美容師の仕事で経費になるものならないもの

美容院で従業員として雇用されている場合には必要ない確定申告ですが、経営するオーナーやフリーの美容師は別です。1月1日から12月31日の事業期間に得た事業所得を計算し、決められた期間内に税務署へ確定申告する必要があります。確定申告をする際に是非知っておきたい知識の1つに経費があります。課税される所得は収入から経費を引いた金額です。経費にできる費用と出来ない費用を把握できていれば、スムーズに確定申告を行えます。美容師の経費の考え方について紹介します。

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経費として計上できるものの基準は?

全ての費用が経費として計上できる訳ではありません。経費とはあくまで事業を行う上で必要となる費用のことです。当然のことながら生活上の費用は除外されます。つまり、事業に関係する費用であることが経費に計上できる1つ目の条件です。例えば店舗として建物を賃貸している場合の賃借料は経費に計上できますが、自宅として利用している場合には経費に該当しません。ただし、自宅を兼ねた店舗付き住宅であれば全額とはいきませんが、家賃の一部を経費に計上できます。つまり事業として用いている部分と生活の場として用いている部分を案分して経費に計上するということです。案分基準については、税務署から説明を求められた際に合理的な説明ができる基準であれば問題ありません。店舗付き住宅の家賃ならば床面積で案分します。床面積が建物全体で100平米とした場合、美容室スペースが50平米だとすると、家賃の半分を経費として計上できます。電気代ならばコンセント数や利用時間などが案分基準として考えられます。

2つ目の条件は、ハサミやシャンプーなどの備品の場合、使用したものについて経費に計上できます。シャンプーを大量に購入し、使用せず棚にしまったままならば、資産として計上されるのが原則です。ただし、特例として買った時に経費計上する会計処理を継続して行っている場合には購入時に経費にできます。以上の2つの条件を基準に経費かどうかを判断します。それでは美容師に関係する経費として主なものを挙げていきます。事務所の賃借料は地代家賃として経費計上できます。電気代や水道代などは水道光熱費という経費です。日常的に使う高額ではないハサミやシザーケース、パーマ液などの備品購入代金は消耗品費です。カット技術を磨くなどのスキルアップ目的で参加する研修の費用や資格取得費用についても研修費として経費に計上可能です。その他にも、美容室に置く雑誌類は新聞図書費、従業員を雇用していれば支払っている給与は給料賃金、顧客への年賀状代は通信費、ハサミなどの備品メンテナンスの費用は修繕費として、それぞれ経費に認められます。高額な備品の場合には購入代金が直接経費として認められず、いったん資産として計上した後に減価償却の形で経費となる場合もあります。例えば10万円以上のバリカンを購入した場合には工具器具備品として資産として計上されますが、一定金額が減価償却として経費に計上されます。事業用の自動車などを購入した場合も同様の扱いをします。

服の購入代金は経費として計上できる?

経費として計上できる費用は、事業に関係するものになります。事業に要する費用といってもグレーなものもあります。美容師の仕事で考えられるものの1つに服の購入費用があります。美容師は美を扱うという特殊な仕事柄、見た目にこだわる必要もあるでしょう。見た目に清潔感が求められますし、加えておしゃれであることも仕事を進めていく上で重要です。美容師が仕事の際に着る服を経費として計上できるかですが、結論から言うと基本的にはできません。これは、服に関しては誰もが必要であること、選択に個人の趣味嗜好が入っていること、耐用年数に個人差が大きいという理由からです。自動車整備士のつなぎなどであれば、普段使いできる服として考えづらく、作業着として経費に計上できます。しかし、美容師が着る服は仕事以外にもプライベートで使うことができるため、経費としては認められません。客観的に見て、100%事業に関係しているとは言えないからです。ただし、まったく経費として認められないという訳ではありません。フリーランスの美容師が仕事をしている店で、ユニフォームを指定している場合には、その購入代金が全額経費になります。その他にも、美容師としてのカリスマ性や魅力を高めるために必要な服であるということを証明できれば経費として認められる可能性はあります。それでも、基本的には美容師の服は経費として認められないということは覚えておきましょう。

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確定申告の方法と流れについて

フリーランスの美容師は1月1日から12月31日までの1年間の事業所得を計算し、確定申告することになります。ただし、収入から必要経費などを差し引いた所得金額が38万円以下であれば申告の必要はありません。38万円を超える場合に限って申告義務があります。申告期間は例年2月16日から3月15日までの間に行います。確定申告を行うためには、1年間の売上と経費を把握することが必要です。フリーランスの美容師であれば直接顧客から受け取る技術料や、働いている美容院からの業務委託料などが収入となります。経費についてはここまで説明してきた通り、事業を行う上で必要となった費用です。日々の売上と経費を帳簿につけ、それをもとに確定申告に必要な書類を作成します。帳簿付けは会計ソフトを使うと比較的簡単に行なうことができます。作成すべき書類の種類は、青色申告か白色申告かによって異なります。青色申告をする場合には事前に税務署へその旨を届出る必要があります。青色申告では複式簿記による正確な会計処理が求められる分、所得を計算する際に特別控除が設けられています。白色申告は税務署への届出は不要で、青色申告に比べると比較的簡易な申告方法のため、特別控除の適用はありません。青色申告で作成する書類は、確定申告書と青色申告決算書です。

一方、白色申告では確定申告書と収支内訳書を作成します。青色申告決算書と収支内訳書には、帳簿をもとに1年間の売上と経費、事業所得などを記載します。事業所得の他に給与所得などの他の所得がある場合や、健康保険料などの社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除などの控除を受ける場合などは合わせて申告します。作成した申告書等の提出方法は3通りです。

1つは税務署で申告書を作成するか、もしくは事前に作成し税務署に持ち込む方法です。税務署職員が申告書類の作成方法などをレクチャーしてくれる点や、税理士の無料相談が受けられる点がメリットです。

2つ目の方法は税務署に郵送する方法です。管轄税務署が遠方にあったり、すでに何度も確定申告をされて慣れていたりする人にとっては、税務署に足を運ぶ手間が省けて便利です。

3つ目の方法はe-Taxによる電子申請です。国税庁でも電子申請での確定申告の普及に力を入れています。e-Taxの利用には電子証明書の取得が必要です。電子申請は会計ソフトとの相性も良く、郵送と同様に税務署に出向く必要もないため便利な方法です。確定申告の結果、納税であれば決められた期限内に納税額を支払います。以上が確定申告までの大まかな方法と流れです。美容師として活躍されている方の中には、いつかは自分の店を持ちたい、フリーランスとして輝きたいという夢を持っている方も多いでしょう。そういう人にとっては経費や確定申告の知識は役立つはずです。

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