新卒からアイリストという選択肢 未経験でもチャンスが多いまつエク業界

華やかなイメージで若者からの人気が高い美容業界ですが、その中でも比較的新しいジャンルとなるのがまつエクです。美容業界の中ではやはり国家資格である美容師を目指す方が一番多く、アイリストを目指す若者はあまり耳にしません。

アイリストを目指す若者が少ない要因については、けっして悪いイメージがあるからではなく、単純にアイリストの仕事についてあまり知らないという方が多いことが影響しています。実は、まつエクのエキスパートであるアイリストは新卒でもチャレンジできる職種であり、非常に高待遇な職場が多いのです。

今回は、あまり知られていないまつエク業界での新卒採用と若者アイリストの活躍について、一般社団法人 日本アイリスト協会で代表理事をつとめる、志太 しおん(しだしおん)さん、同協会で名誉認定講師をつとめる福井 チワコ(ふくいちわこ)さんに話を伺いました。

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人材不足が続くまつエク業界、新卒・未経験採用でも歓迎

そもそも、まつエク業界で新卒が高待遇であるという理由のひとつに、慢性的な人材不足が続いていることがあげられます。原因としては明確で、法改正により、アイリストの仕事に美容師免許が必須になったためです。

美容師免許は通学もしくは通信制度の専門学校で最低2年は必要な科目を履修せねばならず、なおかつ国家試験を受けて資格を取得しなくてはいけません。そのため、以前のように美容とは全く関係のない業種からの転職や、美容師免許をもたない新卒の学生の就職は難しくなってしまいました。

さらに、まつエク自体の歴史がまだ新しく、世界で見ても20年、日本でいうとまだ18年ほどです。そのため、自分の周辺でアイリストになったというケースも少なく、仕事としてのイメージがわきにくいこともあり、美容学校に在籍している学生のほとんどが美容師を志望します。

たとえば東京都内に2校かまえる国際文化理容美容専門学校の2020年3月卒業者の就職内訳では、美容院への就職が1131名、理容が130名、エステティック139名、ネイル125名、ブライダル27名、アイリスト172名、メイク28名、着付け25名、その他32名でした。美容師免許を取得できる専門学校に通う=美容師を目指すというのが一般的であるため、まだまだ新卒でアイリストという選択肢は生まれにくいようです。

こういった背景がまつエク業界が慢性的な人手不足に陥っている原因といえます。

しかし、人手不足なのに応募が少ないということは、学生の立場からすると非常に売り手市場であるともいえます。良い人材を育てるにあたり、バックアップ体制をしっかりとっているサロンが増えてきています。

学生時代の成績や実績が評価される美容師の就職試験に比べ、まつエクの場合は授業でも詳しく学ぶ時間が少ないので美容師よりもポテンシャル採用となることが多いです。美容師免許という強みを持っているだけで、就職が非常に有利であるという点は、学生にとって注目すべきポイントといえるでしょう。

新卒でアイリストを希望する学生は、少しずつ増えてきました。これからもっと増えると思います。
専門学校で授業を教えていますが、まつエクの授業が楽しくて、美容院の内定が決まっているのに変更を希望した生徒さんもいるほどです。

美容師の国家試験の中にも今年初めてまつエクの設問が追加されたこともあり、今後専門学校の中でもまつエクの地位はあがっていくと思われるので、学生の動向には注目です。

自治体のキャリアアップ助成金でサロンの負荷なく新卒育成が可能に!

まつエクの場合、いわゆる上場企業や大手企業というのがほとんどなく、アットホームな個人店が大半をしめています。
個人店の場合、新卒を雇用したり、育てる余裕がないのでは? と心配される方も多いことでしょう。

実は新人のスタッフ教育は最短で2カ月でできてしまうんです。シングルのみの簡単な装着技術であれば未経験者でもじゅうぶんに習得が可能です。3カ月目には店頭に立てるレベルになります。

まつエクは実際どの程度技術の習得に時間がかかるのか未知数である点も不安要素のひとつといえますが、実はしっかり学ぶとエステやネイルの技術に負けないくらい早く技術習得ができるようです。1~2年はアシスタントとして下積みをする美容師と比べると、短期間で手に職を付け手収入につなげられるという点は、未経験者にとって大きなメリットといえます。

個人店での育成については、自治体にもよりますが、『キャリアアップ助成金』という制度を利用すれば、外部講習を頼むことができます。
サロンの負担を最小限におさえながら外部に講師依頼をできるので、新卒でも育てることができるんです。

個人店の場合ネックになるのが、研修に割くための人材がいないという点です。
店舗にとって、予約枠を削って新人研修を組むことは、売上を削るため非常にリスキーです。外部講師を委託することは、知らないサロンもまだまだいますが、うまく使うと個人店でもかなりしっかりとした研修をおこなうことができます。

例えばキャリアアップ助成金の人材育成コースでは具体的に下記のような経費の利用ができます。

1. 外部講師(社外の者に限る)の謝金・手当 (所得税控除前の金額。旅費・車代・食費・宿泊費などは対象外)※1時間当たり3万円が上限

2. 施設・設備の借上料 (教室、実習室、マイク、ビデオなど、訓練で使用する備品の借料で、支 給対象コースのみに使用したことが確認できるもの)

3. 学科または実技の訓練に必要な教科書などの購入または作成費 (支給対象コースのみで使用するもの)

個人店ではじゅうぶんな研修を受けられないのではと心配する方も多いかもしれませんが、こういった国や自治体の助成金を活用することで、きちんと技術力を身につけることができます。サロン側にとっても、ぜひ活用すべき情報といえるでしょう。

また、就職後に検定で実力を客観的に確認できるようになったことで、技術が可視化されて未経験でも活躍できる場が増えました。日本アイリスト協会では、JEA検定試験を設けており、1~3級で技能の習熟度合いがわかるようになっています。こういった検定試験に合格することで、未経験からでもしっかりと技術力の証明をおこなうことができます。

サロン側で検定試験を受けさせてくれるところもありますし、転職や独立時にも第三者からの技術証明となるので、こういった資格もうまく活用しながらスキルアップするのがおすすめです。

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SNSを使いこなせる若者はセルフブランディングで知名度アップ

まつエク業界で働くメリットのひとつとして、個の力を発揮しやすい点があげられます。現在小学生に人気の職業がYouTuberであるように、どこの企業に勤めるかよりも、どのように働くか、個人として何を発信するかが問われる時代です。いわゆるサラリーマンやOLと言われる企業勤めの場合、新卒2~3年目で活躍というのはなかなか難しいものですが、まつエクの場合、それが可能になります。

最近はセルフブランディングできるアイリストが増えてきて、みずからSNSに作品としてアップする人が増えてきました。

まつエクの場合、美容師同様に「実用的なスタイル作り」「作品としてのスタイル作り」の2パターンの仕事をすることができます。作品の場合、従来であれば広告などの特定の作品・舞台や個展など芸術用としての需要のみで、個人的に発表していくことはなかなか難しかったのですが、InstagramをはじめとしたSNSの流行により、自分の好きなテーマで好きなように発信していくことが可能になりました。

SNSは自分の世界観の表現する場であり、そこでファンをつくることもできます。調査データによると、10~30代で個人として「SNSメディア」で情報発信している人のうち、その情報発信が直接的、または間接的に何らかの成果につながっていると答えた人は、61.2%という結果になりました。

出典元:株式会社ジャストシステム フォロワー1,000人以上が約3割!個人のSNSを「メディア」として運営しているユーザーの実態とは

調査結果をみてもわかるように、収入やセルフブランディングなどなにかしら自分のプラスに働く活用ができています。この点は40代以上のベテラン層との大きな差といえるでしょう。

学生時代からSNSが身近な存在である現在の新卒世代は、うまくセルフブランディングができれば雇用という枠組みを出て活躍できる可能性を秘めています。セルフブランディングの中で、ライバルが少ないニッチな分野であればあるほど人と差別化できるポイントになりますので、同じ国家資格をもつ美容師と比較すると、アイリストの方がSNSの活用は有利だといえます。

20年という浅い歴史の業界だからこそ、若者でも頂点に行くチャンスがある

最後に新卒にまつエク業界をおすすめできるポイントとして、歴史の浅さがあげられます。先述したSNSを活用したセルフブランディングにも関連しますが、歴史が浅いということは、前例がない部分も多く、これから先自分が先頭に立てる可能性を秘めています。

海外では、毎月のようになにかしらのコンテストが実施されており、海外の場合はアーティストとしてアイリストの地位が確立されています。そういったコンテストで名前を残すことで、実用的なアイリストではなく、アーティストとしてまつエクを極めていくということも可能です。

個人のブランディングとして、海外のコンテストで名前を上げることもできるようになってきており、世界で活躍できる可能性があります。日本ではサービス業としてあまり目立った活躍のないアイリストですが、ヨーロッパでは1人の施術で2~5万円とることが普通で、アーティストとしての地位を確立しています。
世界でもまだたった20年、日本で講師として活躍している人でも長くて10年位のキャリアです。これから整備が進んでいくので、これからの若い人にチャンスがある業界といえます。

日本でも美容師などに比べ圧倒的に人数が少ない分、「日本初の○○賞受賞」「最年少での△△優勝」といったように、前例がない分、努力次第では一番手になれる可能性も秘めています。

世の中にはたくさんの業種がありますが、伸びしろが多い職業というのはそんなに多くありません。自分のモチベーション次第で、知名度も収入もあげていけるアイリストという職業は、まさにこれからの時代の仕事といえるでしょう。

※「アイリスト」は有限会社ローヤル化研の商標です。

出典元:
国際文化理容美容専門学校 就職先一覧
厚生労働省 キャリアアップ助成金
日本アイリスト協会 JEA技能検定試験

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