美容鍼灸師になるにはどんな資格が必要?学校を選ぶポイントやかかる費用についても紹介

顔の肌荒れやシワなどが気になっていても、敏感肌の人は施術によるかぶれなどが心配でエステへ通えないかもしれません。そのような人を体の内面からケアし、肌トラブルの改善を目指すのが美容鍼灸師です。

美容鍼灸師として働くには、どのような資格が必要なのでしょうか。今回は美容鍼灸師について、必要な資格から学校を選ぶポイント、かかる費用、あわせておすすめの資格などをご紹介します。

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そもそも美容鍼灸師とは


鍼灸治療とは、鍼と灸でツボを刺激して身体の調子を整える東洋医学の一種です。古くは6世紀ごろに朝鮮半島から伝わり、その後は明治時代にいたるまで、民間医療の中心として活躍してきました。

そんな鍼灸治療のなかでも、美容目的に特化したのが美容鍼灸です。美容鍼灸が目指すのは、シワ・シミ・たるみ・乾燥・肌荒れなど、肌トラブル全般の改善。顔の肌トラブルに悩む人が多いことから、施術のほとんどは顔まわりが中心です。

美容鍼灸師になるには国家資格が必要


美容鍼灸師として働くためには、国家資格の「はり師」と「きゅう師」が必要です。

はり師・きゅう師の受験資格をえるためには、認定を受けた学校・養成施設に3年以上通い、指定の科目を学んで鍼灸の技能・知識を習得しなければなりません。学校・養成施設での学習が修了したのち、年に1回2月下旬におこなわれる国家試験に合格すれば、はり師・きゅう師の免許が得られます。

はり師・きゅう師の国家試験は本来別ですが、各13科目のうち12科目が共通しており、一方を受ければもう一方の共通項目試験が免除されます。170満点中102点以上の得点で合格です。

引用元:
厚生労働省 はり師国家試験の施行
厚生労働省 きゅう師国家試験の施行

資格のほかに美容の知識も身につけよう

美容鍼灸師として活躍するためには、はり師・きゅう師の国家資格のほかに、美容に特化した知識・技術が求められます。

なかでも美容鍼灸は、繊細な顔まわりの施術を中心とするため、とくに高度な技術が必要です。肌をキズつけないことはもちろん、痛みや不安を与えないためにも正しい知識と技術をきちんと身につけておきましょう。

また、美容鍼灸とともにアロマテラピーやエステを扱っているサロンもあるため、これらの知識・技術・資格の取得もおすすめです。

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美容鍼灸師を目指すなら美容鍼灸について学べる学校を選ぼう


では、美容鍼灸師として働く際に必要な、美容に関する知識はどのように学べばよいのでしょうか。

これまでは学校・養成施設で鍼灸について学んだあと、就職先・独学で美容について学ぶのが一般的でした。しかし、昨今は需要の高まりを受け、美容を含め鍼灸を学べる学校・養成施設も増えています。美容鍼灸師を目指すのなら、最初から美容も学べるところを選ぶといいでしょう。

また、少なくとも3年は通うことになるため、自身のライフスタイルに合わせた通い方ができるかどうかも重要なポイントです。ここでは、学校・養成施設を選ぶ時のポイントを解説します。

学校を選ぶ時のポイント

鍼灸が学べる学校・養成施設は、昼間部のみ、あるいは昼間部・夜間部の双方があるところがあります。仕事をしながら資格取得を目指すなら、夜間部がある学校・養成施設が通いやすいでしょう。

そのほか、確認しておきたいのが実習内容とアフターフォローです。鍼灸師としてよいスタートを切るためには、実践的な技術・知識の習得が欠かせません。医療機器や施設環境、生徒と講師の人数比、学校・養成施設に付属する鍼灸院の有無、研修先の紹介制度などをあらかじめ確認しておきましょう。

美容鍼灸師には独学でもなれる?


美容鍼灸師になるには国家資格が必要ですが、受験資格として認定を受けた学校・養成施設で3年以上の学習が必須です。そのため、完全に独学で美容鍼灸師になることは不可能です。

一方で、すでにはり師・きゅう師の資格を取得済みならば、独学で美容分野の技術・知識を学べば美容鍼灸師になれるでしょう。有資格者なので追加の資格などを取らなくても美容鍼灸の施術を行なえますが、美容分野の技術・知識が不足すると思わぬトラブルにもつながりかねません。

はり師・きゅう師の有資格者は、美容鍼灸の実践型講習やセミナー、研修などを活用して、積極的に技術・知識を習得しましょう。

そのほかにあると便利な資格


美容鍼灸を扱うサロンでは、同時にほかの美容施術を提供していることも少なくありません。そのため、美容鍼灸師として働くならば、さらに美容関連の資格を取得しておくと、より活躍の場が広がるでしょう。

ここでは、とっておくと便利な資格として、「あん摩マッサージ指圧師」「AJESTHE認定エステティシャン」「AEA認定エステティシャン」「アロマなどの資格」を解説します。

あん摩マッサージ指圧師

あん摩マッサージ指圧師は、鍼灸師と同じ東洋医学にもとづく資格です。「あん摩」「マッサージ」「指圧」の3施術を用いて身体の調整を目指します。

あん摩マッサージ指圧師の資格を取得するには、認定を受けた学校・養成施設で3年以上学習して修了したのち、東洋療法研修試験財団が実施する国家試験に合格しなければなりません。

試験は年に1回2月に実施され、視覚に障害を持たない人は受験場所が全国の11会場に限定されています。試験は12科目の筆記、合格条件は160点中96点以上の獲得です。

厚生労働省 あん摩マッサージ指圧師国家試験の施行

AJESTHE認定エステティシャン

エステティシャンとしての基本的な知識・技術を証明する民間資格です。なお、ほかにも「AJESTHE認定上級エステティシャン」「AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザー」といった上位資格もあります。

AJESTHE認定エステティシャンを取得するためには、認定校での指定コースの修了または1年以上の実務経験、そしてエステティシャンセンター試験の合格が必要です

試験は一般社団法人日本エステティック協会が実施しており、試験内容は技術・筆記の2段構成です。技術試験ではフェイシャルおよびボディの手技の実演、筆記試験は4肢択一のマークシート形式で行なわれます。

一般社団法人日本エステティック協会 AJESTHE認定エステティシャン

AEA認定エステティシャン

プロのエステティシャンとしてお客様へ施術を行なう際に必要とされる基礎的な知識と技術を測る試験です。上位には「AEA上級認定エステティシャン」や「AEA認定インターナショナルエステティシャン」などの資格もあります。

AEA認定エステティシャンの受験要件は2とおりです。ひとつは認定校で指定カリキュラムを履修すること。もうひとつは1年以上の実務経験です。なお、上位の資格になるほど長期間の実務経験を積む必要があります。

認定試験は一般社団法人日本エステティック業協会が実施し、実技・筆記の2段構成。1年以上の実務経験がある場合は、技術試験をパスできます。

一般社団法人 日本エステティック業協会 資格取得について

アロマなどの資格

アロマテラピーは、精油の香り成分で体の内面に働きかけ、心身のバランスを整えて健康を目指す施術。美容効果やアンチエイジング効果などが期待できるため、扱っている美容サロンも多く見られます。美容鍼灸師になるなら学んでおいて損はない資格といえるでしょう。

日本には現在、アロマに関連する国家資格・公的資格がないため、アロマの知識・技術を習得・証明したいなら、民間資格の取得を目指しましょう。

アロマに関連する代表的な民間資格としては、公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)が実施している「アロマテラピー検定」や「アロマテラピーアドバイザー」「アロマセラピスト」などがあげられます。

公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ) 検定・資格

美容鍼灸師になるのにかかる費用とは


美容鍼灸師になるまでには、学校・養成施設での学習に必要な費用、および国家試験の受験手数料必要です。学校・養成施設でかかる費用には学費のほか教材費や実習費、白衣などの備品代なども含まれ、入学から卒業までのトータルで約400~500万円が目安とされています。

学校・養成施設によっては、一部費用を無償化、または減額している場合があるため、このような制度があるかを確認しておきましょう。高い成績を維持して特待生減免制度を利用する、奨学金制度を利用する、という手段もあります。

はり師・きゅう師の受験手数料はそれぞれ1万1,600円ですので、合計2万3,200円が別途必要です。

国家資格だけでなく美容についても学んで美容鍼灸師を目指そう


美容鍼灸師として活躍するためには、はり師・きゅう師の国家資格のほか、美容に関する知識・技術の習得が求められます。これからはり師・きゅう師の資格を取得する人であっても、すでに両資格を取得している人であっても同様です。

資格未取得の人は、美容鍼灸を取り扱う学校・養成施設を選ぶと必要な知識・技術を身に着けられます。すでに資格を取得している人は、美容鍼灸の講習やセミナーなどを活用し、美容鍼灸師を目指しましょう。

引用元サイト:
厚生労働省 はり師国家試験の施行
厚生労働省 きゅう師国家試験の施行
厚生労働省 あん摩マッサージ指圧師国家試験の施行
一般社団法人日本エステティック協会 AJESTHE認定エステティシャン
一般社団法人 日本エステティック業協会 資格取得について
公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ) 検定・資格

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