スタッフにとっても『ハッピーな場所』であるために!『tahie』
“スタッフが一生働き続けたいと感じるサロンであり、一緒に未来を作りたいと思えるサロンであること”をスタッフ教育のテーマにしているtahie(タヒエ)代表の安田さん。一般的にアシスタント時代が非常にハードだと言われている美容業界で、より早くスタイリストとしてデビューできる独自のカリキュラムを作成しています。後編の今回は、tahieの働き方と家族のようなスタッフ間の絆をご紹介します。
努力すれば叶う、というスケジュール
――tahieでは新人向けのカリキュラムをまとめた冊子を作り、その中でスタイリストになるまでの内容を具体的に決められていますが、それにはどのような目的が?
「当店は最短で2年でスタイリストとしてデビューできるカリキュラムを作っています。アシスタントからスタイリストになるまでの平均期間は約3年というサロンが多いですが、美容師を目指している人にとってはいち早くスタイリストになるのが希望ですよね。もちろん短期間の設定だけに2年の間は大変ですが、努力すればしただけステージを上がっていける内容にしています。特に当店で伝えているのは、1年目から人とのつながりを重視してカットモデルに協力してくれる人をたくさん探しなさい、ということ。これは人間関係を学ぶためにも役立ちますし、アシスタント時代から髪の毛を任せてもらうことで、デビュー後にもこの人に切ってもらいたいなと思われるような人になってほしいという意味も込めています。アシスタント時代から人間関係を培っておけば、2年後のデビューの時から活躍することも夢ではないですから。また、店でのカリキュラム以外にも、美容メーカーとサロンが協力して設立したスクールにも1年間月に2回通ってもらいます。ここでは異なるサロンのアシスタントと一緒に学ぶことで、互いに刺激しあって成長することができます。」
怒るより諭す、が教育の基本
――実際にスタッフを教育する際に気をつけている点はありますか?
「僕は優しいと思いますよ(笑)。ヘアサロンを運営する上で一番大切なのは“人”だと僕は思っていて、代表である自分が感情的になるより、落ち着いてまずは相手の話を聞くことを心掛けています。他人同士が同じ場所で長く働くのですから、当然揉め事が起きるときもあります。しかしそんな場合でもそれぞれから話を聞いて、相手を変えることはできないから自分が変わることも大切だと諭しますね。人の意見に耳を傾けるというのは美容師にとって欠かせない素質のひとつでもあるので、互いの意見や考えを理解して尊重し、そこから解決点を探っていく方法をとっています。僕はこの店を、スタッフにとって日本一ハッピーだと思える職場にしたいと常々考えていて、そのためには全員が互いを思いやれる人になることが大切。だから新人教育では、技術面だけでなく人間力も身につけてもらえる内容となることを目指しています。」
優しさを基準にした考え方が根底に
――カリキュラム以外にも職場環境やサロンを挙げて取り組んでいることはありますか?
「5人の小さな職場なので家族のような雰囲気ですね。チームワークやスタッフの魅力はどのお店にも負けていないと思っているので、誰かが悩んでいたり困っていたりすると必ずサポートする人間がいるのも当店の良いところ。あと、お客様はもちろんですがスタッフのことも考え、シャンプーや薬剤などは手肌にも環境にも優しいものにこだわっています。日常の小さなことではあるけれど、毎日大量にシャンプーなどを使って排水に流すわけですから、地球環境にも優しい商品を選ぶことを心掛けています。そういった人にも環境にも優しいエココンシャスな店づくりを推進することも今後の課題のひとつですね。」
アットホームで笑顔の絶えないサロンには、やはりそこで働く人同士の強い絆がありました。スタイリストデビューまでを支える環境や互いに切磋琢磨できる雰囲気など、tahieではハッピークリエーションサロンというコンセプトの通り、人から人へと笑顔が伝播するような店づくりが行われています。