【美容師のカット+パーマ技術】SHEA. 表参道 千代間勇翔さん流『柔らか質感を作る毛先だけパーマ』#2
今までのパーマの価値観と違い、「髪を扱いやすくする」という視点でパーマ提案をしている「SHEA. 表参道」。店長の千代間勇翔さんにご登場いただき、提唱している『毛先だけパーマ』の魅力について教えていただきます。後編では、そんな『毛先だけパーマ』を取り入れたスタイルの詳しい作り方をお伺いします。
千代間さんが提案する『毛先だけパーマ』
カットでフォルムを作っておき、1.75回転の毛先巻きで低温デジタルパーマを施術。毛先全体にCカールをつけておくことで、柔らかい質感と手触りの良さ、スタイリングのしやすさを実現している。
『毛先だけパーマ』の施術ポイント
1.ベースカットでフォルムをしっかり作る
パーマはプラスアルファと考え、カットでしっかりフォルムを作っておく。毛先の柔らかさを出すため、全体をチョップカット。アンダーは重めにして質感よく仕上げる。毛量調整にセニングは使わず、毛先に厚みを残してツヤを出す。
2.毛先全体に1.75回転のCカールをつける
すべて1.75回転の毛先巻きで、全体の毛先にCカールを作る。ノーテンションで巻くことで、柔らかな質感に。
3.45℃の低温デジタルパーマを使用
低温にすることで、パーマがかかりすぎることなく、柔らかな質感に仕上がる。その分、薬剤選定をしっかり行い、つけ巻きにすることで加温時間を短縮。
HOW TO
BEFORE
髪質は細めで軟毛。バックはレイヤーなし、サイドと顔周りにレイヤーあり。
1 アウトラインをカット
ウェットでスタート。イヤートゥ―で分け、バックサイドを耳上ラインで上下にセクショニング。アンダーは長さを残しつつ、毛先を平行にチョップカット。
トップを下ろし、アンダーに合わせて毛先を平行にチョップカット。
サイドを下ろし、バックに合わせて毛先を平行にチョップカット。
2 レイヤーを入れる
顔周りにレイヤーを入れる。サイドは裾に厚みが残るように、アンダーを重めにカット。
顔周りの髪はこめかみからリフトさせてカットし、重さを取る。
バックはトップを外し、裾に重さが残るように引き出してグラデーションカット。
トップは、表面にパーマで動きを出しやすくするため、セイムレイヤーで軽さを出す。
前髪は黒目幅で取り、リップラインに流れる長さで毛先をチョップカット。
切り終わり。全体の裾に重さを残すのが今っぽさのポイント。
3 低温のデジタルパーマで、つけ巻きしていく
イヤートゥ―で分ける。バックサイドは、トップとアンダーに分け、アンダーは左右に分けて3段にセクショニング。左右の下から2本は17mmロッド、他は19mmロッドを使用。1液をつけ、毛先から1.75回転の平巻きに。フロントサイドも3段に分けて、19mmロッドで毛先から1.75回転の平巻き。前髪も同様に巻く。
機械をつけて、45℃で加温し6分でチェック。ロッドをつけたまま流水後、2液をつけ、5分放置して流す。
巻きあがり
スタイリング
根元からある程度乾かしたら、全体を2束に分けてねじってドライ。軽めのオイルを手に伸ばし、手ぐしを通すように全体になじませたら、毛束をねじってもみこみ動きを出す。
仕上がり
低温デジタルパーマのつけ巻きで、短時間で仕上がるうえ柔らかく手触りのよい質感に。1.75回転で巻いているので、スタイリング次第で動きのある仕上がりにも、ワンカールのナチュラルな仕上がりにも調整可能。
デザインとしてだけでなく、髪の扱いやすさを考えて作られた『毛先だけパーマ』。お客様の毎日を考えたプラスアルファの提案として、参考にしてみては?
▽前編はこちら▽
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取材・文:山本二季
撮影:高嶋佳代
ヘア&メイク:千代間勇翔(SHEA.)
モデル:SALAH
教えてくれたのはこの人!
千代間勇翔さん
SHEA. 表参道 店長/トップデザイナー
窪田理容美容専門学校を首席で卒業後、都内2店舗を経て「SHEA.」の前身サロンに入社。「SHEA.」立ち上げに参加し、2019年10月より表参道店の店長に就任。前髪パーマや顔周りのデザイン、パーマスタイルに定評があり、骨格や顔立ちに合わせたスタイル提案を行っている。
インスタグラム:shea_chiyo
Salon Data
SHEA.(シア) 表参道店
住所:東京都渋谷区神宮前5-46-16 表参道イルチェントロセレーノ2F
TEL:03-6450-6985
URL:https://shea.tokyo/