柔道整復師を開業するときにするべきこととは? 開業する前に決めることと必要になる手続きについてお伝えします

柔道整復師の資格を取得し、整骨院や接骨院などである程度の経験を積んだら、独立したいと思う人は少なくないことでしょう。

しかし、独立・開業するためには不安もあるでしょうし、わからないことも出てきますね。前もって独立・開業するまでの流れや注意点をつかんでおきましょう。

柔道整復師は、他の業種と比べると独立しやすい職業です。ですから、同業他社や競合する店は多く存在します。その中で成功する方法を知ることは、その街で必要とされる接骨院や整骨院にするためにとても重要です。
柔道整復師は、ある程度施術の経験を積めば、自宅やマンションの部屋でもお店を開くことができます。
また接骨院や整骨院の利用者は年配の方が多く、今後、高齢化社会が進むにつれ60歳以上の人口が多くなり、良い接骨院や整骨院を探す人は増えると考えられるため、広告宣伝のやり方次第で新規利用者をおおぜい集客することもできます。
ではさっそく、独立するためにしなければいけないことを見ていきましょう。

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柔道整復師を開業する前に決定すること

柔道整復師 開業

接骨院や整骨院を開業するためには、決めておかなくてはいけないことがいくつかあります。どんなお店でもそうであるように、行き当たりばったりで開業しても決してうまくいかないでしょう。

経営理念

大げさなようですが、経営理念を決めておくことは必要です。どのような思いや使命を持って経営を行うのかしっかり考えましょう。

経営理念を考えるときは、地元のニーズを把握した上でないといけません。そしてその理念を盛り込んだチラシを近隣住宅へ投函したり、その地域で行われる行事には積極的に参加したりして、地域に根付いた営業活動を行うと集客にも効果的です。

自分のお店の存在意義や経営を継続するための目的を常に意識しましょう。お客様が満足してくれるような取り組みを続け、接骨院または整骨院を発展させていけるように、経営理念を決めましょう。

開業する場所

自分の出身地やお世話になった地域で開業することは、地元の人々への恩返しになります。地元の人たちに親しまれる接骨院や整骨院を営み、地域に貢献することができるのは、独立・開業をする大きな利点のひとつです。
また、もともと住んでいる家を接骨院または整骨院として利用することで、開業費用を抑えることもでき、地域の人たちになじみやすい院にすることも可能です。初めは知人に来てもらって施術を行い、口コミで広めてもらうことも、地域で認めてもらうためのカギとなります。
他の要素としては、駅や商店街に近く利便性が良い場所にして買い物客や通勤帰りに目にしやすい工夫をするのか、閑静な住宅街に開業して立ち寄りやすい雰囲気のお店を作るのか、なども考えるべきことです。

接骨院や整骨院の規模

こじんまりとひとりで営業するのか、初めはひとりでも、いずれ他にも柔道整復師を雇って規模を広げていきたいのかも考えておきましょう。

立地の周りに医療機関が多ければ、相乗効果で集客が増え、ひとりでは手が足りなくなる可能性もあります。ある程度の規模を持つ院にしたいと考えるのであれば、それに見合った面積の部屋を用意しなければなりませんね。

どんな施術をするか

経営理念とも重なりますが、自分の院ではお客様のどんなニーズに応えていきたいのかをはっきりさせましょう。

手や指を使った施術、電気を使った施術、器具や装具を使った施術など、どんなお客様にも対応できるように症状別に施術方法をきちんと考え、説明できるように準備しなければなりません。

お客様の目的を達成していただき、満足していただくことが重要です。繰り返し通っていただくためにはお客様の状況に合わせて的確な施術を行えるように柔道整復師としての経験と知識を活かしましょう。

柔道整復師を開業するときに必要になる手続き

柔道整復師 開業

実際に接骨院や整骨院として開業するためには、必要な手続き書類がたくさんあります。届け出先や提出期間など、手続き書類によって違ってくるので、正しく理解しておきましょう。

また、保険請求を行なうためにあらかじめ必要な申請や、他の柔道整復師を雇う場合に必要な届け出もあります。
開業に伴う必要な書類や手続きを把握しておくことで、順調に独立・開業することが可能になります。

接骨院や整骨院の開業届けを出すために必要な書類7点

①「施術所開設届」を書きます。これは開設して10日以内に届け出が必要です。
②「柔道整復師免許(原本と写し)」を用意します。資格を証明するものです。
③施術する場所の「平面図」を描きます。間取りや面積が分かるようにします。
④最も近い駅からの「案内図」を描きます。
⑤法人ならば「定款の写しと登記簿謄本」が必要です。
⑥施術する場所が賃貸でしたら「賃貸契約書(写し)」が必要です。

契約者記号番号取得のための書類

お客様に施術をしたときに保険請求を行なうには、「契約記号番号」が必要です。そのための必要書類は以下の7点です。
①施術所の申出書
②同意書
③確約書
④施術管理者選任証明
⑤施術所開設届の副本
⑥柔道整復師免許のコピー
⑦履歴書
なお、住んでいる地域により必要な書類が違う場合もあるので、先に確認をしておきましょう。
さらに雇用している柔道整復師が施術した費用を保険請求するためには、保健所と厚生局に届け出をする必要もあります。届け出をしていないと、罰則を受けることになるので気を付けてください。柔道整復師を雇うときには、以下の内容を届け出しましょう。
勤務後10日以内に、保健所にある(またはウェブサイトから印刷した)書類を提出しましょう。それと柔道整復師の免許証と身分証明書の写しも用意します。
保健所への手続きが完了したら、全国柔整鍼灸協同組合を通じて厚生局へ届け出をする手続きをします。
まず全国柔整鍼灸協同組合へから書類を入手しましょう。そして、柔道整復師の免許証と保健所に受領された書類の写しを用意したら、全国柔整鍼灸協同組合へ書類を提出します。全国柔整鍼灸協同組合から厚生局へ届け出が行われます。

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開業・独立のノウハウを学ぶには

柔道整復師 開業

柔道整復師として接骨院や整骨院を独立・開業するためには、どのような方法で進めると良いかのノウハウをご紹介します。あらかじめ情報収集を行い、失敗しない独立・開業を目指しましょう。

すでに独立・開業している人に教えてもらう

すでに、独立をして店を開業している人を探していろいろ教えてもらいましょう。例えば専門学校で知り合って、先に接骨院や整骨院を開業している人や、実習でお世話になった人などがいれば、独立・開業するまでの流れや注意点を教えてもらえます。

開業してからの経験談も聞くことができます。参考にしたいところ、覚えておきたいところをしっかり把握しましょう。自分の考えや、施術についてのアドバイスは素直に受け止めましょう。

スタッフに売上目標などを言っていいものか判断できず漠然とした毎日を送り、患者数の増減ばかりを気にしたり、施術の質を上げることだけに着目し過ぎて、お客さまの待ち時間や店内の清潔感・ムードなどに気を配らなかったことなどが上手くいかなかった原因だったという具体的な意見を聞くこともできます。

スタッフに数字の目標をはっきり伝えること、内装を明るく清潔感あふれるものにすること、待ち時間が長い時はお客様に伝え、外出してもらうことでクレームが減ったことにより改善したという経験談でした。

開業専門のセミナー・講習会に参加する

接骨院や整骨院の開業専門の勉強会は、各地で開催されていて、無料で参加できるものもあります。勉強会の開催情報は、インターネットや同業者の知人などから集め、積極的に参加しましょう。開業するまでの動き方や、問題の解決策などを教えてもらうことができるはずです。

会場が遠くて行くことができなくても、今はスカイプを使ったマンツーマンセミナーもあります。セミナーの主催団体は接骨師会などで、開業サポートや療養費請求代行なども扱っていますから、開業してからも頼りになることでしょう。

独立のノウハウを教えてくれるお店で働く

独立・開業やり方を教えてくれる接骨院や整骨院があります。そこで働くことで、いろいろな経験や情報を得ることができるようです。

また、実際に施術で収入を得ながら、支援されている環境で独立・開業の準備ができるので、効率的と言えます。

2018年4月から、独立するためには1年以上の実務経験が必要になりました。それに伴って、独立・開業を応援してくれる接骨院や整骨院も増えました。求人情報で見ると全国に1,000店舗以上も名前を連ねています。
就職したら、まずは独立しようと思っていることを伝えましょう。それを踏まえたうえで、いろいろな施術を任せてもらえます。
接骨院・整骨院にはチェーン店もあります。宣伝費や信用を得るためには、フランチャイズで経営することもひとつの選択でしょう。フランチャイズでしたら、開業に伴ういろいろな援助も受けることができます。

開業の利点を生かすには地元の人に愛されるお店を作ることです

開業するからには、お客様に来て欲しいですから、まずは開業したことを知ってもらう必要があります。いくら立派な経営理念があったり、お客様が満足できる施術の技術を持っていても、お客様に定期的に来院してもらえなければ接骨院や整骨院を継続していくことはできません。
資金をかけても開業時には大きな宣伝広告を行なったり、チラシを作って投函業者に広く投函してもらったり、知人に紹介してもらったりして、お店を始めたことを町の人ひとりひとりに知ってもらい、集客に繋げましょう。
そして、初めて来院してくれたお客様に満足してもらう施術を行い、「体が不調のときは、またここに来たい」と思ってもらいましょう。
地元の人が定期的に通ってくれるような院を作り、地元の人から愛されるようになれば、多くの人に通ってもらうことができるでしょう。
もちろん利益を求めて積極的に商売をすることは必要ですが、それよりも個々のお客様を大切にし、心から満足していただき、信頼される柔道整復師としてより多くの知識を学び、経験を積むことが成功する近道です。

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