ロジカルな思考と「デザイン性」へのこだわり!『SOCO』
代官山駅に程近いサロン『SOCO』代表の関山善博さん。クリエイティブで論理的な思考を持った関山さんは、他にはない前衛的な経営方法に挑戦されています。
前編の今回は、そんな関山さんにお店のこだわりをうかがいました。
美容業界にい続けたからこそ、してみたかった挑戦
――お店を出されたきっかけはなんでしょうか。
「今の自分の力でどれだけの結果が残せるのだろう、という純粋な興味から始まりました。思考実験のような部分もあったのかもしれません。たとえばマーケティングやマネジメントにおいて“こういったことをしてみればこんな結果が出せるかもしれない”という予測を立て、実際に市場で試すことに興味があるんです。実は一般的に、新しく出店した美容院の約6割が、1年ほどでなくなると言われています。しかし『SOCO』は現在、オープンして1年と9ヶ月ほど。スタッフが増え、業績が伸び、早い段階で2店舗目を視野にいれることができるなど、結果を残せているのはうれしいことです」
――店名が印象的ですが、こちらの名前になった理由を教えていただけますか?
「もともとは倉庫物件をリノベーションして店を作ろうと思っていました。そこで名前を考えたときに、シンプルに『SOCO(倉庫)』にしようかなと。結局今の物件で店を構えることにしたのですが、『SOCO』という名前は気に入っていたんです。というのも、たとえば海外だとアップルやヒューレット・パッカードは、ガレージから事業を始めて成功していますよね。日本でガレージに近いものといえば倉庫じゃないですか。なので、このお店もゼロから常識を超えて成長してほしいという想いを込めて、『SOCO』という名前にしました」
――お店のこだわりはなんですか?
「内装やホームページ、グラフィックのデザインは僕がしているのですが、極力素材を絞ったシンプルなものを意識しています。また、サービス面のこだわりとしてはあまり世間に迎合せず、シンプルかつスタイリッシュであることを追求しています」
他にはない企業文化を作ることで、店を差別化したい
――『SOCO』さんと他店舗さんとの違いはなんでしょうか。
「美容業界において、他店との圧倒的な差別化を図ることは非常に難しくなっているんですよ。店舗数は本当に多く、日本全国どこへ行ってもおしゃれで上手なお店はいくらでも見つかります。美容院を運営していくなかで、お客さまに興味を持っていただけるような付加価値を見つけることは困難です。そんななかで他店舗と差別化できる方法はふたつあると考えています。ひとつは、やはりマーケティング。求人にしても美容にしても、情報がウェブへどんどん移行していますよね。ウェブをとことん利用したマーケティングの施策を考えることが重要になってくるはずです。そこで僕は数値分析によるマーケティングに力を入れ、市場のニーズを汲み取ることで、結果に繋げることを重要視しています。次に、イノベーション。スタイルに関しては、まったく新しい髪型やヘアカラーで世間に興味を持ってもらうことは今の時代難しいと思っています。そこで、マネジメント上のイノベーションがポイントになってくるのではないでしょうか。職人のような仕事なので、これまでの美容業界は働き方に型がありました。僕はそれを少し壊して、自由なスタイルで1人ひとりが結果を出せる仕組みを確立させて運用していきたいと思っているんですよ」
――そのような経営方法は、すべてご自身で考えられているのですか?
「いえ、マーケティングとマネジメントの有効性については、すべて古典的な名著から学んでいます。そうすることで業績を伸ばせているので、これからも本を参考にしながら今の時代に合った運営をしていくつもりです」
『SOCO』の内装やホームページ、そしてスタッフのみなさんが日々作っているヘアのデザインからは洗練されたセンスが感じられます。お店のカラーであるそのスタイルを大事にしつつも、新しい切り口から経営方法を考えることで他店舗との差別化を図っているようです。
関山さんが考えられる「自由な働き方」とはなんでしょうか?気になる内容は後編でご紹介します。