介護職員として身につけるべき知識や技術とは?スキルアップするために必要なアクションや資格を紹介
現在日本では急速に高齢化が進んでおり、今後介護を必要とする人はますます増えていくものとみられています。しかし、介護の現場は慢性的な人手不足に陥っており、介護職に就くこと自体はそれほど難しくはありません。
そんな介護職を長く続けていくためには、知識や技術を身につけ、スキルアップすることが必要です。今回は、スキルアップするために必要なアクションや資格などをご紹介します。
介護職員がスキルアップすることの重要性
介護職を続ける以上、役職を上げて給料アップを目指すなど自身の待遇をよくしていきたいと思うのは当然でしょう。
給料アップなど待遇をよくするためには、介護職員として必要な知識や技術を身につけ、スキルアップすることが必要です。スキルアップすることで給料アップにつながるのはもちろん、やりがいにもつながります。
介護職員が身につけるべき知識・スキルとは?
ところで介護職員は、どのような知識やスキルを身につければいいのでしょうか。ここからは、介護職員が身につけるべき知識やスキルについてご紹介します。
介護の専門知識と技能
介護職を続けていくうえでスキルアップとして身につけたいのは、やはり介護の専門知識や介護技術です。介護の専門知識としては、認知症の対応や障がい者に対する支援、ターミナルケアなどに高い需要があります。
介護技術とは、利用者と介護者、お互いが負担なく過ごすために必要となる技術のことです。正しい介護技術を身につけることは、利用者の身体的負担を軽減できるだけでなく、自分自身の身体を守ることにもつながります。
観察力・判断力
介護の仕事においては、観察力や判断力も磨いておくべき重要なスキルです。ふだんから利用者の体調や精神状態などをしっかり観察しておくことで、利用者のちょっとした変化や異変にも気づけます。
判断力はある程度の経験を積まなければスキルアップが難しい能力かもしれませんが、先輩職員をよく観察して先輩の行動から学ぶという方法もあるため、能力を磨くことはじゅうぶん可能です。
コミュニケーションスキル
スキルアップのために介護の専門知識や介護技術を身につけることも重要ですが、コミュニケーションスキルを磨くこともスキルアップのためには必要です。
介護の仕事は、利用者や職場のスタッフなど人を相手にする仕事なので、コミュニケーションスキルが高いに越したことはありません。とくに利用者との円滑なコミュニケーションは、信頼関係の構築と質の高いサービスの提供につながります。
介護職員がスキルアップするために必要な具体的な行動とは?
介護職員がスキルアップするためには、具体的にどのようなアクションを起こせばいいのでしょうか。ここでは、介護職員がスキルアップするために必要なおすすめの具体的なアクションについてご紹介します。
学び続ける|限られた時間で効率化する
介護の仕事はハードです。学び続けることが大事だということはわかっていても、仕事をしながら学び続けることはかんたんではありません。そのため、限られた時間のなかで効率よく知識を得るという意識を持つことが重要です。
学び続けるためには、通勤時間などのすき間時間を利用するなど、研修を受けるなど時間を有効かつ効率的に使うことが必要となります。
情報収集|広い視野をもつ
広い視野を持ってつねにアンテナを張っておき、さまざまな情報を収集することもスキルアップにつながるアクションです。
介護の仕事で情報収集というと、介護に関する情報だけを集めるイメージがあるかもしれませんが、介護以外の分野の情報も広く集めることで、広い視野が持て、集めた情報を介護に活かせます。
前向きにチャレンジ|気持ちを切り替える
介護の仕事はやりがいのある仕事ですが、非常にハードで、楽しいことだけでなく辛いこともたくさんあります。頑張ってもうまくいかないことはあるかもしれませんが、気持ちを切り替えて前向きにチャレンジしていく気持ちが大切です。
何事もポジティブにとらえることは重要で、ポジティブなメンタルはスキルアップにもいい影響をおよぼします。
推察力を鍛える|相手の立場に立って考える
常に相手の立場に立って物事を考えることは、介護の仕事に限らず重要なことです。とくに人を相手にする介護の仕事においては、利用者がどんなことを望み、どんなことをすると不快なのかを感じ取る推察力が求められます。
推察力を鍛えればスキルアップにつながりますし、利用者に対して質の高いサービスを提供することも可能です。
介護職員のスキルアップに役立つ「資格」を紹介
介護関連の資格はたくさんありますが、介護職員のスキルアップに役立つ資格にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、介護職員としてスキルアップするために役立つ資格をいくつかご紹介します。
介護職員初任者研修
まず無資格からのスキルアップに最適な資格が、この介護職員初任者研修です。受験資格がないため、誰でも受験でき、介護に関する基礎的な知識や技術を習得できます。130時間のカリキュラム終了後におこなわれる試験に合格すれば、晴れて資格取得者です。
この資格を保有していればキャリアアップにつながるのはもちろん、介護職であれば全国どこでも就職でき、どの現場でも活躍できます。
無資格からでも取得できる介護職員初任者研修とは|資格の内容やメリットについて解説
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、上記でご紹介した介護職員初任者研修の上位資格で、より実践的な介護知識の習得を目的としています。より専門的な介護知識を学べるだけでなく、この資格を取得すれば、介護事業所のサービス提供責任者になることも可能です。
また、この資格を取得すると介護福祉士の受験資格を得られるため、さらなるスキルアップも目指せます。
実務者研修は難しい?研修の概要や難易度、スクールの選びのポイントを解説
介護福祉士
介護福祉士は、介護のプロとして認められる国家資格で、この資格保有者は介護の現場においてリーダー的な立場となります。ヘルパーや介護職員といったスタッフの指導や育成がおこなえるのも、この介護福祉士です。
この資格を取得すると、介護に関する専門的な知識や技術を持っているとみなされるため、求人に応募した際に優遇されるのはもちろん、資格手当の対象にもなります。
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認定介護福祉士
介護福祉士の上位資格で、2015年から認証・認定が開始された民間資格が認定介護福祉士です。介護福祉士資格にはない新たな知識の修得と、じゅうぶんな介護実践力を身につけられます。
介護福祉士のリーダー的な存在として位置づけられており、介護福祉士や介護職員の指導やマネジメントなどを担うのが、この認定介護福祉士です。
ガイドヘルパー
ガイドヘルパーは、移動介護従事者とも呼ばれ、「全身性障害者移動介護従業者」「同行援護従業者」「行動援護従業者」の3つにわけられます。それぞれ四肢に障害のある方、視覚に障害のある方、知的・精神障がい者の方をサポートするのが仕事です。
それぞれ養成研修において、所定の講義や演習を受けることによって資格を取得できます。一般的な介護サービスの仕事に比べて、肉体的な負担が少ないのが特徴です。
ガイドヘルパーに向いてる人ってどんな人?メリットや給料も紹介
認知症ケア専門士
認知症ケア専門士は、その名のとおり認知症ケアの専門的な資格のひとつです。民間資格ですが認知症に関する専門的な知識や介護技術を身につけられます。
日本では高齢化が急速に進んでおり、それにともなって認知症を発症する高齢者も増えているため、認知症ケア専門士は需要の高い資格のひとつです。資格を取得すれば就職後も資格手当の対象となる可能性があり、待遇面でも大きなメリットとなります。
【認知症ケア専門士】資格取得の難易度や合格率、メリットを解説|試験の流れやおすすめの勉強方法も紹介
介護福祉士からキャリアアップできる資格
介護福祉士までキャリアアップした人でも、そこからさらにキャリアアップすることは可能です。介護の現場はハードで肉体的に負担のかかる仕事が多いですが、これからご紹介する事務系の仕事がメインの介護職にキャリアアップすれば介護業界で長く働けます。
ケアマネジャー(介護支援専門員)
介護職のなかでも最上位資格のひとつといえるのが介護支援専門員、いわゆるケアマネジャーの資格です。
資格取得はかんたんではありませんが、ケアマネジャーの仕事はケアプラン作成という事務系の仕事がメインとなるため、肉体的な負担は大幅に減ります。求人でも有利となりますし、給料のアップも見込める資格です。
ケアマネジャー(介護支援専門員)ってどういう仕事?仕事内容や資格取得の流れを解説
生活相談員
生活相談員は資格の名称ではなく、あくまでも職種の名称です。ただ、一般的には「社会福祉士」「精神保健福祉士」「社会福祉主事任用資格」のいずれかを保有していることが生活相談員になることの要件とされています。
また、介護福祉士やケアマネジャーの資格保有者でも生活相談員になることは可能です。生活相談員なら肉体的な負担はそれほどありませんし、パートでも需要があります。
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介護職員には専門知識だけでなく観察力や判断力も必要!スキルアップやキャリアップに役立つ資格を目指すのもおすすめ
介護職のスキルアップといえば、専門知識や介護技術を身につけることと考えられがちです。もちろんそれも必要ですが、コミュニケーション能力や観察力・判断力を磨くことも必要となります。
そういったスキルを磨きつつ、より専門的な知識や技術を得られる資格やキャリアアップに役立つ資格を取得すれば、給料アップが見込めますし、介護業界で長く働けるのでおすすめです。
引用元サイト
厚生労働省:介護支援専門員(ケアマネジャー)