好きを追求した結果、「バーバー」と呼ばれるように。独立を目指すあなたへ Vol.14【Barbershop KING 代表 清水健太郎さん】#1

「いつかは独立したい」という夢を持つ人に向けて、独立した先輩たちの経験談をお届けする本企画。

今回インタビューしたのは、「Barbershop KING」代表の清水健太郎さん。1999年に三軒茶屋にお店を開き、今では「バーバースタイル」の先駆者と言われる存在に。けれど、それは理容師の仕事を一途に愛してきた結果だと清水さんは語ります。

前編では、独立するまでのお話やお店づくりについてお話を伺いました。かっこいい「男の空間」でありながら、どこか親しみやすさを感じるわけとは?

「床屋」の仕事が誇りだった

――清水さんは以前理容室で働かれていたんですよね。理容師になろうと思われた理由は何ですか?

理容師の仕事に憧れていたわけではないんです。大学に行かなかった代わりに手に職をつけようかなくらいの感覚でこの仕事を選びました。美容師ではなく理容師を選んだのも、そっちの方が自分的にやりやすかったから。当時は18歳でしたから、そんなに深くは考えていませんでしたね。

――実際に働かれて天職だと感じましたか?

そんなこと全然思いませんでしたよ(笑)。給料は安いし、労働時間は長いしで何も楽しくなかったですよ。でも、お金をもらっている以上、仕事はしっかりやらないといけないと思って必死に仕事を覚えました。技術さえ身につけてしまえばどこででも食べていけると思っていたので、技術を習得するまでは我慢しようと。別に自分のお店を出そうとか、そんな高い志を持っていたわけではありませんでした。

――いつ頃から独立したいと考えはじめたのですか?

独立したのは28歳のときでしたが、考えはじめたのは26、27歳頃かな。仕事も最初は全然楽しくなかったんだけど、25歳くらいになると仕事も慣れてきて、お客さんもついてきて楽しくなっていたんですよ。そうすると自分のやり方とかを主張したくなるわけで…。でも、人のお店にいる限りはそのお店の枠におさまらなければいけないでしょ。自分のやりたいことができずに、モチベーションがないまま働いているのもそのお店に失礼だし、好きになったこの仕事を100%の力でやりたかったんです。

――お店を出すときからバーバースタイルでやりたいと考えていたのですか?

そうではないんです。当時、日本にはまだ「バーバースタイル」なんて言葉はなく、ただの「床屋さん」でした。バーバースタイルと言われるようになったのは5、6年前とかじゃないですかね。

――清水さんは「床屋」としてお店を出したかったのですね。

そうです。床屋の仕事が好きだったし、やりがいを感じていましたから。

――ちなみに、オープン当初の店舗イメージはありましたか?

当時、美容室に流れてしまった男性客に、理容室の良さを知ってもらえる店にしたいと追う想いはありました。道具や什器なども含めてね。ただ、内装に関しては仕事のしやすさを最優先に考えました。

ご近所さんを大切にすることがベースだった

――オープンにあたってまず何から着手されたのですか?

物件選びです。独立前に三軒茶屋で働いていて土地勘もあったので。そんなに深くは考えてはいませんでした(笑)。今でこそ三軒茶屋というとお洒落な人が多くて個性的な街と言われていますが、20年前は全然そんなことはなかったんです。来店するお客さんも地元の人ばかりでした。

――お洒落の発信地からは少し外れた場所で、集客に苦労されませんでしたか?

お客さんの層は今と違い、トレンドを求める若い人はみんな美容室に行っていましたからね。立地もあまり良くなく、「バーバーに行こう」という流行もありませんでしたから、開店当時の客足は少なかったですね。お客さんのほとんどが30〜40代の普通のおじさんでした。洒落っ気のあるお客さんは大体僕の友人とか、バンドをやっているような人くらい。だからと言って、集客と言えるようなことは特に何もせず、来店してくれたご近所さんに一人ずつ丁寧に仕事をしてきただけです。

――「バーバー」が流行り出してから、若い人が通うようになったのですね。

当時はうちみたいな床屋はなかったので、よく雑誌などが取り上げてくれたんです。それで、この辺に住んでいるアパレル関係の人などが来店してくれるようになったんです。ブランド意識が高い人はやはり影響力がありますからね。

――実際にどんなオーダーが多いのですか?

刈り上げやフェードで短くしたいっていう人が多いかな。若い人はだいたいそんな感じ。あっさりとした簡潔なオーダーですけど、美容室ではなく、わざわざうちに来てくれるってことは、そういう髪型にこだわりたいからでしょう。お店にもよるかもしれませんが、うちは数をこなしているので、それだけ引き出しはたくさん持っていますから。

僕のお客さんはみんな付き合いが長いので、こちらから要望を聞くことも、鏡も見せないことだってあります(笑)。お客さんも鏡を見ることすら煩わしいという人もいて、「いいよ、いいよ。別に見ても仕方ないし」という感じなんです(笑)。

お店に並ぶスタイリング剤には、若手スタッフの意見を反映しているのだとか。

――それは信頼しているからこそでしょうね。ちなみに、こちらのお店はアメリカンスタイルで無骨な雰囲気が素敵ですが、当時からこのようなビジュアルだったのですか?

内装はほとんど変わっていませんね。昔からアメリカンな感じ。散髪台や道具の数が増えたくらいかな。それよりも、スタッフが増えたことでお店の雰囲気はずいぶん変わったと思いますよ。昔から通ってくれている常連さんは、うちの変遷をだいぶ見てきたと思います。

――ところで気になったのですが、待合スペースに小説や漫画もラフに置いているんですね。

これらはお客さんからの貰い物ですよ。「もういらないから」って置きに来るんです(笑)。うちはそういうのがけっこう多いですね。

その街に親しまれるお店にするために

「Barbershop KING」がたたずむのは駅から離れた住宅街。無骨でロックテイストな店構えなのに、その街ののんびりとした空気感に自然に溶け込んでいました。「バーバースタイル」が流行り、なおも地元に変わらず愛されているのはなぜか、その理由を伺いました。

1.一人ひとりと丁寧に向き合う

2.流行を軸にせず、「床屋」の仕事を貫く

3.施術はストイックに、ご近所付き合いはゆるく

後編では、スタッフに対する清水さん独自の向き合い方を教えていただきました。

▽後編はこちら▽
自分だけの力を身につけてほしいから、フリースタイルのお店に。独立を目指すあなたへ Vol.14【Barbershop KING 代表 清水健太郎さん】#2>>

取材・文/佐藤咲稀(レ・キャトル)
撮影/石原麻里絵(fort)

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Salon Data

Barbershop KING

住所:東京都世田谷区下馬1-39-8 下馬マンション1F
TEL:03-3422-9951
URL:https://www.barbershopking.com/

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