冷静な判断で対処を!救急車を呼ぶべきか正しい選択とは? #3
いざという緊急事態のとき、すぐに救急車を呼ぶべきなのですが、その事態が本当に緊急事態なのか判断に困ることがありますよね。大人として、救急車と上手な接し方をして暮らしていかなければなりません。ここに総務省消防庁が作成した「ためらわずに救急車を呼んでほしい症状」のリストがあります。そこで、知っておきたい救急車のあれこれについて説明します。ここでは、正しい利用法について。
どのようなときに救急車を呼ぶべきか
「ためらわずに救急車を呼んでほしい症状」のリストには、脳卒中や心筋梗塞、急性腹症や窒息、アナフィラキシーショックなどを起こしたときの症状が列挙されています。しかし、そのような緊急事態において、ほとんどの人たちは救急車を呼ばなければならないと判断するはずです。
それならば同僚が「高熱」という場合はどうなのでしょうか。
救急車に求められているのは緊急性
緊急性を要するときに救急車を呼ぶ判断をしなければなりません。意識がないときやけいれんが止まらないときにも救急車はすぐに呼ぶ必要があります。水に溺れた、高い場所から転落したなどの外傷においても迷うことなく救急車は呼ぶべきでしょう。
そこにあるのは、もちろん緊急性です。脳梗塞や心筋梗塞、更に激しい頭痛や歩行困難、呼吸の困難や胸の激痛、吐血や下血などの症状が、救急車を呼ぶ対象となります。
果たして、高熱で救急車は呼んでいいものか……?
同僚がうんうんと高熱でうなっている。そのようなとき救急車を呼んでいいか判断をとても迷うことになります。目安として以下のような症状があれば、救急車を呼ぶようにしたいものです。
- 熱が39~40度以上もある。
- 発症してから長時間経つけれど症状が収まる気配がない。
- めまい・手足のしびれがある。
- 感染症や重度の食中毒になっている可能性がある。
そのようなときそのまま放置をしておけばもっと症状はひどくなる可能性があるので注意しましょう。
陣痛で救急車を呼んでもいいのか 熱中症はの場合は…?
女性も社会進出をする時代であり、同僚が突然陣痛という場合もあり、そのときもふと救急車を……と頭にはよぎるのかもしれません。
ただし基本的には、陣痛であろうが、破水であろうが、救急車は使用しません。多量の出血が伴っている場合はこの通りではありません。出産予定などの産院へ連絡をして、病院の指示で、必要な場合のみ救急車を呼ぶようにしたいものです。
ただし動けないほどの痛みがある場合には、救急車を呼んで問題はありません。更にもう既に赤ちゃんの頭が出てきている……場合などもOKです。
熱中症も現代人が注意をしなければならない病いです。熱中症は、部屋の中でも起こる可能性があります。 熱中症の症状は、4つに分類され、「熱射病」、「熱痙攣(ねつけいれん)」、「熱失神」、「熱疲労」とあり、特に命に危険があり注意しなければならないのは熱射病です。
熱疲労が進み、体温が異常に高くなり中枢機能に異常をきたした状態であり、40℃以上の高温や意識障害、更に反応がにぶくなり、言動が不自然、そしてふらつく症状があります。そのときは応急処置をしながら、救急車を呼ぶ必要があります。
救急事態に同僚が付き添う必要がある?
会社で救急車を呼ぶときには、家族に対して求められる救急搬送の付き添いを行うことができません。したがって、病院においての聞き取り調査、家族への連絡や連絡先を確認するために、同僚の方が1名かそれ以上付き添いとして救急車に乗るように救急隊員に求められることでしょう。緊急事態なのでこのときは救急隊員の指示に従うようにしましょう。
まず緊急事態においてしなければならないのは救急車の出動依頼です。それを終えたとき、親族や家族など近い方への連絡をすることも考えるようにしてください。症状が軽度であればいいですが、軽度の保証など何もなく、最悪手術になってしまうかもしれません。 できるだけ同じタイミングでということを意識したいものです。
なぜ救急車で運ばれることになってしまったのか、症状を追求すれば元々持っている持病が原因であることと、業務が原因という2つの理由を考えることができます。業務が原因という場合は、労災認定の対象となる可能性が高いので、軽度と診断されたとしても、必ず救急搬送先で医師の診断を受けて、その症状が果たして労災なのかどうかを確認するようにしましょう。労災認定の手続きなどが別途必要となり、救急車による救急搬送を受けるのが大事となります。
いかがでしょうか。救急車を安易に利用する人たちのことが問題にもなっている訳ですが、早急に救急車を呼ばなければならない事態ももちろんあります。会社の時間において同僚の命を救うのは家族ではなく、同僚のあなたなのです。
文/sapuri