爪でコミュニケーション!介護の現場を支える『爪ケア』#2

自分以外の人の爪を切ったことがありますか? ただでさえ、他人の爪をケアするのは難しいことで、さらに巻爪などのトラブルがある爪となると、専門的な知識や技術がなければ正しく切ることは無理な話。でも、爪のケアについての正しい知識や技術を持っている人はあまりいないため、とくに高齢者や障害者などのいる福祉施設では、利用者の爪のケアについての大きな問題を抱えているそうです。
ネイリストとして活躍する松本めぐみさんは、その問題と真摯に向き合い、介護に特化した爪のケアサービス『爪ケア』を行っています。爪の重要性や、「爪ケア技能者」という資格を取得できる技能検定のことなど、いろいろ伺いました。『爪ケア』が、より多くの人々に伝わっていくことで、介護の現場に大きな変化が起きそうです。

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『爪ケア』が気持ちのギャップを埋める

爪ケア
足の爪トラブルについて説明する松本さん。

介護の現場では、爪のケアは欠かせない介護行為のひとつです。でも、介護士や看護士でも正しいケアをすることは難しく、爪の角が残っていたり、切り口が鋭くなってしまったりしがちだそうです。その爪で、意図しないところで自分や他人を傷つけてしまったり、衣服や寝具にひっかけてしまったりすることがご利用者のストレスの原因に。松本さんいわく

「たかが爪切りと思っている方が多いかもしれませんが、爪の状態ひとつで、生活の質は大きく変わります。正しいケアをしていれば、爪のトラブルを予防することもできるんですよ」

松本さんは『爪ケア』の技術を、すでに約350人もの介護従事者に伝えてきたそうです。巻き爪などのトラブル爪にならないように予防することも大事な目的ですが、間違ったケアを受ける側のストレスを解消して、ケアした側との気持ちのギャップを埋めることができるのが「爪ケア」の大きなメリット。

「一方的になってしまいがちなお風呂や排泄などの介助と違って、爪のケアは、正しく行うことができれば、コミュニケーションを図る絶好のチャンスなんです」

安らぎの時間を作る資格「爪ケア技能検定」

爪ケア
『爪ケア』で使用するオリジナルのやすり。

『爪ケア』では、主にやすりやニッパーを使い、爪切りは使わないで爪を整え、状態に応じて巻爪や分厚くなった爪のなどのトラブル爪の処置もします。この技術を身につけ、検定に合格すると「爪ケア技能者」という資格が貰えますが、「爪ケア技能者」は、『爪ケア』を通して、見えていない心のケアもするんだそう。松本さんによると

「ただ、爪のケアをするのではなく、利用者の心の声に耳を傾けることが必要なスキルになります。利用者の心に寄り添い、丁寧に施術することで、利用者の安らぎの時間を作ることができる。『爪ケア』を通してお互いの信頼関係を深めることができるので、とてもやりがいがあるんです」

「爪ケア技能者」は、だれにでも分かりやすい内容で、無理なく取得できます。資格は初級から本部認定指導者まで6段階。初級と中級では、爪トラブルの予防になる正しい爪のケアを学ぶことができ、初級さえ持っていれば「爪ケア技能者」として現場で活躍することができます。さらに中級まで取得すれば、ニッパーを使う足の爪ケアもできるようになり、上級からはトラブル爪に対応できる技術が身につくように。指導者資格も取れるので、ニーズに合わせて技術を教える側になることもできます。初級・中級のみ「eラーニング」で学べるようにもなっているので、取り組みやすいのも魅力です。

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一施設に最低でもひとりの「爪ケア技能者」を目指して

爪ケア
熱心に技術を学ぶ受講者の皆さん。

松本さんの願いは
「ひとりでも多くの人に『爪ケア技能者』になって、正しい爪のケアが行えるようになって欲しい。一施設に最低ひとり『爪ケア技能者』がいることが理想です。さらに施設にひとりでも上級指導者の人がいれば、施設内で技術を広げていくことも可能なので、目指して欲しい」ということ。

そのために資格の普及に努めていくという松本さん。初級や中級では、高価な道具や難しすぎる医療知識が必須ではないので、義務教育の終わった15歳以上の人なら取ることのできるような資格にしていきたいそうです。

実際に講習を受けた児童指導員Iさんの声もご紹介します。
「ネイリストと介護とは遠い存在に思っておりましたが、医療的見地からも爪のケアをすることの重要性が見出されている今、医療・介護業界は爪ケアに対する知識や技術の向上が必須となるように思います」

「爪ケア」の技術が広がっていけば、自分の足で歩ける高齢者が増えていくかもしれません。資格自体の本格展開は2018年の4月ですが、先行して勉強することもできるそう。介護の現場を支え、将来を変えていきそうなこの技術を、ひとりでも多くの人に学んでもらえたらと願います。

取材・文/宮内ともこ

Profile

松本さん

松本めぐみさん

株式会社BestQuality 代表
あらゆる「爪」を観察、研究し、自ら確立した「爪ケア」のサービスを介護施設や障害者施設などへ出向いて提供しながら、介護士や看護士向けの講習会を行い「爪ケア」の技術を伝える活動もしている。「爪ケア技能検定」を構築し、全国に展開準備中。
日本ネイリスト検定1級 ジェルネイル検定上級 巻爪ペディグラス技術者

プレミアムケアサロンSouRa
http://soura.jp/

※この記事を見て「爪ケア技能検定」を受講希望の方には受講料を割引させていただきますので、support.1@bestquality.jpまで、ぜひお問い合わせください。

爪が生活の“質”を変える!介護の現場を支える『爪ケア』#1>>

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