先輩やお客様からの指摘は技術を磨くチャンス。前向きな姿勢で自己成長を続ける 「One WORLD」山本葵さん
各国の大使館やインターナショナルスクールが数多く集まる東京の麻布十番・広尾。その街に店舗を構える「One WORLD」は、世界77カ国からお客様が訪れる人気サロンとなっています。そこで活躍中なのが、スタイリストの山本葵さんです。
山本さんは高校時代に短期留学を経験するなど、海外に興味があったのだそう。美容専門学校時代にインターナショナルな環境を軸にサロンを探しているときに、先生の紹介で「One WORLD」を知り、採用試験を受けました。
前編では、山本さんが美容師を志した理由や、新人時代に最初にぶつかった壁についてお話を伺いました。
今回、お話を伺ったのは…
「One WORLD」スタイリスト
山本葵さん
新卒で「One WORLD」に入社し、今年で6年目。スタイリストとして2023年12月にデビューを果たす。スタイリストの他にも、スパニスト・広報担当として活躍中。ぱつっとしたラインのあるボブカットや軽さのあるロングレイヤーカット、ハイライトで作るブロンドやバレイヤージュカラーなどの施術を得意とする。
ヘアアレンジに興味を持ち、美容師の道へ
――山本さんが美容師を目指したきっかけを教えてください。
幼少期から習っていたダンスがきっかけで、美容師を目指し始めました。
ダンスを習っていると練習や大会などでヘアアレンジをしてもらう機会が多くなります。特別な日を華やかにしてくれるヘアアレンジに興味を持ち、「自分もアレンジをやってみたい」という思いから美容師を志し始めました。学生時代には、文化祭や体育祭などで友人のヘアアレンジをすることもありましたね。
――専門学生時代はどんなことを努力していましたか。
美容師免許を取得するための勉強がメインでしたので、試験に合格できるよう努力を重ねてきました。私はワインディングが得意ではなかったので、友人とともに練習に励んで克服しましたね。
また卒業制作の際には、自分でコンセプトを決めてヘアメイクだけではなく、衣装を作ることにもチャレンジしました。幅広くさまざまな知識が必要で大変でしたが、今となってはよい思い出です。
インターナショナルな環境を軸に就職先を探した学生時代
――就職活動では何を軸にサロンを探していましたか。
ダンスを習っていた影響で洋楽を聞くのが好きだったこと、高校時代には海外に短期留学するなど海外の文化や生活にも興味があったことから、国際的に活躍できる美容師を目指して就職活動をしていました。そのころから「海外での活躍や語学のサポート制度があるサロンがいいな」と、漠然とした軸は持っていたように思います。
また就職先を選ぶときには、自分とマッチしているかもとても大事だと思っていたので、実際にサロンへ足を運ぶことを意識していました。
――「One WORLD」さんとはどのように出会ったのですか?
「One WORLD」の上司の副担任だった方が、たまたま私の担任の先生だった縁で紹介してもらい出会いました。海外志望だった私に、担任の先生が「インターナショナルなサロンで新卒採用をやっているみたいだよ」と声を掛けてくださって、採用試験を受けたという経緯があります。
――採用試験を受けるための準備はどんなことをしましたか?
「One WORLD」の麻布十番店に足を運んで、サロン見学をさせてもらいました。
海外からいらっしゃったと思われるお客様とスタッフが、英語で和気あいあいと話をしている様子を見て「やわらかい雰囲気が素敵だな」と思い志望度が高まりました。
また私の年の近い先輩が数人在籍していることも知り、安心感もありましたね。
サロンで雰囲気を感じてから、志望動機など面接でお話したいことを固めていきました。海外志向であること、どんな努力をしたかなども面接官の方に伝えられるようにしっかりと準備を重ねた覚えがあります。
お客様からの指摘は改善のチャンス
――採用試験の内容は覚えていらっしゃいますか?
当時は面接をしていただいて、同日にサロンでアシスタントの仕事を体験し、もう一度最後に少しお話をするという流れでした。
とにかく緊張していたこともあり、面接の内容は詳しく覚えていません(笑)。ただ「サロンの雰囲気をつかんでほしい」と言っていただいたことは覚えています。実際、「One WORLD」のいいところをたくさん見つけることができるよい時間になりました。
――入社された後はどんなお仕事からスタートされましたか?
入社後は、シャンプーやカラー剤の準備など、アシスタントとして必要な技術を学びました。
最初は右も左もわからない状態からのスタートでしたが、習得すべき技術のチェック項目が設けられており、それをクリアしたらデビューという流れなので、安心して実務に入ることができたと思います。年齢の近い新卒の先輩も2名在籍していたので、わからないところなどをすぐに相談できる環境だったのはとてもありがたかったですね。
――アシスタントとしてお仕事をされていくなかで、苦戦したことはありますか?
あるとき、自分では丁寧にやったつもりのシャンプーに対して、「もう少し丁寧にやってほしかった」とお客様からご指摘をいただいたことがありました。新人で経験が浅かったこともあり、当時はとても落ち込んでしまった思い出があります。
ご指摘があることについて深く反省しますが、なるべく前向きに「改善ができるチャンス」と捉えるように心がけてきました。
お客様から何もご指摘いただけないままであることは、失客につながってしまうと考えています。もちろん指摘なく満足いただくことが一番ですが、万が一指摘を受けた場合は、真摯に受け止めて、改善することを意識しています。
――山本さんは2023年の12月にスタイリストデビューされています。デビューまでの研修の流れを教えてください。
まずはシャンプーやマッサージ、ブローなどのアシスタントとして必要な技術を習得し、その後、デビューに向けて必要なカットやカラー、パーマなどの技術を習得するカリキュラムがあります。月に2回ほどテストのチャンスがあるので、課題をクリアできるよう練習を重ねました。
アシスタントとしてスタイリストのサポートに入るときも、先輩から「こういった髪質の方は、こんな部分に気をつけよう」と、手厚いアドバイスをもらえました。技術についてひとつずつ丁寧に教えていただけたことは、とてもありがたかったですね。
詰め込み型というよりはメリハリを付けて練習する方が多く、時にはリフレッシュをしながら、時間をかけて着実に技術を習得できました。
山本さんが大切にした就職活動期と新人時代の3つの心構え
1. 志望するサロンの軸を明らかにして就職活動を進めた
2.自分の努力したことなどを面接で話せるよう準備した
3. お客様や先輩からの指摘は「改善のチャンス」と前向きに捉えた
後編では、新人時代を経て山本さんが大切にしている考えについて詳しく伺います。山本さんは年次を重ねるにつれて、自分の技術向上だけではなく後輩の指導や成長、お店全体にも意識が向き始めたといいます。後編もお楽しみに!