講習経験は400回以上!美容メーカーから転職したオーナー! 『Speciality Hairsalon asso』
池尻大橋の地で今年8周年を迎えた『Speciality Hairsalon asso』。オーナーの北原直樹さんは、美容メーカーでインストラクター業やアドバイザー業を5年間務め、薬剤や髪に関する圧倒的な知識を持ち、お客さまから絶大な信頼を集めています。なぜ美容メーカーへの転職を経て、サロンの開業に至ったのか。前編では経歴やサロンのコンセプトについて伺いました。
知識を得て自分を高めるため美容メーカーに転職
――このサロンをオープンさせたきっかけを教えてください。
「僕の経歴はちょっと特殊だと思うんですが、このサロンを作る直前まで美容室の商材を扱うメーカーに勤務していたんです。その美容メーカーに教育部という部署があり、入社したばかりの時はスタジオ講習の講師担当をしていました。それ以前は20歳くらいから美容室で働いていましたが、先輩に『なんでこのカラー剤をチョイスしたんですか?』と聞いても自分が未熟だったこともあると思いますが、先輩方は感覚で仕事をしていることが多く、うまく理解をすることができませんでした。そんな折に美容メーカーの方が来て、すごく具体的に答えてくれて。美容メーカーの仕事に就きたいと思い、25歳の時に転職しました。その後は月・火曜日がスタジオ講習で、それ以外の時間は全国のサロンに直接伺い、臨店講習をしていました」
――美容メーカー勤務からまた美容師に戻った理由は?
「美容メーカーで働いている時、美容師として働いていたらまずお会いできない、雲の上のような存在の先生方にもお会いすることができ、お話する機会に恵まれました。美容メーカーに勤務してさまざまな知識を得ることができたら、もう一度勝負をかけてみてはどうかと助言をいただいて、30歳になる直前にお店を作ろうと思ったんです。このサロンは2010年4月にオープンして、ちょうど8周年を迎えたところです」
――美容メーカー勤務を経て、いつかは美容師に戻ろうと考えていたんですか?
「いえ、まったく。一度は美容師のキャリアは捨てる覚悟で転職をしました。でも美容師に戻った大きな理由としては、やっぱり僕は人を育てることが好きなんですよね。このサロンでずっと一緒に働いていたスタイリストが2016年に実家の都合で辞めることになり、その後は僕がひとりでこのお店を続けていたんですが、そのような状況でも常に考えていたのは、スタッフが入ってきた時にどんな教育をするかということでした。それまでの6年間を踏まえたうえでどういう教育をしていけばいいか、どうやったらそのスタッフの人生が楽しくなるか、長く続けられるのか。美容師が辞める理由は、一般的にメンタルや体の不調、待遇に対する不満が多いんですよね。待遇に関しては業界全体で改善されつつあると思うのでそこはいいと思うんですが、メンタルや体の不調をいかに起こさせないかということは常に考えています」
時間をかけて丁寧に“真っ当な仕事”を
――このサロンに込めた思いは?
「真っ当な仕事をしたいという思いがありましたね。以前働いていたお店のなかには、人気がありとても忙しいところもありました。美容室ってお客さまにとっては2ヵ月に1度くらい訪れる場所なわけですよね。早いことは悪くはないと思うのですが、カウンセリングや施術を手早く済ますことが美徳ということにモヤモヤしていて。なので自分のお店ではやめようと。回転率が低くて売上が上がらず、まずいと思ったこともありますし、今でも利益が潤沢にあるとは言えませんけど、時間をかけて丁寧にやることがこのお店のよさだと思っています」
――このお店のコンセプトを教えてください。
「『あなたの髪を本気で考える“唯一”のサロン』をコンセプトにしています。普段使いも特別なケアもできる行きつけのお店でありたいと考えました。髪の毛を傷ませている要因には美容師が大きく関わっていると思います。カラーをしてもパーマをしても、髪は傷みます。このサロンでは僕がメーカーで培った知識をもとに、いかにお客さまの髪を傷ませないかを考えているんです。だからうちのお店は材料費がめちゃくちゃ高いんですけど(笑)。池尻大橋に出店した理由も、家の近くで普段使いできるサロンということを目指していました」
後編では、北原さんがずっと考えてきたという人材育成や待遇について詳しくお聞きします。
Salon Data
Speciality Hairsalon asso
住所:東京都世田谷区池尻3-19-1 ioビル8F
TEL:03-3795-3080
http://www.asso2010.com/
美容師としていかに楽しく長く働き続けられるかを追求『Speciality Hairsalon asso』>>