美容の専門技術だけでなく幅広い知識を学べる 山野美容芸術短期大学
東京都八王子市にあり日本で初の美容を専門とする短大である、山野美容芸術短期大学。美容業界を長年けん引してきた山野ブランドの精神を受け継ぎつつ、新たな時代に合わせ革新を行っています。多くの卒業生を輩出し信頼を勝ち得てきた学校の秘密に迫ります。
次にお話を伺ったのは美容デザイン専攻2年生の荒木理沙さん。美容技術について総合的に学び美容師国家資格の取得を目指すコースです。
福祉系の資格取得もできるということが入学の決め手
――この学校に通われることになったきっかけはなんでしょうか?
「私は美容師になりたいと思っていたので、第一条件は美容師の国家資格を取れる学校でした。あとは留学生がとても多く国際交流が盛んだったり、福祉などの幅広い取り組みを行っているのが魅力でこの学校に決めました。福祉の介護職員初任者研修や福祉美容師という形で福祉に関わる資格が取れるというのも大きかったです。高齢者や介護を必要とされている方を訪問して美容が行える資格なんですけど、入学したときに福祉の道に進むかどうかはわかりませんでしたが、将来の選択肢を広げられるというのは魅力的でした」
――好きな授業はありますか?
「いま選択授業で取っている『フォトテクニック』というのがあるんですが、それが好きですね。実際現場で働いているプロのカメラマンさんに、カメラの使い方を教えてもらえるんです。いま、SNSなどの流行で美容作品を作ったらどのようして写真を撮るかという技術がとても重要だと思うので、それをプロの方から学べるのはとても貴重な経験だと思っています」
――同級生や先生方など、この学校にはどんな人がいると思いますか?
「同級生たちはみんなとても個性的ですね。個性的といってもすごく派手な子が多いという意味ではなくて、みんなそれぞれちゃんと自分を持っているという感じなんです。うちの学年は4クラスあるんですけど、2年間同じクラスなので連帯感が強いと思います。先生は、厳しいときは厳しくちゃんとけじめをつけている方が多いですけど、普段はとても距離が近くて、いろいろな話を聞くことができます」
――学校生活のなかでとくに印象的なことはどんなことですか?
「ボランティア活動でしょうか。学校のイベントで、着物の着付けやヘアメイクをやったり、福祉施設でのヘアメイクなどを行いました。学校以外の場所でいろんな人に出会って、ヘアメイクをさせてもらったことは貴重な体験でした。あとはアメリカの美容室でインターンシップをさせてもらったことですね。私は海外に興味があるので、この体験を通して海外で働きたいと思いました。学校以外の場所でもさまざまな経験をつむことで、自分がやりたいことの方向性が整っていくのがこの学校の魅力ですね」
次にお話を伺ったのはエステティック専攻2年生の小暮玲子さん。エステの技術のみならず生体学、生理学、栄養学なども学び、内面からもお客さまを美しくする知識と技術を身につけ、認定エステティシャン資格の取得を目指すコースです。
お客さまに気軽に相談してもらえるようなエステティシャンに
――エステティシャンを目指そうと思われたきっかけはなんだったんですか?
「小さいときから母のことをマッサージしてあげる機会があって、そのときに母から『エステの道に進んでみたら?』と言われたことがきっかけですね。エステ系の学校のなかでここを選んだ決め手は、ここが短大だったことです。エステに興味はあったんですけど、エステ一筋でいくのは少し不安ということもあって、別の将来も考えておかないといけないかなと思ってたんです。それでオープンキャンパスに行ったときに、エステティック専攻の先生が、『エステティック専攻だからといって全員がエステティシャンになるわけではなくて、美容部員になる人や編入制度を使って4年制大学に編入する人もいるよ』と言われて、それを聞いたときにこの学校に魅力を感じました」
――どんな授業があるんでしょうか?
「生体学や栄養学などの座学も結構多いんですけど、美容に関するいろいろな知識を学ぶことができて好きですね。あとはエステの実習も面白いです。1年生のときに基礎を学び、2年生になると先生が持っている技術を学ぶ形になるんですけど、実際プロとして活躍されている先生の技を教えてもらえるのですごく刺激になります。他にも知性や接客、ホスピタリティもエステティシャンには重要な要素なので、そういう授業も充実しています。ボランティアでオープンキャンパスにスタッフとして参加し、学生さんの親御さんと話しをすることで、接客とかホスピタリティを実践的に学ぶこともあります」
――学校のお友達とのエピソードで印象的なものはありますか?
「全国の美容系の学生が技術を競うスチューデントコンテストがあって、選抜に選んでいただいたんですが、夏休み中にも関わらず友達や先生が練習に付き合ってくれたのは本当にありがたかったですね。エステはひとりでは練習できないので、そういう意味では絆が強くなると思います」
――2年生ということですが、卒業後の進路や目指していることについて教えていただけますか?
「エステティック専攻は就職が早く決まることが多くて、私も2年生の4月に某エステティックサロンから内定をいただいています。6月現在で多分90%くらいの人が内定をもらっていると思いますね。エステティシャンはお客様さまとの距離が近い仕事になるので、なんでも気軽に相談していただけるようなホスピタリティ能力の高いエステティシャンになりたいと思っています」
専門度の高い美容デザイン専攻、エステティック専攻でも技術取得だけではなく、知識、接客など総合的な力を養うことができるそうです。
後編では、山野美容芸術短期大学が目指すところへの取り組みについて教授からお話を伺います。