【SNS活用術】この線って何⁉︎誰も見たことがない「眉のマッピング」で注目度UP【Eye Haven MIHOさん】#1
アイラッシュ&アイブロウ専門店「Eye Haven」オーナーのMIHOさんのもとには、「自分らしい眉」を求めるおしゃれ女性たちが足を運びます。もともと集客目的でInstagramをはじめたわけではありませんでしたが、洒落感に溢れた投稿が話題を呼び、今では新規予約が困難なほどの人気店に。注目を集めるきっかけとなったのが、顔に線を描く「マッピング」の動画。その独自の施術スタイルは眉に悩む女性たちにささったようで…?
前編では、予約システムを見直すためにInstagramに切り替えたこと、新登場のリールを早くから使いこなして注目を集めた話、「マッピング」動画の誕生秘話についてお聞きしました。
教えてくれたのは…
Eye Haven
MIHOさん
一人ひとりに合う目元を提案する、まつ毛と眉毛の専門店「Eye Haven」。メイクアップアーティストだった経験を活かし、施術後はメイクで仕上げをするというスタイルが好評。Instagramはフォロワー数約7500人(2021年12月現在)。まつ毛や眉毛といった目元の投稿ばかりではなく、旬のメイクやコスメも豊富に紹介している。そのセンスの良さに魅かれて来店する人も多く、現在は新規予約待ちの状態。
妊娠・出産をきっかけに、予約のしやすいInstagramに切り替え
──Instagramを本格的に運用することになったのはいつ頃ですか?
お店を構えた翌年に本格的に始動した感じですね。もともとクーポンサイトを使っていたのですが、妊娠・出産を機にやめたんです。
妊娠中は体調を崩しやすかったり、出産後も子どもが急に熱を出したり…と、予約をお断りしなくてはいけないときもありましたし、急にポンと予約が入ったりしても対応するのが難しくなったんです。
その場合にweb予約だと連絡がつきにくくて…。クーポンサイトは連絡先としてメールアドレスと電話番号が登録されていますが、そもそも今の人ってメールを開く習慣がないし、お仕事中だと電話にも出られないですよね。
こちらの都合でお客様にご迷惑をおかけするのは申し訳ないなと思い、代わりにInstagramをメインに使うようになりました。
──集客目当てではなく、予約システムを見直すためだったのですね。
そうなんです。InstagramのプロフィールにLINEのリンクを貼って、予約はLINEから入れてもらうようにしました。今では、来店のほとんどがInstagramかご紹介のどちらかなので、今はクーポンサイトはほとんど機能していない状態ですね。
お客様にも「クーポンサイトはほとんど見ない」と言われることが多いです。Instagramでサロンを探し、もしweb予約をやっていればそこから予約するけど…という感じで、単なる予約ツールみたいに使われているようです。リールの登場直後に上げた「アイブロウ」の動画でフォロワー数2000人増
──今ではフォロワー数は約7500人(2021年12月現在)ですが、Instagramからの来店が増え出したのはいつ頃からですか?
コロナ渦になるちょっと前くらいからですね。フォロワー数に比例して来店数も増えました。
特にリールをはじめたことでフォロワー数・来店数が大幅に増えた気がします。
──動画はやっぱり反響が大きいのですね。
おそらくリールが登場した直後だったので、まだ投稿数も少なく、伸びやすかったのかもしれません。あと、画角が正方形ではなく縦長だったので、おすすめに出たときに注目されやすく、見つけてくれる方が多かったです。
「これ、サロンをPRするにはぴったりじゃん」と思い、わからないなりに撮りはじめたんです(笑)。
──登場直後に使いはじめたのが良かったんですね。ちなみに、反響の大きかった投稿は何ですか?
アイブロウの動画なんですけど、これがまた賛否両論あったんです。
実は、モデルさんは小学6年生の女の子。再生回数は80万回数と、他の動画と比べて飛び抜けた数字になり、フォロワー数も2000人くらい増えたんです。一方で「小学生にアイブロウはまだ早い」「自分で稼げるようになったら行くべき」という意見もいただいて。
裏話ですが、ずっと通ってくださっていたお客様のお子さんで、その子が眉毛のことでお友達にからかわれたみたいで…。でも、お母さんがセルフでカットするには難しすぎたようで、私のところに相談しに来てくれたんです。「ご本人とお母さんのお気持ちが同じなら、ぜひ」と快諾したという経緯です。なるべく小学生らしく、細くなりすぎないように気をつけて整えましたけどね。
そのあとも二人くらいのお客様が、お子様連れで来られました。「ダンスの発表会前だから整えておきたい」と。
──小学6年生ともなると、身だしなみに気を使いたくなるお年頃ですもんね。
お子さんとお母さん同士できちんとすり合わせができていて、お互い信頼関係ができているのであれば、小学生のアイブロウも良いと思っています。こちらもお子様本人の意思を尊重した上で施術させていただいています。私自身も、小・中学生時代に眉カットを失敗しちゃった経験があるので、未然に防げるなら防いであげたいですね(笑)。
そのリールを見た別のお客様が「小学生がきれいにしていて、社会人の私がきれいにしていないのはヤバい!」とおっしゃって(笑)。
──確かに(笑)。でも、図らずもそういう方面で効果的だったのですね。
おそらくみなさん同じ気持ちだったのか、その動画がうちのお店を知っていただくきっかけになりました。
顔に線を描く「マッピング」動画に「何これ?」の質問が殺到
──今は、眉の投稿の方が多くなっているようですが。
ご新規様のほとんどがアイブロウで予約をされるので、そっちを多めに投稿して、アイラッシュは合間に挟むくらいの割合に変えました。
──もともとアイラッシュを専門にやられていたんですよね。
そうですね。本当はアイブロウも全面的にやりたかったんですけど、これまであまり需要がなく、「眉もやるんですか…?」という反応だったんです。だから、常連さんだけ「裏メニュー」としてやる程度でした。
でも、逆に今ではアイブロウ専門サロンだと思われていますね(笑)。
──「アイブロウサロン」への注目度が上がっているということですね。
コロナ渦になって増えた気がします。マスクを着用するようになり、「表に出る顔面積が少なくなった分、おでこを出して明るい印象に見せたい。でも、眉毛を放置してきたからおでこ出せない!どうしよう…」ということで、みなさんアイブロウサロンに注目するようになったようです。
お客様が増えるにつれて眉悩みも増えました。毛がない・毛が多い・左右バランスが悪い・描き方がわからない…など人それぞれ違うんですよね。もともと眉を丁寧に整えていた方もより綺麗さを求めるようになった気がします。
──MIHOさんといえばアイブロウのマッピング動画ですよね。
コロナ渦をきっかけに「アイブロウをする際に顔に線を描く」っていうのを独自ではじめ、私の中で「マップブロウ」と名付けました。
──眉を整えるにしても、これほど丁寧に工程を踏んでいることに驚きました。
施術中は目をつむっているから何をされているかわからないと思うので、そういう意味でも参考になったとおっしゃる方もいます。
「アイブロウ」で成功した秘訣
1.新登場ツールは注目度高め。一番乗りで使いこなす!
2.誰も見たことがない「マッピング」で斬新さをプラス
3.悩みに応えるだけでなく、一人ひとりに合う眉を提案
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コロナ渦によりアイブロウへの関心が高まったとはいえ、MIHOさんが成功した理由は「マスク」の恩恵だけではありません。「今まで見たことがない」「斬新な施術スタイル」など、注目してもらうために働きかけたことが勝敗を分けたのでしょう。後編では、地味になりがちな「目元の投稿」をおしゃれに見せるコツをご紹介。
取材・文/佐藤咲稀(レ・キャトル)
撮影/喜多二三雄
イラスト/なとみ みわ