同期との差に落ち込んだことも。技術練習をひたすらに重ね壁を乗り越える「REDEAL SHIBUYA」りねさん
2020年に美容師の中村雄樹さんが大宮で開業した「REDEAL」。2023年には渋谷に大型店舗をオープンし、次々と売上100万円を超える美容師を生み出しています。そんな「REDEAL」に2023年、新卒採用で入社したのがりねさんです。
美容専門学校時代、「REDEAL」のスタッフと話す機会があり、その熱意や向上心の高さに惹かれ、応募を決めたというりねさん。入社後は先輩が熱心に技術指導をしてくれたことで、すぐに現場での経験を積むことができたそうです。
そんなりねさんですが、技術面では同期との圧倒的な差に悩んだことも。徹底的に練習を重ねることで、その壁を乗り越えられたといいます。
今回、お話を伺ったのは…
りねさん
「REDEAL SHIBUYA」アシスタント
美容専門学校卒業後の2023年4月、大宮の「REDEAL」に入社。2023年9月より、ニューオープンした「REDEAL SHIBUYA」に異動。入社後すぐに始めたTikTokは3ヶ月で1万人フォロワーを超え、現在は約1.4万人。全頭ブリーチやデザインカラーを得意とする。
高い向上心を持つスタッフに惹かれ、応募を決意
――「REDEAL」に入社したきっかけを教えてください。
私と代表の中村が同じ美容専門学校を出ていて、私が在学中に特別講師として講演にきたことがあったんです。そのときにスタッフの方も一緒に来ていて、いろいろと話を聞くなかで、就職するならここしかないと思いました。
――どういった理由からですか?
美容師になるなら常に上を目指して、がんばりたい気持ちがあったからです。実習でほかのサロンに行ったこともありましたが、これまでに行ったどのサロンと比べても「REDEAL」のスタッフの方は熱意があって、ここで切磋琢磨しながら成長したいと思いました。
――「REDEAL」はそれぞれのスタイリストの方が特定の技術に特化している特化型サロンですよね。就職先としてその点についてはどう感じましたか?
美容専門学校の先生からは、オールマイティにできたほうがいいと言われたのですが、オールマイティに技術に取り組んだとしても、サロンやスタイリストの色というのは出てくると思ったので、そこまで気にならなかったです。それよりもスタッフのみなさんの向上心の高さと、サロンの雰囲気が何より魅力だったので、応募することに迷いはありませんでした。
――採用試験はどんな内容でしたか?
書類審査のあとに、面接、サロンワーク試験に進む形でした。
――試験は順調だったのでしょうか?
面接は失敗したと思いました。私のほかにもうひとり受けている人がいたのですが、私が話すのがあまり得意ではなくて、もうひとりの方は話すのがとても上手だったんですね。しかもアルバイト経験の話になったときに、私は派遣業しかやったことがなく接客の経験があまりなかったのに対して、相手は接客業の経験があり、そこで得たことを流暢に話されていて。これはまずい、と思いました(笑)。
ただサロンワーク試験のときに、私は言われたことや気付いたことをすべてメモにとっていたことで、その姿勢を評価してくださって受かることができたんです。
夜遅くまで先輩全員が残っての技術指導。入社2日目からシャンプーを担当
――入社後、仕事はどのようにスタートしましたか?
シャンプーの練習からスタートするのですが、「REDEAL」の特徴として、お客さまを任せてもらうのがすごく早いので、入社から2日目くらいでお客さまのシャンプーを担当させてもらっていました。
――2日で!すごい早さですね。どのようにしてそれが可能になっているのですか?
先輩方全員が夜遅くまで残って、新卒のシャンプーを見て指導をしてくださり、ある程度のラインにきたら、お客さまに入れるという形でした。ほかのサロンだと、チェックのタイミングが週1回などある程度決まっていて、チェックを通らないとお客さまに入れないことも多いと聞くのですが、うちのサロンの場合は早く現場に立って活躍できるように、毎日でも先輩が技術練習につきあってくれてチェックや指導をしてくれます。
そのような仕組みなので、うちのサロンはスタイリストデビューも早くて、最短で1年でデビューした先輩もいます。
――そんなに早いということは、カリキュラムにも何か秘密があるのでしょうか?
「REDEAL」ではカラーに力を入れているので、カリキュラムはカラーが中心で、バレイヤージュなど全員で取り組むものもありますが、それが終われば、自分が伸ばしたい技術に特化することができるので、効率的に技術習得ができるのかもしれません。
また早くスタイリストデビューをしても、特化した技術をSNSで発信することで、集客にも困らない仕組みになっているんです。代表の中村はレイヤーカット、大宮のオーナーである金子は白髪のある方にバレイヤージュを行う「白髪手術」など、それぞれのスタイリストが強みを作っていて、それをSNSに投稿することで集客につなげています。
ただカリキュラムを終えれば全員スタイリストになれるわけではなく、技術以外に人間性、SNSのバズの3つが揃っていて、中村を含めた幹部メンバーがデビューして問題ないと判断したら、初めてデビューできる仕組みになっています。
カラーを塗る速さの圧倒的な差に悩んだ日々
――入社したばかりのころ、苦労をしたことはありますか?
接客の面では、最初はお客さまと何を話していいのか分からず会話に苦労をしました。とくに最初にアシスタントとして付かせていただいたのが、当時大宮店の店長だった金子で、白髪のお客さまへのバレイヤージュに特化していたので、お客さまの年齢層が割と高めだったんです。緊張もあって、どのように話していいのか分かりませんでした。
――それはどのように乗り越えましたか?
お客さまと接する機会が増えると共通の話題もできてきて、自然と会話を楽しめるようになりました。お客さまがみなさんとてもいい方ばかりで、だんだんと緊張がほどけていったこともあったと思います。
――技術面で大変だったことは?
私は不器用なので、入社したばかりのころはカラーを塗るのがとても遅くて悩みました。ときには先輩に「いつまで塗っているの」と言われることもあるくらいで。同期が8人いたのですが、そのなかに学生時代からカラーの経験を積んでいた同期がいたんです。その同期がすごく早く塗れるのでカラーに入って、私はシャンプーを任せられたりすることもあり、すごく悔しい思いをしました。
――そのときは、どのようにして乗り越えましたか?
毎日ひたすらに練習をし、スピードがだんだんと身についていきました。なんでもそうだと思うのですが、コツがつかめるようになると、技術を早めたり高めたりすることができるんだと思うんです。私の場合は、そのコツをつかむのが遅いんですね。技術の悩みに関しては、うまくなるまで徹底的に取り組むしかないんだと思います。
りねさんが充実した新人時代を過ごせた3つのポイント
1.向上心の高いスタッフが多く在籍するサロンを選び、技術を磨いた
2.先輩からの手厚いフォローにより、入社すぐから現場で活躍できた
3.技術面で足りないところがあったときは、徹底的に練習に取り組んだ
後編ではTikTokフォロワー数が1.4万人を超えているというりねさんに、どのようにしてSNS運用を行ってきたかを伺います。フォロワーはファンになり、りねさんがとくに呼びかけたりしなくても毎日のようにカラーモデルとして来店してくれているそうです。SNS運用に大切なのは初期の毎日投稿と、美容師としてのブランディングを決めることだとりねさんはいいます。後編もお楽しみに!