採用試験は自分を知ってもらう場。良さも悪さも知ったうえでのアピールが大切「terrace」畑野有愛さん

銀座にある髪のケアに特化したサロン「terrace」。2023年に入社し、現在スタイリストを務めているのが、畑野有愛さんです。前編では、「terrace」を選んだ理由や就活期間中に悩んだことなどを伺いました。同級生が応募先を決めていくなかで焦りと不安を覚えても、入社後にギャップを感じないために妥協はしなかったといいます。

後編では、畑野さんが就活を通して感じたことや学生時代にやっておくべきことについてお聞きします。マナーに厳しい学校に通っていたという畑野さん。鍛えられた挨拶や言葉遣いが就活だけでなく入社後にも活きたと感じているそうです。

今回、お話を伺ったのは…
「terrace」スタイリスト
畑野有愛さん

東京都出身。小さいころから美容師だった母親にカットやカラーをしてもらい、その姿に憧れて美容職を目指すようになる。東京文化専門学校を卒業後、2023年に「terrace」に入社。現在入社2年目。透明感や艶のあるカラーを得意とし、お客さまの髪質を考えつつ理想を叶えられるよう日々励んでいる。

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働いている姿を想像させるためにファッションを研究

友人からの印象を参考にして作ったという畑野さんの自己PR文

――面接試験で意識していたことは何ですか。

笑顔で答えることですね。コロナ禍だったのでマスクで試験をすると思っていたんですが、当日にクリアマスクを渡されました。表情が見えるものを指定してきたということは、回答や姿勢のほか、表情も重要視しているのだと思ったんです。あとは服装も意識しました

――服装ですか?

はい、サロンの雰囲気に合った服を買ったんです。「terrace」は銀座のサロンなので、水色のシャツと黒のロングスカートで綺麗にまとめました。サロンの雰囲気に合った服装をしていけば、働いている姿が想像しやすくて採用もされやすいと思ったんです。当時の私は美容に興味があってもファッションはうとくて、試験前はTシャツなどのラフな服しか持っていませんでした。そこでサロン見学やSNSでスタッフの服装を見て、雰囲気に合った服を研究しました。

――研究熱心ですね。アピールのために用意したことはありますか。

作品撮りをしてSNSに投稿しました。もともとは何を用意したらいいのかわからなくて、スタッフに聞いたら「作品をSNSにあげておいたほうがいい」と言われたんです。採用担当はSNSを見ていて、そこで応募者の雰囲気を見ているらしくて。だから、友人と作品撮りを3回くらいして、SNSに投稿したんです。

――なるほど。

あと自己PRのために友人に自分の印象を聞くようにしました。自分のことは、意外とわかりにくいと思うので、人から見た自分の話を聞くことでようやく自分を知れると考えたんです。インスタグラムの質問箱の機能をつかって、「私の印象を教えてください」と友人にお願いし、その答えをもとに自己PRの答えを考えましたね。

マナーを身につけておくと居心地よく働ける

美容院に行ったことが少なかったため入社当初は流れの把握に悩んだという

――採用が決まった時の心境はどうでしたか。

とにかく嬉しかったです。特にサロン選びのときから感じていた不安と焦りがなくなったことが嬉しくて、涙が出るくらいでした。たしか学校で合格を知ったのですが、すぐに家族や友人、バイト先の店長にもLINEをしました。応援してくれた人みんなに感謝の意味も込めて知ってほしかったんです。

――入社後に、学生のうちに学んでおいてよかったと感じたことは?

マナーとコミュニケーションのとり方ですね。学校が言葉づかいなど人との接し方に厳しくって。人の話を聞く時は必ず相づちをうつ、教えてもらったことはメモするなど色々教わりました。

これが入社後のアカデミー講師や先輩スタッフとの関係づくりに生きているんです。技術など教わるときは必ずメモをとったり、言葉にリアクションしたりしています。先輩スタッフにも「反応いいね」と褒めてもらったりして、居心地よく働けているんです。

――では反対に、学んでおけばよかったと思うことは何ですか。

もっと日頃からサロンに行っておけばよかったと思います。母にカットしてもらっていたので、就活を始めるまで美容院に行ったことがあまりなかったんです。なので、サロンが入客から退店までお客さまをどういう流れで対応しているのかを全然知りませんでした。クロスをつけたりはずしたりするタイミングも怪しかったです。だからもっといろんなサロンに行って接客を見ておけば、もっとレベルの高いことに時間を費やして今よりも成長できていたんじゃないかと思っています。

最初でイメージは決まるからこそ態度は慎重に

初対面のお客さまに会うことが多い美容師は特に、笑顔や細かい気遣いなど態度を大切にしたほうがいいと話す畑野さん

――実際に入社してみてギャップは感じましたか?

感じませんでした。実際入社するまでは不安も多かったのですが、スタッフみんなが本当に優しいんです。例えば、わからないことがあって困っているときは、こちらから何も言わなくても声をかけてくれて相談にのってくれます。こんな居心地のいいサロンがあるんだと驚くくらいです。サロン見学のときの直感を信じてよかったと思っています。

――畑野さんが就活を通して学んだことは、どんなことですか。

表情や態度ひとつで印象は良くも悪くもなることです。普段からいっしょにいる家族や友人は、ある程度付き合いがあるので、1度嫌な態度をとったとしても許してくれることが多いと思うんです。でも面接官などはじめて会う人は、「この人は嫌な態度をとる人なんだ」と認識されてしまいますよね。だから人と接するときは学生時代に身につけたマナーを心がけようと改めて思いました。これから新規のお客さまと接する機会も増えると思うので、笑顔や細かい気遣いは特に大切にしていきたいです。

――最後にこれから美容師になりたい方へのアドバイスをお願いします。

面接は自分を知ってもらう場です。自分の良さだけでなく悪さも知っていないと答えられないことがあると思うので、自己分析はしておいたほうがいいかもしれません。

あと採用側も応募側も立場は平等だと考えておいてほしいです。自分は選ばれる側でもあり、選ぶ側でもある、このサロンは違うと思ったら別のサロンを受ければいい。そんなマインドでいたほうがリラックスして就活ができると思います。


畑野さんが採用試験を突破できた3つのポイント

1.美容師は接客業。お客さまを対応するように表情を大切に試験に挑んだ

2.働く姿を想像させるためにサロンに合った服を研究した

3.人からみた自分を理解したうえで自己PRをした

ライフステージを考えてサロンを探したり、サロンの雰囲気にあった服装を研究したりするなど、自らが歩む未来を考えたうえで熱意を持って行動できる畑野さん。取材をするなかで、目標を達成するためには計画性が必要なのだと感じました。これから美容師を目指す人、就活を控えている人は参考にしてみてくださいね。

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Salon Data

terrace
住所:東京都中央区銀座3-4-6 正隆銀座ビル 3F
電話:03-5250-2801
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