スタッフの立ち位置をフラットに！ ネイルサロン『pour toujours』のチーム構築術
『pour toujours』は2016年の7月に誕生したネイルサロン。居心地のよい空間とやわらかな接客で、ご近所のお客さまを中心に多くの方々から愛されています。また、10年以上ともに働いてきたネイリストによる、連携のとれたチームワークも人気の理由。そんな『pour toujours』がファンをつかんでいる背景には、スタッフ間の関係を良好に保つ分かりやすい指導や、スタッフの自主性を促す環境作りがありました
今回はオーナーの山口麗さんにインタビュー。前編では、強いチーム作る方法に迫ります。
サロンの空気感を作る、2種類の人間関係とは？
————まずは『pour toujours』が、お客さまから支持を得ている理由を教えてください。
「『サロンの空気感がよいからだ』と思いますね。私は、サロン内によい雰囲気を作るためにはチームワークがとても大切だと思っています。サロン内の人間関係には大きく2種類あり、1つ目がスタッフ同士、2つ目がスタッフとお客さまの関係です。『pour toujours』では、それぞれに力を入れて魅力的な空間を作っています」
————「スタッフ同士の関係」を良好に保つためには、どのような工夫をしていますか？
「大切な意見が上がってくるように、スタッフと同じ目線を保って働くことを常に意識しています。もし、私が上に立って抑えつける態度を取ってしまうと、スタッフは私によいアイデアを伝えることはできません。それはサロンの運営に悪影響を与える状況であり、サロン内やスタッフ間に悪い空気感を生むもとになります」
先輩がやるべきことは感想をいうのではなく指導
————「スタッフ間に悪い空気感を生むもと」について、もう少し具体的に教えてください。
「『スタッフが不満や悩みを言えない』ということです。チーム内の関係が悪ければ、スタッフはサロンの改善点や自分自身の課題を私や先輩に言えずに、自分だけで抱え込むことになります。そのため、雰囲気が暗くなりよい接客ができません。この状況は、他のスタッフやお客さまに伝わってしまうため、サロンに悪影響を与える問題ですから、『私に意見を言える風通しのよい環境を作ることがとても大切だ』と思っています」
————それでは、山口さんにも意見が上がってくるために、どのようなことを大切にしているのでしょうか？
「意識していることが2つあり、まずは説明を丁寧にすることです。私は若手の頃に、『このアートは下手だね』と、先輩から言われたことがありました。その時に『なぜ、うまくなるフィードバックをしてくれないのだろう』と。技術に意見をいうことは、とても大切ですが、先輩がやるべきことは感想をいうのではなく指導です。そのため、私は時間がかかっても丁寧に伝えることを心掛けています」
スタッフのやる気を削がないために大切なこととは？
————スタッフとのコミュニケーションを円滑にする、2つ目のポイントを教えてください。
「2つ目は、スタッフの時間を奪わないことです。一例を上げると定期的なミーティングがあり、私はなんとなく集まって意見を出し合うだけの会議はあまり意味がないと思っています。みんな隙間時間にやりたいことがありますから、それはネイリストの時間をつぶしているだけです。
『pour toujours』では基本的には、1対1でのコミュニケーションを意識しており、たとえばホームページをリニューアルしたかった時は、得意そうなスタッフに『ちょっと、相談に乗ってくれない？』と声をかけて1時間ほど時間をもらっています。
他にも『ありがとう』という感謝を伝えることをはじめ、報告、連絡、相談をこまめに行うことなど、当たり前のルールを大切にしています。そのため『pour toujours』のネイリストたちは、スタッフが何か探し物をしている様子を見て『あ、多分あの道具を探している』と分かるほどに連携のとれたチームです。もし『たこ焼き屋をやろう！』となっても、きっと人気店になれます。スタッフは、絶対反対しますけど（笑）」
強いチームを作る極意
10年ほどの付き合いになるスタッフもいるという『pour toujours』。強いチームを作る極意をまとめると、下記の3つでした。
１. サロンへの意見をキャッチするためにスタッフと同じ目線を持って働く
２. 指導では、分かりやすい説明を心掛ける
３. 無駄な時間を作らずに、スタッフの自由を守る
後編では、お客さまと良好な関係を築く方法に迫ります。
▽後編はこちら▽
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