仙台・美容シーンのニューフェイス『SESSION』
仙台駅から徒歩10分。多くの車が行き交う愛宕上杉通沿いにヘアサロン『SESSION(セッション)』はあります。2018年12月にオープンしたばかりにも関わらず、明るいサロン内の雰囲気と確かな技術で評判を呼んでいます。前編では、オーナーの小松礼樹さんに美容師の道に進んでから、独立までを語っていただきました。
無我夢中で技術を学んだアシスタント時代
—-どのようなことがきっかけで美容師を志したのでしょうか?
「特に大きなきっかけというのはなかったんです。ひげが伸ばせて、服装と髪型が自由にできる職業って何だろう?って考えたときに、“美容師”が思い浮かびました。そして高校卒業後にヘアサロンに入社し、通信学校で美容師免許を取得。そこで働く目的が免許を取ることだったので、取った後に退社しました。1年ほど飲食店を経験してみて、やっぱりヘアスタイリストになりたい!と進路を考え直し、仙台の中心部にあるヘアサロンに再就職しました」
—-アシスタント時代はどのように過ごしていましたか?
「まず2年でスタイリストになるという目標を立てました。その間は、友達との関係をシャットアウト。そのことだけを考えて生活をしていました。毎日、営業後から深夜2~3時まで練習して、翌日朝9時には出社し朝練習…という感じで、がむしゃらに取り組んでいましたね。若さもあると思うのですが、なにより明確な目標があったので苦に感じることはなかったです。学生時代の部活のような感覚。ただ、今戻れと言われても嫌ですけど(笑)」
“個”の力を最大限生かして売上を伸ばす
—-どのような経緯で独立したのですか?
「スタイリストになった仙台のヘアサロンでは、15年ほど勤務しました。ある程度、自分の好きにさせてくれていたので、働きやすい環境でした。そこで経験を積んでいたのですが、会社が原宿店をオープンするにあたり、転勤。原宿でゼロから店を立ち上げ、約6年勤務していたのですが、次第に自分の力を試したくなり独立を考え始めました」
—-原宿で得たものはありましたか?
「以前の仙台店は広いお店だったので、自分は基本カットだけでアシスタントがシャンプーといった感じの分担制。でも原宿店は少人数で運営していたので、人手が足りないときは、一から十まですべて自分が担当しました。今までみんなの力でつくってきた売上を今度はいかに個人でつくっていくかというのが大きな課題で、とても勉強になりましたね。また、会社に何かを提案したいときも、まず売上がしっかりないことには、何の説得力も生まれないということに気付きました。また、お客様と接する時間も仙台店に比べて長くなったので、退屈させないようにする工夫や、どうやったらまた自分に担当してもらいたいって思ってもらえるのかなどをすごく考えましたね。そのときに得た経験は、『SESSION』も3名と少人数なので、生かすことができています」
スタッフの個性を尊重したサロンづくり
—-サロンのコンセプトはありますか?
「店名の『SESSION』は、“人と人の話し合い”というイメージから生まれました。組織に入ってしまうと、どうしてもトップダウンになりがちですよね。僕はもっとスタッフが伸び伸びと個性を生かしていけるサロンをつくっていけたらいいなと考えています」
—-スタッフ間でセッションすることを大事にしているんですね
「そうですね。上に立つ人の意見だけが正しいわけではないと思うんです。世代によってそれぞれ常識や文化も違うのが当たり前ですから、そこで意見を押し付けても到底響かない。そこをうまくセッションして、快適な職場環境にしていくのが理想です」
—-現在スタッフは何名ですか?
「僕を含め、スタイリスト2名とアシスタント1名の計3名。実は、みんな以前働いていた原宿店に居たスタッフなんです。独立を決めたときに、前の社長からスタッフを連れて行っていいという寛大な対応をしていただけて…。それで2人が東京から仙台へ移ってくれました。オープンしてすぐは、新しい環境に馴染むのがみんな遅くて、よく3人でミーティング。うちは上下関係なく意見を言い合える関係なので、僕はオーナーですが色々指摘されることがありますよ(笑)。思いつきではなくて、お店をよくするための意見であればしっかり受け止めています」
仙台から東京、東京から仙台と新しい環境でチャレンジすることを恐れない小松さん。スタッフともお互い率直に意見を交わし、サロンが軌道に乗るように奮闘しています。後編では、おすすめのメニューやスタイリストを目指す人へのメッセージなどを伺います。
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お客様やスタッフとの対話から新しいコトを生み出すヘアサロン『SESSION』>>