接客はFeel!「AR hair」益岡純一さんの愛されサロンの作り方

「AR hair」は2006年に誕生した大阪府大阪市のヘアサロン。前編ではオーナースタイリストの益岡純一さんが強い組織を作り上げた方法に迫りました。

後編では、まつ毛エクステ、着付け、そしてクッキー販売にフォーカス。また顧客を掴む接客術についても伺いました。後編も役に立つ情報が満載です!

今回お話を伺ったのは…

益岡純一さん

「AR hair」オーナースタイリスト
2006年の4月に「AR hair」をオープン。美容師の日本一を決めるJHA(ジャパンヘアドレッシングアワード)にノミネート。また関西一を決めるKHA(関西ヘアドレッシングアワード)で準グランプリを受賞するなど、数々のコンテストで高い評価を得る。美容業界誌や一般紙でも活躍中。得意な施術は、自分の癖が好きになる毛先だけパーマ。骨格の悩みを解決する彫刻カット。
インスタグラム:ARhair / 大阪 旭区 関目 美容室

美容師の雰囲気が伝わることがYouTubeの魅力

商材には、なるべく肌に優しいものを使用。

――集客面で力を入れていることはありますか?

最近はYouTubeに力を入れています。現在アカウントには、ピンクシャンプーの紹介、おすすめのまつエク、ショートヘア特集などの動画が並んでおり「ブリーチ×パーマ」や「クセ毛を生かすカット術」など難しい内容を取り上げた動画はとくに好評です。

ちなみに、当初は「ユーチューバーが流行っているからやってみよう!」という軽いノリでそれほど集客を狙っていませんでした。ところが始めてみると思いのほか効果的で、なかには動画を全部観てわざわざ熊本から足を運んでくださる方もいます(笑)。本当にありがたいですね。

――なぜYouTubeは、これほど効果があるのでしょうか?

美容師の雰囲気が伝わるからだと思います。Instagramでは写真でヘアスタイルが伝わっても、声や所作まで届けることはなかなかできません。一方、YouTubeは施術や接客の様子をすべて観せることができます。「動画を観て安心感があったので来ました」という、お声をいただいたこともありましたね。

――先ほど「まつエク」のお話が出ましたが、サロンでは目元のデザインもしているのでしょうか?

そうですね。サロンでは2010年頃から「まつ毛エクステ」を展開しています。また、着付けのサービスもご提供していて、成人式や卒業式、お宮参りのときに人気です。他にも、去年の7月からはクッキーの販売も始めました。現在は、ご注文をくださった方にオンラインと店頭でご提供していますね。

ちなみに2020年以前にもカラーなどの待ち時間にサービス品として手作りお菓子をお出ししていて、とても好評でした。「販売してほしい」とよく言われていたので、サロン移転のタイミングでサロン内にクッキーを焼くスペースを作り、保健所の許可を取って販売に至りました。

「感じ取る」。それが接客の第一歩。

大人気のクッキー!もちろん、衛生管理は完璧です。

――ここからはテーマを変えて、接客で意識していることを教えてください。

常に「感じ取ること」を意識しています。ちょっと昔っぽい答えですけどね(笑)。たとえば、新規のお客さまのカウンセリングのときには「お任せでお願いします」と言われることがよくあります。しかし多くの場合、「本当になんでもよい」と思っているわけではありません。

おそらく、心のなかには「伝えることが大変」や「何てオーダーすればよいか分からない」という気持ちが湧いています。そこで、美容師はその言葉の背後をしっかり掴むことが大切です。そして、二択の質問を投げかけたり、写真を見せて「こんな感じですか?」と訊ねてみたりすると、何かしらの方向性を示してくれます。また初めましてのお客さまには、攻めの提案をすることも重要ですね。

――「攻めの提案」とは、具体的にどのような提案でしょうか?

黒髪おかっぱのお客さまにハイライトをすすめるなど、その方の雰囲気を変える提案です。美容師のなかには派手なスタイルを「攻めの提案」と思っている人がいますが、その考えは少しズレています。

たとえばショートで派手な髪色のお客さまに違う髪色を提案しても、それは派手な雰囲気の方に派手なスタイルをすすめているだけです。もっと根本からガラッと変えてしまう突っ込んだ提案が、大切だと思いますね。

もちろんいつでも攻めの提案をするわけではありません。「いま変わりたい気分だ」と感じ取ったときに、さり気なくすすめることを常に意識しています。この姿勢はリピーターのお客さまへの接客でも同じですね。

変化はチャンス。「いつもの感じていきましょう」は失客のもと

まつエクと着付けを両方オーダーする方が多いとのこと。

――顧客の方の場合は、どのようなポイントから「いま変わりたい気分だ」と感じ取っているのでしょうか?

ずっとダウンを着ていた方がコートを身に付けていたり、アクセサリーなどの飾り付けをしていなかった方がネイルを始めていたりなど、これまでとは違うワンポイントがあるときは「変わりたい」と思っている可能性が高いですね。そこに気が付いたとしても、褒める必要はとくにありません。

ただし「いつもの感じでいきましょうか」で施術を始めるのではなく、少し立ち止まって会話に耳を傾けることが大切です。そして転職や人間関係など、何かしらの変化を感じとったときには「パーマしてみましょうか?」や「カラーしてみませんか?」など、いつもと違うメニューをすすめてみる。このひと言が「これからもずっと、この美容師さんにやってほしい」という気持ちを生むもとです

――確かに自分の変化に気が付いてくれたら、とてもうれしいです。それでは最後に、これからの目標を教えてください。

まずはスタッフの育成が目標ですね。成長をしてサロンが狭くなってきたころには、店舗の展開も考えています。あとはYouTubeのチャンネル登録者数を増やすことと、クッキーの認知度を上げることが直近の目標ですね(笑)。
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長年愛されるサロン作り3POINT

「AR hair」の長年愛されるサロン作りのポイントをまとめると以下の3つでした。

1.YouTubeで定期的に、お役立ち情報を発信

2.クッキーなどの新サービスで、お客さまの楽しみを増やす

3.小さなポイントを観察して「変わりたい」という気持ちをキャッチする

まつ毛、着付け、クッキーは益岡さんの奥さん「saccoさん」が担当しているとのこと。「三刀流で活躍してくれていて頼もしいです」と笑顔で語ってくださいました。業績アップに悩んでいる郊外サロン経営者の方、顧客の獲得で悩んでいる美容師の方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

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Salon Data

AR hair
住所:大阪府大阪市旭区高殿6-14-29
URL:https://www.ar-hair.com/

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