「手に職!」という母のアドバイスに従ってアイリストの道に【kakimoto arms AOYAMA 大澤深夕さん】#1
新たな道を切り開くとき、先輩たちはどうやって壁を乗り越えたのかをご紹介するこの企画。今回はkakimoto arms AOYAMAのアイリスト、大澤深夕さんにお話を伺います。
前編では、アイリストの道を選んだきっかけ、目もと専門のサロンではなくkakimoto armsに就職を決めた理由、まつ毛エクステンションの研修でつまづき「辞めたい!」と思ったものの踏みとどまった出来事についてインタビューしました。
お話を伺ったのは…
kakimoto arms AOYAMA
アイブロウ/アイラッシュ デザイナー
大澤深夕さん

窪田理美容専門学校を卒業後、2022年kakimoto armsに入社。新宿店、銀座店を経て、青山店に異動し現在に至る。
母から「手に職」の助言を受けてアイリストの道へ!

――大澤さんはもともと美容に興味があったんですか?
そんなに興味はなくて、漠然とファッション系の仕事に就こうかなと思っていました。
高校2年生になる頃、母から「女性は結婚や子育てで会社を辞めたり、また就職したりするから、手に職があると有利」って言われたんです。それで「資格が必要な職業は何だろう」と考えて、アイリストになろうと決めました。
――アイリストという職業は身近にあったんですか?
母がまつ毛エクステンションをしていて、私がアイリストになったら「母のまつ毛エクステンションをやってあげられる」と思ったんです(笑)。
――ものすごい親孝行! それで理美容専門学校に進学したんですね。
学校を選ぶときも、まつ毛エクステンションの授業がちゃんとあるところを選びました。私が通っていた窪田理美容専門学校は大手ではありませんが、先生方がしっかり生徒のことを見てくれるので授業がすごく楽しかったです。
――学校に通って、「アイリストになる!」という気持ちはブレませんでしたか?
私はネイルの授業を受けたらすごく楽しくて「ネイリストもいいな」って思うこともありました。細かいことが大好きなんです。アイリストになるかネイリストになるか悩んだ時期もありました。
アイリストの道を選択したもののまつ毛エクステンション技術の習得に苦戦!

――アイリストでもネイリストでも専門のサロンがあるのに、kakimoto armsに就職したのはなぜですか?
ネイルと目もとケアの両方できるサロンもありましたし、目もとケアのサロンもいろいろ見学しましたけど、「ここで働きたい!」というサロンが見つかりませんでした。
2学年上の先輩でkakimoto armsにアイリストとして就職した方がいて、たまたま同じ先生に教えてもらっていたんです。それで先生が「kakimoto armsの説明会に行ってみたら」と勧めてくださったんです。
――同じ学校の先輩がいたら心強いですね。
説明会の後、kakimoto armsで実際に施術してもらって、「ここで働きたい」と思ったんです。先生や友だちから「他のサロンもいっぱい見てから決めなさい」って言われていましたが、求人情報を見ても、まつげと眉だけのサロンばかりで、髪もネイルもいろいろできるサロンが他にありません。まつげと眉だけのサロンには、興味が持てなかったんです。
――トータルケアできるのは、kakimoto armsしかないかもしれませんね。
他のヘアサロンでもネイルやまつげや眉のケアをしているところもありますが、業務委託という形なんです。社員教育があって、技術を教えてくれるサロンに勤めたかったので、kakimoto armsが私の希望にぴったり合ったんですね。
――就職をして、研修はいかがでしたか?
最初に眉を勉強するんですが、私は眉が濃くて眉メイクをしたことがないのでよく分からなかったんです(笑)。学生だったときもメイクの授業で相手の眉を上手に描けなくて「アイリストになりたいんだよね。大丈夫?」ってよく言われていました(笑)。
どこに描き足せばいいのか、何が正解なんだか、最初は分からないことだらけでした。
――練習は誰の眉で?
私の友だちや兄の友だちにお願いして、来てもらいました。おかげで入社した年の9月にはアイブロウ スタイリストとしてデビューできました。
――眉とまつげは教わる期間が違うんですね。
眉の勉強が終わってからまつげの技術を学びました。特にまつ毛エクステンションの技術が大変で、なかなか先輩から合格がもらえなくて、「辞めちゃおうかな」と思ったくらいなんです。
――すごく器用な大澤さんでも、そんなに難しい?
まつげをかき分けて根元に1本ずつ着けていくんですが、グルーが他のまつげに着いちゃったり、浮いてきちゃったり、着ける角度が合っていなかったり。
――合格するまで、そんなに大変だったんですか?
私の同期は4人いて、2人はとっくに合格していました。残りの私ともう一人が試験を受けることになったんです。最初にもう一人の子が受けて合格。最後に私だったんですが、思うように着けられなくて、泣きながらチェックを受けました(笑)。
――そのときはどんな気持ちだったんですか?
負けず嫌いなのもあるし、合格するために一生懸命に練習したのに思うようにできなかったこともありますね。同期の中でいちばん練習してきた自信があったんです。自分が器用だっていう自信もありました。それなのにできない。こんなことでつまずいて、「アイリストは向いていないのかも」って落ち込みました。
――落ち込んだときはどうしていましたか?
家族に泣きついていました。特に母は私の言うことを受け止めてくれて、「がんばれ」って励ますのではなく、話をじっくり聞いてくれたのが良かったですね。家でさんざん泣いて、次の日からまたがんばる…という繰り返しでした。
――素敵なお母さまですね。
あと、高校時代に3年間マネージャーをやり遂げた経験も大きいですね。入部した頃はマネージャーが何人かいたんですが、いつの間にか私ひとりになっちゃって。野球部って毎日練習があるし、土日はどちらも試合があるし、ボランティア活動もしなくてはいけないんです。アルバイトも友だちと遊ぶこともできませんでした。
――選手だけじゃなくて、マネージャーも一緒に活動を?
そうです。だから私以外のマネージャーは辞めてしまったんですね。私も辞めたかったんですが、辞めちゃうとチームに迷惑がかかることを思うと辞められなくて。それでずっと続けたんですが、「やりきった」という達成感がすごくあったんですね。kakimoto armsの研修を途中で投げ出したら、絶対に後悔すると思いました。
――野球部のマネージャー経験が役立ったんですね。まつ毛エクステンションのテストは?
泣きながらチェックを受けたときに合格しました(笑)。
お母さまの「手に職」のひと言でアイリストを目指した大澤さん。研修を経てアイブロウ スタイリストリストとアイラッシュ スタイリストになるまでのお話を伺いました。
後編では、大澤さんが考案したお客さま用レシピが好評なこと、会社を辞めたくなった第二の試練のこと、これからアイリストを目指す人へのアドバイスをご紹介します。
撮影/松原敬子
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