美容師はお客様の人生の節々に携われる仕事。技術を磨いた先に、やりがいや喜びが待っている【Omnis 松島春樹さん】#2

表参道の好立地に位置する「Omnis(オムニス)」は、2025年夏にオープンしたばかりの注目サロン。代表の松島春樹さんは長年、技術に裏づけされたトレンドヘアを発信し続けている美容師です。次世代を担う若手スタイリストも集まり、それぞれの活躍やサロンの発展に期待が高まります。

前編では、Omnis立ち上げ以前の松島さんの美容師人生にスポットをあてました。この後編では、サロン作りのこだわりやスタッフ教育の考え方、一美容師として大切にしていることなどをお聞きしています。

お話を伺ったのは…

Omnis

代表・美容師 松島春樹さん

美容専門学校卒業後、都内1店舗を経てエターナル(AFLOAT)入社。23歳でスタイリストデビュー、29歳でAFLOAT JAPANディレクターに就任。33歳のときにAFLOAT D’Lの代表を務め、35歳で独立。数年間の共同経営後、44歳でOmnis設立。

Instagram:@matsuharu_omnis

実は「やむを得ず」だった!?若手が活躍できる「Omnis」出店

母音から始まる名前の成功企業が多いということを知り、それも店名を考える際のヒントに。「言葉に発しやすく、響きがいいらしいんです」と松島さん。

――2025年8月にOmnisをオープンしましたが、そのいきさつを教えてください。

前サロンを辞めたあと、最初は僕一人で活動するつもりだったんですよ。知り合いの店で面貸しでもいいし、シェアサロンでもいいし。そういう形で美容師を続けながら、次のフェーズを落ち着いて考えようかなと思っていました。

これまでずっと忙しくバタバタとお客様に接してきてしまったから、もう少しゆっくり接したいという思いもありました。そうなると、新たにサロンを作る選択肢はないなと。ところが、一緒に働いていた子たちに「店を出すなら着いて行きたい」と言われて…。結局、スタッフの友人も含めて5人集まったんですよ。

――サロンとしてしっかり成り立つ人数ですね。

そうなんです。それなら作るしかない、ということで箱探しを始めたわけです。なんというか、出さざるを得なかったという感じ(笑)。若いオーナーは別ですが、ある程度年齢を重ねたオーナー勢は共感してくれるんじゃないかなあ。

――物件は表参道に絞って探したんですか。

はい。長く表参道で働いていたので、お客様のことや若いスタイリストのことを考えると、とりあえず同じエリアの方がいいかなと思いました。

――表参道はいわゆる美容室激戦区ですが、長年のノウハウを活かせそうですね。

みなさん激戦区とおっしゃるんですけど、ずっとそういう場所で美容師をしてきた身としては、何が激戦なのか最早わかっていないです(笑)。自分にとって当たり前にすごしている街なので、「激戦区だからこうしよう」とは考えていないかもしれません。

――物件はスムーズに決まりましたか。

探し始めてから1年くらいかかりました。家賃、広さ、アクセス、見込める利益など複合的な条件をクリアする場所はなかなかないものです。たまたまここが空いて、決めました。表参道駅から近く大通り沿いですし、渋谷駅からもアクセスできます。一番ちょうどいいところで見つかってよかったです。

――サロン名はどのようにつけたのでしょう。

「オムニバス」というラテン語が元になっています。「すべてのもの(人)のために」を意味するのですが、複数のものを「つなぐ」「まとめる」という意味合いでも使われている言葉です。それをちょっとアレンジして「オムニス」にしました。

すっきりしつつ、落ち着きと温もりを感じる店内。松島さんは「5年後、10年後にトレンドが変わっても困らないような内装」を意識したそう。

――店内の雰囲気や設備でこだわったところは?

本当に感覚的なんですが、落ち着いた色味がいいなと思ってベージュやグレーを基調にしました。若いスタイリストに活躍してほしいので、その子たちが「いいね」と思う雰囲気を大切にしながら、他の世代の人も違和感なく入りやすい空間というのを意識しています。あとは、店内で作品撮りをすることも考えて、ダウンライトにせず写真を撮りやすい照明を選びました。

後進の育成は「踏み込みすぎず離れすぎず」、考える力を重視

20代〜30代をメインに、幅広い層が訪れるOmnis。美容感度や意識が高いお客様も多く、ケアメニューも注目されています。

――メニューやサービスのこだわりは何でしょうか。

これまで本当に多くの商材を使ってきましたし、薬剤の開発もやらせていただきました。そういった経験を通して目を向けたのは、「髪や頭皮の悩みを根本解決できるもの」です。今っぽいカットやカラーを打ち出しながらも、実はケアに一番こだわっているんです。トリートメントを充実させたり、ヒト幹細胞配合の頭皮用美容液を使ったメニューを取り入れたりしています。

――では次に、スタッフさんが働く環境作りや教育に関しては何を意識していますか。

今の時代は、ほどよい距離感が必要かなと思っています。あまり踏み込みすぎず、かといって離れすぎないようにしながら、できるだけ自分たちの頭で考えてもらう。当然アドバイスもしますし、お店の指針も伝えていますが、まずは「考える力」を育んでほしいです。

昔は何でも口を出してしまったんですが、今はできるだけ出さない。1〜5までは言っても、6〜10は自分たちで考えるみたいな感じです。僕が何でも「これやろう、あれやろう」だと、結局イエスマンになってしまうと思うんです。そうすると自発的に考えて動くことができなくなり、指示待ちになってしまいます。それは避けないと!

――なるほど。すごく大切なことだと思います!

厳しい言い方ですが、スタッフには「技術職なんだから、練習したくない人は辞めたらいい」ということも伝えています。やっぱり技術職は、自分の手を動かさなければうまくなるはずがない。しかも、ちょっとサボったら後退してしまう。だから本当に技術職って大変だと思うし、その分やりがいもあると思っています。練習する人間としない人間では、はっきりと違いが出てくる。やれば結果がついてきます。

――結果がついてくるというのは、例えばどんなことでしょう。

指名やリピーターのお客様が増えたり、それによってお給料が増えたり。努力した分の見返りはあると思うし、見返りが出るように何とかするのが僕の仕事でもあります。

――オープンしたばかりの今、サロンとしてどういう目標を掲げていますか。

5年で年商3億達成するぞ、とみんなにも言っています。感覚的というか経験則での目標数値なのですが、それくらいを目指したいよねということです。じゃあ、そのために今何をするのか、来年はどうするのかということも、ちゃんと共有していますよ。

――まずは何から始めていますか。

ブランドを立ち上げたばかりなので、たくさんの人に認知されることがスタートラインです。若手が可愛いスタイルをバンバン作って、SNSでも集客サイトでも何でも発信して。それがまずは大事かなと思います。

美容師としてずっと貫いているのは「お客様ファースト」

多忙な松島さんのリフレッシュ法は、ゴルフと犬の散歩。「外に出ると、仕事のことも新鮮な気持ちで考えられる」と話します。

――松島さんがプレーヤーとして大切にしていることはありますか。

すべて「お客様ファースト」で物事を考えるということです。お客様ありきのこの仕事は、それ以上でも以下でもない気がします。

――お客様ファーストとは、例えばどういうことでしょうか。

例えばサロンの代表だったり店長だったり、上の立場の人間が忙しく仕事をしていたら、アシスタントがそちらに気を使いますよね。でもそうじゃない。気にかけるべきはお客様でしょという話です。実は結構、美容師あるあるなんですよ。

些細なことかもしれませんが、お客様のカラーを塗りながらよそを向いて指示を出すとか、そういうのも絶対ナシ。いったん失礼しますと断って、お客様の席から外れたところでやるべきです。僕も他のサロンでカットやカラーをしてもらうことがありますが、よそ見しながら何かやられるのってすごく嫌なので。

――そういう松島さんだからこそ、リピーターのお客様が多いのでは。

そうだといいですね。20年近く通ってくださっている方も多いです。初めて会った時は学生だった人が、今はお子さんと一緒に来てくださったり。幼稚園生くらいだった子が、大学生になっていたり。僕がサロンを移動してもついて来てくれるなんてありがたいです。

――それだけ長く通ってくださる理由を、ご自身で分析すると…?

わからないです!だからお客様によく聞いちゃいます、何でですかって。答えは「何となく」だそうですよ(笑)。サロンに来て、何も言わなくてもいい気楽さもあるのではないでしょうか。イメチェンも「おまかせで」という方も多いです。「絶対、自分に似合う幅の中でイメチェンしてくれる」とわかっているからだと思います。

――松島さんにとって、「働く」とはどういうことだと考えますか。

楽しむことじゃないかな。そもそも自分で選んだ仕事ですから、働く以上は楽しまなきゃ損です。

――働いていて楽しいと思えるのはどういう時ですか。

お客様の人生の節々で髪を任せてもらえて、ちゃんと喜んでいただけて、ずっと携わっていける。それが本当に嬉しいし、楽しいですね。若い頃はそんなこと考えていなかったですけど、美容師という仕事を長くやればやるほど、そういう気持ちが出てくるのかなと思います。

――これから美容師を目指す人や、転職を考えている若手美容師に向けて、メッセージをお願いします。

美容師にとって、20代はとても大事な時期。そこでいかに技術を磨けるか、成長できるかが将来につながります。だから、しっかりとした技術を学べるところで働いたほうが自分のためになるんです。可愛いスタイルをたくさん作っているなと思うサロンでもいい。結局、技術があるからそういうスタイルを作れるわけなので。

自分にとってどういう影響を与えてくれるサロンなのか?将来的に自分のためになるのか?そこに目を向けることが大切です。

松島さん流、成功のための3大ポイント

1. さまざまなトレンドを素早くキャッチする

2. 誰よりも練習し、継続する

3. 素直になる

撮影/生駒由美
取材・文/井上菜々子


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Omnis
住所:東京都渋谷区神宮前5-50-6 サクセス青山4F
TEL:03-6805-1568

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