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学び・キャリア 2017-03-27

美容師の命!ハサミを長持ちさせるお手入れ方法

美容師にとってハサミは、道具のなかでも特に大事なもの。まさに命といっても、過言ではないでしょう。値段も数万円から数十万円もするものもあり、高価なものです。ですから、いつでも切れ味抜群で最高のカットをお客様に提供するためにも、お手入れには気を遣いたいものですね。

ここでは、そんなハサミの、毎日のお手入れ方法や消毒方法などについてご紹介していきます。ちょっとした手間がハサミを長持ちさせてくれるので、ぜひ試してみてくださいね。

ハサミの寿命にも関わる!?毎日のお手入れ方法

美容師のみなさんは、自分のハサミをどのようにお手入れしているでしょうか?どのくらいの人数のカットを行うかにもよりますが、毎日や週に1〜2回手入れを行う人、何週間も手入れをしない人など、さまざまなのではないでしょうか?しかし、カットの出来栄えやハサミの寿命、場合によってはハサミを操る自分の手にかかる負荷で、腱鞘炎などを招いてしまうこともあるハサミの切れ味を維持するには、毎日お手入れすることが理想的です。では、どのようなお手入れをすれば良いのでしょうか?ハサミのお手入れの基本道具は、セーム革と油です。まず、熱いお湯を使って、ハサミ全体の汚れを洗い流します。このとき、梳きバサミを洗う際には歯ブラシなどを利用すると、細かい部分に挟まった髪の毛などを効率良く落とすことができます。水分を拭き取ったら、セーム革を使って油汚れを落としていきます。汚れが大体落ちたところで、今度は油をさしていきます。油は、工業用の粘度が高めの油を使用することもできますが、お客様の髪に直接触れることを考えると、ハサミ専用の油を使うのが良いでしょう。油をさすときには、特にハサミの交差する支点の部分に、皮脂や髪の毛、金属粉などが溜まりやすいため、ハサミを動かしながら隠れた部分の汚れも押し出してセーム革で拭き取ります。刃の部分は刃元から先端に向かって、円を描くようにセーム革を動かしながら磨いていきます。最後に、持ち手の部分についた余分な油を落としてできあがりです。毎日のお手入れはこれくらいで十分ですが、ハサミの動きが悪いと感じたときなどには、ネジを外して分解清掃を行ってみましょう。細かなゴミを取り除き、ネジの締め具合を調整することで改善する場合があります。

ハサミは自分で研ぐ?それともプロに任せる?

毎日のお手入れをしても、切れ味が悪くなってきたハサミは早めに研ぎに出しましょう。美容師のなかには自分でハサミを研いでいる方もいますが、ハサミを研ぐのは熟練した技術を必要とします。この技術を習得すれば、美容師としてではなく研ぎ師としてもやっていけるくらいのものですから、高価なハサミをダメにしてしまわないように、プロに任せる方が無難でしょう。ハサミを研ぎに出す目安としては、手入れの終わったハサミで乾いたティッシュを切ってみて刃が滑ってスムーズに切れない、カットを行なっている際に髪が逃げる、ハサミの開閉のときに音や感覚に違和感があるなどがでてきたら、プロにハサミを研いでもらいましょう。ハサミの使用頻度にもよりますが、3カ月から1年に1度くらいは研ぎに出したいものです。どうしても自分でハサミを研ぎたい人は、専用の研ぎ器を利用したり耐水性のサンドペーパーや砥石を使用したりして、ハサミを研ぐ人もいるようです。ハサミは、その素材や使用方法によって、刃の角度や形を整えていく必要があります。自分のハサミに合った研ぎ方をマスターするには、それなりの時間とお金がかかることを心しておきましょう。そして、ハサミは毎日のお手入れだけでも汚れからくるサビを防ぎ、切れ味を長持ちさせることができます。せっかく研いでもらっても、すぐに切れなくなってしまっては元も子もないので、お手入れはしっかり行いましょう。ハサミメーカーでは製造販売だけでなく研ぎも行なっていることもありますし、研ぎ専門の業者もあります。自分のハサミに合った研ぎ方をしてくれる業者を見つけることで、ハサミの使用感も変わってきますので、いくつか試して自分とハサミに合った業者を見つけると良いでしょう。

美容師の義務!ハサミの消毒は怠らずに

ハサミの消毒の手順は、洗浄、消毒、保管の3ステップです。洗浄は、中性洗剤をつけたスポンジなどで洗います。そして、ハサミの消毒方法には大きく分けて2つあります。血液が付着している場合と、していない場合です。本来はあってはならないことですが、ハサミも刃物ですから、お客様や自分自身を傷つけて、血液が付着してしまうことがあります。血液は、B型またはC型肝炎、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)を媒介する可能性があるため、血液が付着した場合にはすぐにハサミを交換して消毒を行います。血液が付着した場合の消毒方法は、2分以上煮沸消毒する、消毒用エタノールに10分以上浸す、または、0.1%次亜塩素酸ナトリウム液に10分以上浸すことが必要です。血液が付着していないハサミについては、紫外線照射器による20分以上の紫外線照射、エタノールによるハサミ表面の拭きとり、0.01〜0.1%次亜塩素酸ナトリウム液に10分以上浸すなどの方法があります。お客様ごとに消毒を行う必要があるので、お客様の入り具合などにより、時間のかからないエタノールでの拭きとりや、時間はかかるけれども細部まで消毒の行える紫外線照射、次亜塩素酸ナトリウム消毒液に浸けるなどの消毒方法を組み合わせて行うと良いでしょう。ハサミを含む器具の消毒は、美容師法施行規則により美容師に課せられた義務です。しかし、残念ながら美容院でホコリをかぶった紫外線照射器や消毒用エタノールの容器を目にすることもあります。お客様の安全を守り、気持ちよく美容院での時間を過ごしてもらうためにも、ハサミの消毒は必須だということを覚えておきましょう。そして、洗浄の終わったハサミは清潔な場所に保管することをお忘れなく。

ハサミのお手入れに便利なアイテムとは

毎日のハサミのお手入れに欠かせないのが、セーム革です。セーム革は、ティッシュや布よりも油汚れをしっかりと落とすことができるだけでなく、鋭利な刃物でもあるハサミのお手入れ中にも切れにくく、怪我を防ぐこともできます。通常、ハサミを購入するとお手入れ用の油と一緒にセーム革も付いてくるため、別に購入する必要はありませんが、お手入れに使うセーム革自体も汚れが付いていたり硬くなってしまったりすると、ハサミに傷をつける原因になってしまいます。定期的に中性洗剤を使って洗い陰干しして清潔に保つか、予備を1枚持っておくと交代で洗いながら使えるので便利です。ハサミの消毒の際には、専用の紫外線照射器や煮沸消毒器などもありますが、蓋つきのバットがあると次亜塩素酸ナトリウムの消毒液などに浸けるときに重宝します。次亜塩素酸ナトリウムに含まれる塩素は揮発してしまうため、蓋をした状態で消毒をすると、有効成分である塩素濃度が薄くなることを防ぐことができます。次亜塩素酸ナトリウムを計量するための、メスシリンダーなどもあると更に良いでしょう。しかし、同時に次亜塩素酸ナトリウムは金属を腐食させる性質もあるため、10分以上はハサミを浸けないように気をつけましょう。せっかくの切れ味の良いハサミも、台無しになってしまいます。

このように、ハサミは毎日のお手入れや消毒を欠かさずに行うことにより、切れ味と使いやすさを長持ちさせ、清潔に保つことができます。自分の技術を十分に発揮させるためにも、お客様にとって気持ちの良い時間を提供するためにも、毎日のハサミのお手入れは欠かせないものです。美容師としての技術の向上とともに、ハサミのお手入れも忘れずにしておきたいものですね。

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