夢をかなえるために!美容師が独立するメリットと開業に必要な手順

美容師の多くは、いずれ独立して自分の店を持ちたいと考えているのではないでしょうか。思い描いた理想のサロンを自分の手で経営することは、やはり大きな憧れです。しかし、その一方で、人に雇われている気楽さに比べて一国一城の主になる大変さに不安を覚えることも事実です。また、独立といっても具体的に何をすればよいのかよくわからないという人もいるでしょう。そこで、独立のメリットやデメリットを挙げながらサロン開業の具体的な手順について説明をしていきます。

独立という選択肢と美容師の多くがそれを意識している理由

店舗によっても多少の差はありますが、美容師というのは35歳くらいでひとつの岐路に立たされます。特に女性の場合、現場は若い美容師を中心に回す傾向が強いのでその年代になるとマネジメント業務にシフトしていくか、後進の指導にあたるか、それとも独立して自分の店を持つかを考える必要が出てきます。男性美容師も40代前半で給料のピークを迎え、後は下降傾向にあるためにその前に独立するか否かを考え始めるというわけです。また、早い人の場合は美容師を志した時点で独立までの道筋を考えている人もいます。いずれにしても、美容師である以上、独立という選択肢は無視できない存在だと言えるでしょう。

まずは資金調達と店舗探しが大切!開業のための準備と手順

美容師が独立するには資金が必要です。具体的にどのぐらい必要かは条件によっても変わってきますが、それなりのお店を構えようと思えば開業資金、設備資金、運転資金などを含めて数千万円単位になるケースも珍しくありません。それだけの額をポケットマネーだけで賄えるという人はそういないので、多くの場合は何らかの機関を利用して資金調達をすることになります。そこで誰もが思いつくのが銀行ではないでしょうか。しかし、これから独立しようという人間に大金を貸してくれる銀行はほとんどありません。銀行の融資には過去の業績が必要であり、初めて経営に挑戦する美容師にはそれがないからです。

どうすればよいかというと、まず自分で用意できる資金を計算し、残りの額を国や自治体の補助金及び助成金で工面できないかを考えるのです。有名なところでは「創業促進補助金」があります。これは産業の創設や新たな雇用が地域の活性化につながることから、開業を希望している事業者を後押しするために設けられた制度です。採用されれば店舗・設備などの購入・賃貸費用、広告費、人件費などに使える資金が最大200万円まで支給されます。ただし、補助金や助成金は原則後払いなので先にサロンをオープンしてその実績を報告した上で審査をパスする必要があります。つまり、開店資金を用意する手段としては利用できないのです。次に、自治体から中小企業向けの融資を受けるという手があります。最初に自治体の窓口に相談に行き、そこで紹介状をもらって金融機関の審査を受けるというのが大まかな仕組みです。代表的なものには政府系金融機関の日本政策金融金庫があります。民間の金融機関に比べて金利が低く、無担保で借りられ、しかも、返済期間が長いという点が大きなメリットです。ただし、実際に融資を受けるにはしっかりとした事業計画書が必要なため、コンサルタントなど専門家にアドバイスを求めるのが賢明でしょう。

また、資金調達と並行して行わなければならないのが、不動産回りやネットを利用して行う物件探しです。物件には大きく分けて居抜き物件とスケルトン物件の2種類があります。居抜き物件とは前のテナントが使用していた設備が残っている物件のことで、シャンプー台や鏡などをそのまま使えるため、手直しするだけで開業できるというメリットがあります。それに対して、スケルトン物件とは内装や設備が全くない物件のことで開業費用はかかるものの自分のコンセプトに合った店づくりができるのが大きなメリットです。それらの利点や欠点などを比較しながら少しでもよい物件を探していくわけですが、その際には立地条件の検討を忘れてはなりません。いくら店舗が立派でも人通りが少ない場所では大きな集客は望めないからです。基本的には人通りの多さとコストのバランスを考えつつ、コンセプト通りの客層が集まる土地を探すことが重要なポイントとなります。もし、それまで勤めてきたサロンで多くのお客様から指名を受けていた場合は、その人たちが来店できる場所に店舗を構えるのも一つの手です。ただし、その場合でも、以前の店とあまり近すぎては客を奪い合う形になってしまいます。店舗探しはさまざまな条件を考慮し、広い視野を持って行うことが大切です。

資金を調達し、店舗も決まればいよいよ開業です。その時に考えなければならないのが集客です。具体的な方法としてはネットを使った宣伝や近隣地域へのポスティング、あるいはそれらに伴うクーポン券のサービスなどが考えられます。商売が軌道に乗って少し余裕ができたなら、サービスの拡張を考えていく必要があります。心身をリラックスさせるリラクゼーションを導入したり、ひとつのサロンですべてのケアが行えるようにネイルやまつ毛のエステを行ったりなどといった事柄です。その際に大事なのは、いかにすればよりお客様に喜んでもらえるかといった視点です。お客様の声に耳を傾け、それに真摯に応えていくことがサロンの発展につながっていきます。

自分の理想を実現!独立開業のメリット

独立することの最大のメリットは何と言っても自分のやりたいことができるという点です。レイアウトやインテリアといった細かい部分まで徹底的にこだわり、自分にとっての理想のお店を手にできるのは何よりの喜びです。また、見た目だけではなく、エステサロンやネイルサロンの機能を持たせるなど、業務内容についても長年暖めてきたアイデアを存分に形にすることができます。ただし、これは個人経営を行った場合であり、フランチャイズに加盟という形で独立した場合はそうはいきません。有名ブランドの看板で商売ができ、そのブランドが積み重ねてきたノウハウを教授してもらえるので安定した経営を図りやすいというメリットはあるのですが、その分、経営者としての裁量権は大きく制限されることになります。そのため、独立する際はどちらのメリットを取るかを考える必要があります。

また、独立する前に指名してくれるお客様が一定数いた場合は、声をかけることで新しいお店でも常連客になってくれる可能性があります。そうして、客層もある程度自分をひいきにしてくれた人たちで固められる点もメリットの1つです。逆にいえば、雇われている間にどれだけ自分の顧客を増やすかが成功の鍵を握っているとも言えます。さらに、スタッフの教育を徹底することで、自分が今まで培ってきた技術やサービスをブランディングしてより理想に近いサロンを目指せることも大きな魅力です。

重くのしかかる責任!独立開業のデメリット

独立をすると当然のことながら責任はすべて自分で負わなければなりません。美容師として雇われている時は店の経営などを考える必要はありませんでしたが、オーナーになると資金繰りが苦しければ自分でなんとかしなくてはならなくなるのです。誰にも頼れず1人で悩まなければならないのは精神的にきついものです。また、独立して個人サロンを経営した場合、基本は少人数で店を回していくことになります。すると、スタッフが一人退職しただけでも大きな打撃になってしまいます。しかも、募集をかけてもなかなか人が集まらないのが現実です。個人経営のサロンにおいて優秀な人材をいかに確保するかは、時として資金繰りに匹敵する重要な問題になってきます。

しかし、そうした問題をクリアして成功した時の喜びはひとしおであり、スタッフとして雇われていただけでは決して得られないものです。そして、それを得るためには後々問題となりそうなポイントについてあらかじめ対策を考えておくことが大切です。たとえば、人材確保の問題では美容師に特化した求人サービスを利用するのも1つの手です。

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