「AWAKE Raw」は、私の人生においてごく自然に生まれたフレグランスソイキャンドルブランド 私の履歴書 【フレグランスキャンドルデザイナー 福田恵子さん】#1

東京を拠点に国内外を問わず、商品作りやブランディングをデザインの力でサポートするフリーランスのデザイナー・福田恵子さん。

そんな福田さんは、フレグランスキャンドルデザイナーとしての顔も持ち、2024年秋に自身のフレグランスソイキャンドルブランド「AWAKE Raw(アウェイク ロウ)」をローンチしたばかりです。

デザイン業の傍ら、自分のプロダクトやブランドを一から作り上げるのは、簡単なことではなかったはず。前編では、福田さんがどのようにして香り(フレグランス)やキャンドルと出会ったのか、そして新たな事業を始めるにあたってのきっかけや経緯について、お話いただきました。

KEIKO’S PROFILE

お名前
福田恵子
出身地
大阪府
年齢
42歳(2024年10月時点)
出身学校
京都精華大学 デザイン学部
憧れの人
ココ・シャネル
プライベートの過ごし方
愛犬たちとゆっくり過ごす
趣味・ハマっていること
サウナで瞑想、心と体を浄化すること
仕事道具へのこだわりがあれば
「できるだけ無駄を省いた、シンプルなものを選んでいます。また、道具自体も必要最低限に良い道具だけを厳選するようにしています。」

「AWAKE Raw」は、これからの自分のために作った、未来志向のブランドです

デザイナーとして順風満帆な福田さんが、キャンドル事業に着手した理由とは?

――福田さんは、フリーランスのデザイナーをされているそうですね。デザイナーとしては、どのようなことをされているのでしょうか?

東京を拠点として、全国各地、国内外問わず様々なブランドの商品やパッケージ、ロゴなどのデザイン、またそれらを通じたブランディングのサポートを中心に行っています。

現在は自分でデザイン事務所を構えてフリーランスとして活動していますが、その前はプロダクトデザイナーとしてデザイン会社に所属し、商品企画からから製品デザインまで幅広く携わっていました。

――そんな福田さんが、フレグランスキャンドルの事業を始めようと思ったきっかけや経緯は、何だったのでしょうか?

3年ほど前、2021年くらいからかな。自分自身で、一から何かを始めたいと思ったんです。

デザインの仕事は日々充実しています。フリーランスとして2011年に「IMOS Design(アイモス デザイン)」を立ち上げて以来、ありがたいことに10年以上楽しく仕事を続けられています。

しかし、ふとこれから10年先のことを考えた時、「私は今の仕事のやり方を同じようにずっと続けているのだろうか?」と思ったんです。

――その答えは出ましたか?

答えはノーでした。東京での生活は便利で華やかで、もちろんそれなりに満足もしています。しかし、元々自然が好きな私は、「ゆくゆくは緑豊かな環境で過ごしたい」という願望を持っていることに思い至ったんです。

そのためには、お客様ありきの受注中心の仕事だけでなく、自らの事業を始めておきたいと思った。これが、フレグランスソイキャンドルのブランド「AWAKE Raw」を立ち上げたきっかけです。

先に出会ったのは「香り(フレグランス)」ではなく「キャンドル」でした

福田さんとフレグランスキャンドルとのなれ初め。話は、彼女の学生時代に遡る

――そもそもなぜ、フレグランスキャンドルだったのでしょう?

きっかけは大学生の頃、家具のデザインと製作を学ぶために留学したフィンランドでの生活体験です。

北欧のフィンランドはキャンドルの消費大国といっていいほど、日常生活の至る所でキャンドルが販売されています。それこそ、毎日のように立ち寄るスーパーや書店などにまで。

当時の自分には馴染みがなかったけれど、現地であまりにもキャンドルを目にする機会が多かったので、ある日ふと「私も使ってみようかな」と思って。試しに購入して、部屋でキャンドルを灯してみたんです。

その瞬間、感動しました。シンプルな部屋の雰囲気が一気に変わり、空気まで温めてくれるかのよう。ゆらめくキャンドルの灯りに包まれるような心地よさを感じて、とても癒やされたんです。夜だけでなく、お日様の光が届きにくい薄暗い日中にもぴったり。フィンランドにキャンドルの文化が根付いているのも、北欧特有の寒さや日照時間の短さも関係しているかもしれませんね。

――先に出会ったのは、香りではなくキャンドルの方だったのですね。

ええ。大学の卒業制作でも、キャンドルの灯りを活かした家具を制作したくらいです。フィンランドで体験したあの一瞬で、キャンドルの虜になってしまいました。あれ以来、帰国してからもほぼ毎日、キャンドルを使い続けています

――毎日ですか! 日本では、なかなか珍しい習慣かもしれません。

そうかもしれませんね。日本ではキャンドルを常用することが一般的ではないせいか、市販されている商品も海外製のものがほとんどです。

もとよりモノづくりが好きだったことと、毎日のようにキャンドルを使っていたこともあり、いつしか自らの手でキャンドルを作るようになっていきました

「AWAKE」は「目覚める(気付く)」、「Raw」は「ありのまま」の意。そんなブランド名が表すような「ありのままの自分に目覚める」体験は、福田さんがかつてキャンドルを灯すことで体験したような原体験につながるのかもしれない(福田さん提供)

フレグランスキャンドルに行き着いたのは、私にとってごく自然なこと

キャンドルと運命的ともいえる出会いを果たした福田さん。続いて、彼女と香り・調香との出会いに迫る

――香りとの出会いは、どんなものでしたか?

実は、私は子どもの頃から嗅覚が敏感で、大人になってからは調香にも関心がありました。嗅覚って、五感の中で唯一、感情や本能的な行動を司る大脳辺縁系と繋がりがあるとされていますよね。そこで、自分のこの体質を活かして、香りによってメンタルをコントロールしてみようと思ったんです。

しかし、精油はとてもデリケートで扱いが難しいもの。そこで、精油やアロマテラピーに関して本格的に学び、正しく扱えるようになるために、調香のスクールに通うことにしました

――香りに関する知識の習得は、ご自身の体質がきっかけだったですね。

元を辿ればそうですね。コロナ禍の時期には外出規制などもあったことから、どことなくみんな塞ぎ込みがちになったり、元気が出なかったりしたじゃないですか。私の友人や知人の中にもちらほらといましたが、自分にできることでそんな人を少しでも励ましたくて。プロから学んだ調香の知識を活用して入浴剤やルームスプレーなどを作り、贈っていたこともありました。

自作していたキャンドルにも香りをつけてみようと思ったのは、そんな時です。

――そこで、フレグランスキャンドルに行き着くわけですね!

はい。加えて、海外製のフレグランスキャンドルは香りの主張が強すぎて使いづらいと感じていたこともありますね。

ただ、いざキャンドルに香り付けを試みたところ、これがとても難しくて。キャンドル製作は加熱の工程が必須になりますが、そこで香りが飛んでしまったり、材料自体の香りに邪魔されて狙ったような香りにならなかったり。

フレグランスキャンドルを製作するにあたり、キャンドルの作り方も調香に関する知識も、再度一から勉強し直しました。

――留学先のフィンランドでの原体験と、福田さんの嗅覚に関する特性が結びついたプロダクトが、フレグランスソイキャンドルなのですね。

そうですね。自身のハンドメイドによるフレグランスソイキャンドルのブランドが生まれたことは、私にとって、とても自然な成り行きでした。

「自然」と「美しいもの」が好きな、福田さん。フレグランスキャンドルの香りは、そのどちらをも兼ね備えた「自然の美しさ」がテーマだ(福田さん提供)

「見た目も香りも、火を灯した時がベストの状態となるように設計しています。だから、ぜひ火を灯してほしいんです」と、福田さん(福田さん提供)


デザイナーとして充実すぎるほどのキャリアを築き上げるなか、ふと湧き出た、自身の将来に対する問いかけ。望む未来のために自らの事業を始めようと思った福田さんは、過去の体験と学んだ調香の知識を組み合わせて、フレグランスソイキャンドルのブランド「AWAKE Raw」を立ち上げることにしました。後編では、ブランドの立ち上げに伴い試行錯誤する姿や製品へのこだわり、そしてデザイン業との両立や今後の展望などについてお伝えします。

撮影/内田 龍
取材・文/勝島春奈

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