお客様の髪の毛を見たら履歴があったり。そんな日常的に起こるリアルを届けられる動画を作りたいんですね。
――工夫することで自然と差別化ができているのですね。
僕の場合は一般の層からの支持されることが重要だったこともあり、完璧過ぎる人よりも、ちょっと抜けている方が応援したくなるというか…可愛がってもらえる確率が上がると思っています。100%よりも60%の出来くらいがちょうど良いのかなと(笑)。受け入れられやすくなるためにはどうするのか、考えて打ち出すようにしています。
自分の興味のあるテーマに注目! 伸び悩んでいるのなら切り替えるのも手
――ゼロからコンテンツを生み出すためのコツは何でしょう?
まずは、自分が興味のあることを取り上げて動画にしてみると良いと思います。
SNSで大事なのは「継続」すること。とにかく続けなければ、結果は出ません。続けるためには、自分自身が飽きずにコンスタントに向き合えるジャンルを選び取ることが重要です。スタイリストデビューに向けて日々の練習風景をアップしたり、美容学生をテーマに日常の様子を発信したり。いくつかのテーマから自分が一番興味を持ってできそうなジャンルを決めるんです。
僕が思う一番手っ取り早い方法は自分自身がコンテンツになることです。一人一人性格も顔も違う、似ているところはあっても必ず違うところがあります。だから、自分を打ち出すだけで既に唯一無二のコンテンツが生み出せているんです。自分にファンがつけば徐々に再生回数やフォロワー数に結びつくので、僕は一番手早い方法だと思いますね。
――では、既にコンテンツがあるけれど伸び悩んでいる場合の打開策はありますか?
全く伸びないと感じる人はテーマをがらっと変える。TikTokで言うと動画は1000回の再生回数を超えないと基本的には需要がないので、1000回を突破しなければ割り切ってテーマを変えましょう。
――時には切り替えることで上手くいく場合もあるのですね。
一概にコンテンツだけが悪いとは限りませんので、もちろん投稿の質を上げることも大事です。
バズるためには「最初のインパクトを残す」「投稿は統一感を意識する」といった、それぞれの法則があります。コンテンツを確立できたら片っ端から試してみると良いです。それでも結果が得られないときは、根本(コンテンツ)の見直しが必要だと考えます。
僕自身もまだまだ模索中です。常に更新されるトレンドを取り入れながら、一緒に目標を叶えるためにがんばりましょう!
多くの人に注目されるSNSの活用術
1.テーマとターゲットに一貫性を持ち、共感を与えて需要を勝ち取る
2.自分自身の個性を打ち出すことが差別化につながる
3.再生回数が伸びないなら思い切ってテーマを変えることも必要
取材・文/東 菜々