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学び・キャリア 2020-07-15

お客様への接客で大事にしていることは? 人気サロンの〇〇マニュアル

人気サロンの若手・ベテランそれぞれの立場で考えていることを伺い、そのサロンが大事にしていることなどを探る新企画。美容師にとってカットやカラーなどの技術はもちろん、欠かせないのが接客。また来たいとお客様に思っていただくために、どんなことを意識しながら接客を行なっているのか伺いました。

話すスピードを調整したり、まずは共感することから入るなどそれぞれの接客スタイルが見えてきました。

教えていただいたのは……

MINX 石塚マサトさん(美容師歴20年目)

MINX青山店店長・接遇部門代表。全店舗の接遇部門責任者を務めている。丁寧でしっかりとした対応で多くのお客様から支持を受けている。

MINX阿部由菜さん(美容師歴7年目)

MINX 青山店スタイリスト。ヘアスタイルの悩み解決に自身あり。髪の悩み以外にも、安心してお客様が話せる空間づくりを心がけている。

ZACC 柳平岳慶さん(美容師歴20年目)

ZACC vie所属 ZACC全体統括。全体統括としてZACCを管理。長年の実績から髪をきれいにしたい女性からたくさんの支持を受けている。

ZACC 山下永次さん(美容師歴6年目)

ZACC raffine所属 スタイリスト。丁寧な施術と的確な髪質判断と、スピーディーかつクオリティの高い仕上がりでお客様の心を掴んでいる。

ACQUA 熊谷安史さん(美容師歴17年目)

ACQUA総店長。総店長として、ACQUA全体を管理。お客様への的確なアドバイスに定評あり。

ACQUA 嶋山豪さん(美容師歴5年目)

ACQUA スタイリスト。丁寧な接客と真摯な対応で多くのお客様から支持を受けている。

Q1.お客様への接客で基本にしていることはどんなことですか?

「お客様に喜んでいただくために最善を尽くしています。お客様の言葉、行動一つ一つの本意を考え、お客様が想像する以上のサービスや感動に結びつくものを見出す意識や行動を大事にしています」(MINXベテラン・石塚さん)

「お客様がたくさんお話したい方なのか、なるべく静かに過ごしたい方なのかをヘアチェックの際に反応を見て変えています。なるべくお客様の名前を呼ぶようにしたり、カラーを放置している間に声かけをすることで放って置かれている、雑に扱われているなど感じさせないように心がけています」(MINX若手・阿部さん)

「どんなに仲が良いお客様でもお金をいただいているという意識を持つこと。落ち着いて施術を受けたいのか、喋りたいのか、知りたいのか見極めること。お客様の考えを言語化してあげることです」(ZACCベテラン・柳平さん)

「とにかく喜んでいただくにはどうしたら良いかを追求します。好きなテイストをファッションの話や会話からなるべく引き出していきます。また、技術で満足いただきたいという想いが強いので、カットでもカラーでも技術の説明をわかりやすく説明をして、安心していただけるように心がけています」(ZACC若手・山下さん)

「プロとしてお客様一人一人の悩みをアドバイスする。話のスピードやテンポなど気をつけ、お客様の波長に合わせます」(ACQUAベテラン・熊谷さん)

「何時間かけて人間性を伝えるのではなくて、トータル5〜10分ほどで僕の人間性がわかるように考えて接客しています」(ACQUA若手・嶋山さん)

まずはお客様がどんな人なのか見極めるところから始めていますね。お客様の髪の悩みや要望を叶えるために、丁寧な会話を心がけていると感じました。

Q2.自分の接客スタイルの特徴と、お客様からの実際の反応を教えてください。

「お客様に話しやすいと感じていただけるような接客を心がけております。フランクな口調にならないよう、全てのお客様に対して必ず敬語で話す事をサロン全体で徹底しています。また、お客様との関係性が近すぎると素になりすぎてしまい、全てのお客様に均一なサービスができないためムラができないように意識しています」(MINXベテラン・石塚さん)

「私の担当しているお客様は、ゆっくりサロン時間を過ごしたい方が多いと感じるので、必要最低限の技術や商品などの説明をして技術に対する不安を取り除くようにしています」(MINX若手・阿部さん)

「理論的に解説することで、納得いただけるスピードが早いと思います。また、パーソナルゾーンに入らないギリギリの会話をすることで、短時間でお客様との距離が近づくと思います」(ZACCベテラン・柳平さん)

「安心感や落ち着いた雰囲気と技術を認めていただいた上で来ていただけていると思います。髪の毛の触れ方に関しては特に気をつけるようにしています」(ZACC若手・山下さん)

「的確なアドバイスと複雑な内容をわかりやすくお伝えするようにしています。ヘアスタイルに対してのモヤモヤした気持ちを解決することで、お客様からは美容オタクの様な感覚を持たれていると思います」(ACQUAベテラン・熊谷さん)

「あくまでもお客様なので近くなりすぎないように線引きはしていますが、なるべく友達のようになんでも話せるような関係になれるように接客しています。お客様の反応は、あまり気を使わなくていいので楽と言われます」(ACQUA若手・嶋山さん)

まずは初めてのお客様に対してもわかりやすく説明し、技術に対する不安を取り除くことで安心感を与えるのが大事。あくまでもお客様なので、距離が近くなりすぎないように節度を守って接客を心がけていますね。

Q3.「お客様と上手くコミュニケーションが取れていないな」と感じるとき、どうしていますか?

「ヘアデザインを提供する上で美容師とお客様という関係では時折、美容師側のエゴに陥ってしまうことが少ないと思います。以前は自分でもそういったお客様とのズレを感じる機会があったので、改めてお客様目線に立つことを意識しています。また、お客様への説明や提案をする前に、まずはお客様の考えを理解することを大切にしています」(MINXベテラン・石塚さん)

「なかなか会話が弾まないときなどは、少し話題を変えて違う方向から話を聞いたり、私自身の話をして、打ち解けていただけるようにしています」(MINX若手・阿部さん)

「お客様の頭の中できちんと答えが出ていないときは、写真をお見せして解説をしています。コミュニケーションを取るのが苦手なお客様に対しては、髪型をよくするための話以外はしません」(ZACCベテラン・柳平さん)

「無理な会話をしてもなかなか続かないと思うので、なるべく髪の毛の話や悩みを伺って、それを解決できる話のみをします。会話を求めているお客様か求めていないのか判断します」(ZACC若手・山下さん)

「プロとしていかにお客様の事を考えているかを言葉で伝えています。伝わっているか不安だとしてもまわりくどく言わないようにしています。より技術に集中し、当たり前の施術をより繊細に、細かく行うようにして不安を取り除くようにしています」(ACQUAベテラン・熊谷さん)

「無理に接客しないで、技術の説明をわかりやすく最善尽くしてます。技術でアピールするのと挨拶や礼儀を明るく丁寧にします」(ACQUA若手・嶋山さん)

コミュニケーションを取れていないと感じたときは無理に話しかけたりせず、髪の話や技術の話をすることでお客様との信頼を築いていますね。

Q4.オーダーを聞き出す上で工夫していることは何ですか?

「短時間でもお客様が話しやすい雰囲気にするために、まず共感することを意識しています。お客様が良いと思うモノやコトを共感して、積極的に褒めることを最初に行います。そうすることで希望や悩みをしっかりと聞いてもらえる存在だから、安心して任せられるという意識をお客様に持っていただけると思います」(MINXベテラン・石塚さん)

「こちらから、なにかありますか? とざっくり聞いても、お客様自身で何が悩みか明確に見えているお客様が少ないと思うので、一つ一つ質問して答えてもらうようにしています。(普段のスタイリングやお家でのケア、どんな女性像・男性像が好きか、ヘアスタイルへのこだわりなど)お任せの方やあまりこだわりがない方は、最低条件だけは聞くようにしています。今までこういうのは嫌だったとか、カラーの色味(暖色と寒色)好き嫌いなど」(MINX若手・阿部さん)

「なりたいイメージの写真を見せていただいたり、髪の長さ・前髪・レイヤーのこだわり、他人から見られたいイメージなどを伺い、プロとしてできることできないことを判断しアドバイスします」(ZACCベテラン・柳平さん)

「好みの系統、レングス、前髪、切り口、重さ、質感、普段のお手入れの7項目を伺うようにしています」(ZACC若手・山下さん)

「話を一通り聞き出し、お客様が求めていた答えを話すようにする。そうすることで、気持ちがのってきて悩みや理由を打ち明けてくれると思います」(ACQUAベテラン・熊谷さん)

「いきなりオーダーを聞かないで、お客様と会話したり、笑わせたりして話しやすい雰囲気を作ってからカウンセリングを始めるようにしています」(ACQUA若手・嶋山さん)

みなさん初めは丁寧で細かい質問をすることでお客様のオーダーを汲み取っていました。お客様との会話をしている中で共感することや褒めることで会話が弾み、よりオーダーをキャッチしやすくなるのも一つの手ですね。

Q5.お客様から言われて嬉しかった言葉はありますか?

「ある時、常連のお客様からお母様を紹介してくださったのですが、緊張されていてあまり会話ができませんでした。後日談で娘さんからお母様が自宅に帰ってからとても満足そうにしていたという話を聞いたときは嬉しかったです」(MINXベテラン・石塚さん)

「私が提案したヘアスタイルを周りの人から褒められたそうで、任せてよかったですと言われたときは美容師をやっていてよかったと思えました!」(MINX若手・阿部さん)

「自分が施術してから、髪型を褒められるようになったと声をいただいたときは嬉しいですね」(ZACCベテラン・柳平さん)

「山下さんにお任せすれば、失敗はないのでこの先もずっとお願いしたいですとのお言葉をいただけたときはとても嬉しかったです」(ZACC若手・山下さん)

「何年後かに素敵な旦那さんや子供も連れてくるのが私の夢です。とおっしゃっていただけたとき、気持ちがすっきりわくわくする人と場所であると嬉しくて帰り際に泣かれたときです」(ACQUAベテラン・熊谷さん)

「嶋山さんに出会えて良かったですという言葉は、忘れられません」(ACQUA若手・嶋山さん)

「任せてよかった」や「髪型を褒められるようになった」という言葉など、お客様から直接言われると励みになりますね。

Q6.これからも接客で大事にしていきたいことを教えてください。

「相手を思いやる気持ちを大事にしていきたいです。接客とはお客様をもてなす気持ちの現れだと思っています。これからも美容を通してお客様に喜んでいただけるように努め、お客様にとって必要不可欠な存在になれたらと思っております」(MINXベテラン・石塚さん)

「スタイリストになってまだ2年未満なのでもっとお客様との信頼関係を築けるようになりたいです。一人一人としっかり向き合って任せてよかったなと思っていただけたり、会いに行きたくなるような親身な接客を心がけたいです」(MINX若手・阿部さん)

「時代時代に合わせていくことが大事かなと思います」(ZACCベテラン・柳平さん)

「悩みを解決しながら、お客様が可愛く・カッコよくなるようにしたいです。また、会話よりも技術で気に入っていただきたいです」(ZACC若手・山下さん)

「当たり前のことですが、お客様に嘘をつかない。お客様を中心に自分のベストを伝え、技術の提供をさせていただくことです」(ACQUAベテラン・熊谷さん)

「お客様と心で繋がっている、そんな関係性になれる接客をしていきたいです」(ACQUA若手・嶋山さん)

【お客様を接客する上で大切なこと】

1.わかりやすい説明力
2.オーダーを聞き取るための質問力
3.お客様の話を聞く傾聴力と受け入れる共感力

【編集後記】

美容師の仕事で大事なのは技術力はもちろんのこと、お客様の心を掴むために大事になってくる「接客力」。ベテラン・若手にかかわらず、第一にお客様の様子を敏感に察知し、それぞれのお客様に合わせた会話のスピードやわかりやすい説明をすることで、技術に対する不安を払拭。そうすることで、お客様との距離を近づけていると感じました。また、お客様の答えを引き出せる質問を用意しておくことも大事にしています。このような接客を行なっているからこそ、人気サロンになれるんだと感じました。

取材・文/梅澤 暁

Salon Data

MINX 青山店

住所:東京都港区北青山3-5-23 吉川表参道ビル2・3・4F
TEL:03-3746-2722
URL:https://minx-net.co.jp/salon/aoyama
Instagram:@minxaoyama_official

ZACC vie
ZACC raffine

住所:東京都港区北青山3丁目11-7 Aoビル 4F
TEL:03-5468-5882
URL:http://www.zacc.co.jp/
Instagram:@zacc_hairsalon

ACQUA青山店

住所:東京都港区南青山4-20-20
TEL:03-3478-3131
URL:http://acqua.co.jp/

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