【美容師のカット&パーマ技術】L.O.G SHIBUYA 長山ゆうきさん流 スキンフェード×ピンパーマで作る『ブラック系ツーブロック』#1

バーバースタイルとして人気が高まり、定番にもなってきたスキンフェード。「スキンフェードのツーブロックも、よりデザイン性が求められるようになっている」と教えてくれたのは、メンズスタイルに定評のあるヘアサロン「L.O.G SHIBUYA」の代表・長山ゆうきさんです。

今回は、長山さんにこれからおすすめのデザインを教えていただきました。前編では、メンズスタイルに定評のあるスタイリストになった経緯と、メンズヘアのトレンドについてお伺いします。

L.O.G SHIBUYA 代表 長山ゆうきさんにインタビュー

「L.O.G SHIBUYA」代表 長山ゆうきさん

「自分らしさ」を持つことが今の時代には必要

――長山さんはメンズスタイルに定評がありますが、最初から男性メインでやられていたんですか?

最初に勤めていたのは、女性メインのサロンでした。お客様にも恵まれて店長にもなりましたが、正直あまり努力をしてこなかったので、「このままでいいのかな」というのがあって。縁があってL.O.Gの立ち上げメンバーで入らせてもらえることになったので、そこでまた一から頑張ることにしました。

L.O.Gはみんな中途入社だったので、それぞれに色をつけようということになったんです。僕はもともと洋服が好きで、メンズファッション関係の友人やその紹介で男性のおしゃれなお客様もいたので、メンズメインでやっていくことになりました。

――注目されたきっかけはあったんですか?

気づいたら…という感じではあるんですけど。男性のお客様をターゲットにするにあたって、メンズスタイルをSNSにあげるようにしたんです。男性ってヘアカタログとか見ないので、電車の中とかで美容室に行く前にちらっと見られるような、簡易的なヘアカタログになればと思って。

6、7年前くらいだったので、まだインスタグラムでメンズスタイルをたくさんアップしている人って、あまりいなかったんです。それで、どんどんメンズスタイルをあげていったら、男の人がもっと来てくれるようになりました。

――メンズスタイルはもともとお好きだったんですか?

どちらかと言えば(笑)。メンズスタイルで「これが好き!」っていうのがあったわけではないんです。でも、僕はタトゥーも入っているし、見た目的には男性をメインにしたほうが合っているのかもなと。そこから男性を中心にすると決めて、スタイルやカラーを研究しました。今みたいにバーバースタイルとかも流行る前だったので、刈り上げも自己流で勉強したりして。

――若手時代、技術力を高めるためにしていたことは?

アシスタント時代は、仕事終わりに飲み歩くことが多かったんですけど、そこで友達をいっぱい作って練習モデルになってもらっていました。おしゃれな人たちが多かったので、その人たちから求められるものを作り上げないといけないというのが、モチベーションになっていましたね。求められるものに合わせて、このカラーを勉強しようとか、このカットを勉強しようとか、幅も広げられたと思います。「求められるものを作る」というのは、スタイリストになったら必須事項なので、そこが鍛えられたのもよかったと思います。

――若手時代にしておくといいことは何だと思いますか?

僕自身、25歳くらいまで美容師としてなあなあだったんですよね。どちらかというと洋服が好きだったりとか、美容以外のことに興味があって、そっちメインで考えちゃっていたところがあって。それで友人が増えたことは、後々よかったんですけどね。でも若い子には、やっぱり美容師になった以上、美容を一番に考えてほしいなと思います。美容ありきで、趣味があったり、休日があったりというか。

というのも、今はSNSの力が大きいので、「自分の色を作る」っていうのが重要になっているんですよね。

アシスタントでも、どんどん自分のSNSを使って練習モデルを呼べますし、逆に自分のブランディングがない子は集客に苦労していたり。だからブランディングがないと、アシスタントの時点で差がついてしまうんですよね。若いうちから、どういうスタイルを作っていきたいとか、そういうお客様に来てほしいとかを考えておく必要がある。

それが考えられていると、会社で決められたカリキュラムの他に、プラスアルファとして自分がやりたいスタイルの練習をしたり、感覚とかセンスを補ったりできますし、会社としてもアドバイスがしやすいですよね。

そして、休みの日でもそこに通じる過ごし方や、趣味の作り方とかをしたほうが、今の時代はいいのかなと思います。

バーバー×サロン技術で作る「ミクスチャースタイル」

――デザイン面で大切にしていることはなんですか?

自分の中で一番大切にしているのは、男の人に憧れられるというか、男の人からかっこいいと思われるスタイルを作ることです。もともと学生のころ、窪塚洋介さんとか、ドラゴンアッシュの降谷建志さんとかを見て育っているので、ルーツはそこにあるのかなと思います。ちょっとブラックな感じがやっぱり好きですね。

だから、海外のサッカー選手の髪型とかもよくチェックしています。最近人気のバーバースタイルが爆発的に広がったのも、前回のサッカーワールドカップからですよね。あそこで「スキンフェード」を知る人が、一般の方にも増えました。

海外のショートスタイルって、髪も柔らかくてクセがあるから、海から上がっただけでかっこよかったりするんですよね。そういう外国人スタイルを、直毛・剛毛が多いアジア人の髪質で作るにはどうしたらいいかとかも、よく考えています。

――今回ご提案いただいたスタイルも?

そうですね。スキンフェードを取り入れたベリーショートって、日本人の髪質ですると、少し子供っぽくなってしまうことがあるので、そこにどれだけ味を加えられるかっていうのが、最近ひとつの課題になっています。普通の営業マンでも、刈り上げたいとか、〇mmからグラデーションをつけたいとかオーダーされることも増えていますし、男性のショートスタイルでも、デザインの幅が必要なんです。

今回は、最近はやり出しているピンパーマで、外国人風のクセ毛のような質感を作りました。バーバースタイルの刈り上げ技術と、美容師のパーマ技術を組み合わせた感じですね。ベリーショートでもできるデザインパーマは、かなり需要も高まっているのでオススメです。

長山さんが提案する『ブラック系ツーブロック』

美容師のデザイン性とバーバースタイルが融合したベリーショートスタイル。スキンフェードの刈り上げに、ピンパーマで黒人のクセ毛を再現したデザインは、男性からの評価も高いクールな雰囲気に。

長山さん流『ブラック系ツーブロック』のいいところ

1.直毛でも外国人のクセ毛のような柔らかい質感に

2.流行のバーバースタイルをカジュアルに取り入れられる

3.大人男性へのベリーショートの提案に

メンズスタイルに特化することで、おしゃれなヘアスタイルを求める男性から支持を得た長山さん。ほんのり黒人風なデザインがかっこいい『ブラック系ツーブロック』の作り方について、後編で詳しく教えていただきます。

▽後編はこちら▽
【美容師のカット&パーマ技術】L.O.G SHIBUYA 長山ゆうきさん流 スキンフェード×ピンパーマで作る『ブラック系ツーブロック』#2>>

取材・文:山本二季
撮影:高嶋佳代
ヘア:長山ゆうき(L.O.G)
モデル:英木一磨

教えてくれたのはこの人!

長山ゆうきさん
L.O.G SHIBUYA 代表

男性客が9割をしめ、メンズ業界誌でのスタイル提案、他店でのメンズスタイルのセミナー講師などで活躍。バーバースタイルと美容師のデザイン性を融合させた「ミクスチャースタイル」が支持を集める。骨格や髪質に合わせた刈り上げとメンズカットに定評あり。シルエットバランスを重視し、セルフでもスタイリングしやすいヘアスタイルを提案している。
インスタグラム:logyuuki

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Salon Data

L.O.G SHIBUYA(ログ 渋谷)

住所:東京都渋谷区神南1-20-9 パークウェイ渋谷4F
TEL:03-6427-0502
URL:https://beauty.hotpepper.jp/slnH000391931/

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