インフルエンサーの影響力とクーポンサイトへの出稿が功を奏し、始動2ヶ月で黒字化を達成 Siran 麻生恵里さん♯1
「若々しく、美しい自分を長く楽しむ」というコンセプトの下、自由が丘で美容サロンを経営するSiranオーナーの麻生恵里さん。麻生さんは、まったく土地勘のなかった自由が丘でのサロン運営にも関わらず、2ヶ月で黒字化を達成。
その成功の理由は、始動直後に、インフルエンサーの方に施術体験してもらったり、反響があると聞いたクーポンサイトへの出稿などで種まきをしたこと。そして、メインメニューであるスロータスマッサージが高リピート率であること。さらに、スポーツジムのトレーナー経験を活かして、施術後にストレッチや日常生活での姿勢や歩き方までトータルアドバイスしていることもファンをつかむ理由のようです。
お話をお伺いしたのは…
Siran
オーナー麻生恵里さん
スポーツジムでトレーナーを経験後、健康・美容両面から美へのアプローチに興味を持ち、エステティック業界へ転身。BESビューティエキスパートスクール卒業後、同じ系列のエステティックサロンに入社。エステティックとカイロプラクティックを融合した施術で身体の根本改善を学ぶ。グループ内全店統括マネージャー歴任後、退社。2019年Siran開業。INFA国際ライセンス、タイ古式マッサージ、スロータス式オイルマッサージ、フェムケア矯正認定講師等資格保有。
質の高いサービスをお得に受けられるクーポンサイトで集客
――サロンオープン以前のご経歴を教えていただけますか?
元々動くことが大好きで、高校時代はバスケ部に所属していました。高校卒業後、好きな運動を仕事にできればと思い、スポーツジムにトレーナーとして勤務。同時に、自分自身のダイエット経験や手足の冷え、生理不順などの悩みを抱えたことで、もっと美容の学びを深めたいと思い、美容業界に転向しました。
美容学校卒業後は、並列のエステティックサロンに勤務し、その後、エステティックとカイロプラクティックの総合美容サロンに転職しました。そのサロンには10年以上勤務し、店長やグループ内全店統括マネージャーなどの管理職を経験させていただきました。当時、母がパーキンソン病を患っていたんですが、現場のトップだったのであまり穴を空けられず、一旦退職。年賀状で退職を伝えたところ、知り合いのサロンにいくつかお声がけいただき、しばらくフリーランスとして活動していました。同じ時期に、新しくサロンを作りたいんだけど?とお誘いを受けました。
――それが、現在のサロンですか?
はい。異業種交流会で、HP制作の仕事をしている中学の同級生と再開し、「美容サロンに特化したいから、モデル店として自社のサロンを持ちたい」と相談を受け、店長としてSiranを始動させることになります。
最初は、同級生の会社の傘下に入る形でスタートしましたが、半年くらいでサロンを買い取ることに。サロンを開くにあたっての第一条件だった「駅近」だったこともあり、オープンして2ヶ月で黒字を出すことができたんです。
――そんなに早く軌道に乗ったのは、駅近の他にも理由があったのでは?
知り合いにヨガのインストラクターの方がいて、その方に施術体験してもらったところ、とても気に入ってくれて、インスタにあげてくださったんですね。そうしたら、ヨガの生徒さんたちも来てくれて、いまだに通ってくださっている方もいらっしゃいます。わたし自身、SNSがあまり得意じゃなかったんですが、やはりSNSの力は大きいですね。
ほかにも種まきをしていて、クーポンサイトへの出稿も成功したと思います。自由が丘に土地勘があったわけではないので、予約の入っていない時間を利用して、評価の高いサロンや興味のあったサロンに客として訪れていました。そのひとつに、元々理容師だった男性が20年以上経営するヘッドスパがありました。その方に、近所にサロンをオープンしたことを伝えると、自由が丘だったらこのクーポンサイトがいいよと教えてくださったんです。いまはなくなってしまいましたが、質の高いサービスをお得に受けられるサイトに出稿したところ好評で、リピート率もアップ。いまでも通ってくださっているお客様もいらっしゃいます。
――初動がすばらしいですね。ところで、サロンのコンセプトにはどういった思いがこめられているのですか?
前に勤めていたサロン時代から、年齢層の高いお客様を担当することが多かったんです。皆さん「もう歳だから」と笑っておっしゃるんですけど、やっぱりいろいろと気にされている方がとても多くて。若いときの楽しみ方もあるけれど、年齢を重ねてからの楽しみ方もあると思うんです。あきらめることが多くなることをやめたい。素敵に年齢を重ねて、いつまでも女性であることを楽しんでほしいという思いで、「若々しく美しい自分を長く楽しむ」というコンセプトを掲げています。寝たきりで10年プラスするのではなく、健康寿命を延ばすことをお手伝いしたいんです。
7~8割がリピートするメインメニュー「スロータスマッサージ」
――メインメニューのスロータスマッサージとはどんな施術なのでしょうか?
まさに、「若々しく美しい自分を長く楽しむ」というコンセプトを実現させるための施術です。スロータスとは、サンスクリット語で、リンパ管や尿道など体の老廃物をスムーズに排出させる経路のこと。体質や体調に合わせた白ゴマ油ベースのオイルでマッサージすることで、毒素を体外に排出させ、体本来の機能を呼び戻します。
スロータスマッサージは、鍼灸師の大山祥子先生という方が、日本人女性のためにオイルを調合し、ヨーロッパのマッサージの手技を取り入れた、日本人女性のためのオリジナルアーユルヴェーダです。
以前、スリランカで受けた本場のアーユルヴェーダは、まさにカレーを浴びているような感じ(笑)。オイルもかなり重たいので、これを日本に持ってきても受け入れられないだろうなと感じました。大山先生のスロータスマッサージは、ハーブそのものではなく同じ働きをするアロマオイルがブレンドされているので、日本人女性にも好評です。
――スロータスマッサージは、どんなお悩みにおすすめなのでしょうか?
免疫力が上がるので、花粉症や肌荒れなどのアレルギー症状が軽くなったという方がとても多いです。ほかにも、風邪をひかなくなった、生理痛が軽くなったという方も。わたし自身、間違ったダイエットをしていた時代は、薬を飲んでも鼻水が止まらなかったんですが、いまは花粉の薬をほとんど飲まなくなりました。それから、体温がいつも35度台で、ゲルマニウム温浴で手を温めてからでないと施術できないほどの冷え性が、スロータスマッサージで体質改善できたんです。
――スロータスマッサージのリピート率はいかがですか?
7~8割の方はリピートしてくださいます。前のサロンでは、スロータスを導入したところ、それまでのメニューをやめてまでこれを選ばれる方が増えたんです。最初は、代謝を上げていただくために週一で通っていただき、その後は月一回でメンテナンス。不思議なことに、またスロータスを受けたいと体が感じ始めるので、そのサインをぜひ見逃さないでほしいとお客様にもお伝えしています。花粉が辛い方は、シーズン前に集中して来られる方もいらっしゃいます。
――スポーツジムでの経験を施術にも活かされていますか?
お体に触れたときに左右差を感じたら、「左側を意識してストレッチしてみてください」などアドバイスをさせていただきます。その他、姿勢や歩き方など日常生活の中でできる運動機能の高め方などもトータルで提案させていただくこともあります。
後編では、いま再注目されているハーブピーリングと、フェムケア矯正をメニュー化したことでのメリットについてお伺いします。
麻生さんがオープン2ヶ月で黒字化経営できた理由は
1.インフルエンサーの影響力とクーポンサイトへの出稿
2.メインメニューのスロータスマッサージで7~8割のリピート獲得
3.スポーツジムのトレーナー経験を活かしてトータルアドバイス
取材・文/永瀬紀子