未来を見据えて取り組む姿勢を応援したい【「STRAMA」ディレクター　髙橋英樹】#4

美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要？ 心がまえは？ そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー！

前回に引き続きお話を伺うのは、唯一無二のヘアデザインが人気のサロン「STRAMA」ディレクターを務める髙橋英樹さん。　

最終回となる今回は、STRAMAの採用事情の総まとめ！　絶対にほしい人材について、詳しくお聞きします。

お話を伺ったのは…

「STRAMA」ディレクター　髙橋英樹さん

「DaB」を退職後は独立し、「CALVARi」を開業。2017年、現在の「STRAMA」代表の豊田永秀氏と新生「STRAMA」を立ち上げ、副社長を務める。スタイリストとしては、2ヶ月経っても崩れないと、高い技術力が評判。

「謙虚」「感謝」「志」と「未完成」が採用の条件

――ずばり、STRAMAがほしい人材とは？

STRAMAが大切にしている「謙虚」「感謝」「志」の気持ちを持っていて、完璧を求めすぎず「未完成」でいられる人です。

僕は100点満点の人が絶対とは思っていませんし、そもそも学生は100点を取る必要がないとも思っています。1番だったり、100点満点に縛られ過ぎると挫折しやすい傾向があって…学生時代に常にトップを走り続けてきて、サロンに就職した途端に挫折してしまう人を何人も見てきました。

だからこそ、学生時代は「過去」として切り替えて、先にある「未来」のために取り組める人を求めています。誰かに追いつこうとするよりも、自分の個性を伸ばしていける人がたくさん増えると、サロンにとっても良い風になると思っています。

――そういった方が入社して、サロンに与えた影響は？

ちょうど当てはまる人が「THE STRAMA」で店長として活躍しています。彼は3つの要素がそろっていたことや自身の努力もあり、27歳のときに早くも店長に抜擢されました。志が高く、謙虚に、そして周囲への感謝を忘れずにいる姿勢が夢を叶えることを体現した事例だと思っています。

うちでは年齢に限らずそういったチャンスがたくさんあります。在籍年数がすべてだということはありません。

入社3ヶ月後には面談で再度擦り合わせを行う

――サロンにとってもその人にとっても、良い結果がもたらされていますね。

では、入社してみて合わなかった人の特徴をお聞かせいただけますか？

やはり、個人の挫折が大きな原因になる人が多いです。最初はとても自信があったけど、入社後は周りと比べてしまって差を感じたり、成長のスピードが遅いと思ったり。学生時代のまま完璧を追い求めた結果、仕事自体が続けられない方もいました。

――改めて、切り替えの大切さを感じます。

そのためにも、STRAMAでは入社3ヶ月後に面談を行っています。本人の想いを改めて擦り合わせて入社前とのギャップを感じていた場合、無理そうであれば退職を、歩み寄りの余地がありそうであれば続けてもらう、その判断を一緒に話し合って考えて、本人にとってよりよい道に進んでもらうために向き合っています。

たくさんの人との交流が大きな財産に

――入社前、学生時代に準備しておくと良いことは？

絶対におすすめなのは、同級生以外の友人関係を構築しておくこと。業界や年齢、性別も関係なく、関係性を築く意識を持ってみてください。周りとつながることで自分の知見や学びが広がり、それがのちに財産になるはずです。

スタイリスト自体、人とのつながりが求められる仕事です。就職したあとにさまざまな人と関わっていくことを見据えて、学生時代に幅広く交流を深めてみると良いと思います。

――幅広い交流を持つ…SNSの普及が助けとなりそうですね。

そうですね。SNSは、いろいろな人とコミュニケーションを取るのに手っ取り早いと思いますし、反応してもらうための自己表現の方法も身につきそうです。

――採用試験において幅広い交流関係はポイントが高いようですが、SNSの活用はアピールになる？

履歴書に記入いただいている方に関しては、アピールポイントだと捉えてチェックしていますが、投稿している内容によりますね。フォロワーが多いから良いわけでもなく、その人らしさのある投稿がみられた場合は十分、アピールになり得ます。

ご自身の強みや魅力を再確認し、就活に取り組んでみると良い結果がもたらされると思います。みなさんのそのがんばりや取り組みを応援しています。

STRAMAが求める人材の特徴まとめ

1.「謙虚」「感謝」「志」の気持ちを持って行動できる人

2.学生時代から切り替えて、未来に向けて努力ができる人

3.社交性を持って、いろいろな人と接点が持てる人

取材・文／東 菜々(レ・キャトル）