【SNS活用術】「猫背改善」から「華奢ボディ」にワードを変えたらフォロワー数アップ!【OPAL セラピスト 児玉愛美さん】#2
「新規予約が困難!」と言われるほど、プレ花嫁に大人気の美容整体サロン「OPAL」。オーナーの児玉愛美さんは整体院での経験を活かし、姿勢改善とエステを融合したボディメイクを得意としています。
お客様からいただいたウェディング写真を投稿したことで、リアルかつ圧倒的な施術効果を伝えることに成功し、プレ花嫁の共感を呼びました。また、お客様の生の声を吸い上げる日々の努力も大きな要員のようです。
後編では、「OPAL」の代名詞ともいえる「華奢見せ」というワードに注目し、独自の強みをわかりやすく発信するテクニックを教えていただきます。
教えてくれたのは…
「OPAL」
オーナー児玉愛美さん
施術を受けると何が叶うか、というゴールを打ち出すように
――整体業界でもInstagramを活用しているサロンが増えましたが、美容系女子に届かず悩んでいるというお店もあるようです。
大事になってくるのは第一印象。私が心掛けてきたのは、「アラサー世代の女性」に響くような内装に加え、清潔感を出すことです。
実際に私も色々な整体院やサロンに足を運びながら「OPAL」を客観視してみたところ、うちが集客に成功しているのは、ターゲット層の「アラサー世代の女性」に、「非日常的な空間でつくられる『ご褒美』のひととき」がきちんとハマっているからなのかなと。
あとは、before・afterの写真を撮るときの部屋着を可愛いデザインにしたりとか。そういう些細な部分に気を配るだけでも女性ウケは良くなるのではないでしょうか。
――「華奢見え」というワードを多用しているのも意識してのことですか?
オープン当初は「華奢見え」を特別に打ち出していたわけではないんです。施術者あるあるだと思うのですが、お客様の「体」に向き合うことばかり夢中になり、「お客様は本来何を求めているのか」という意識を置き去りにしてしまっていたんです。そのため、以前は「姿勢改善」ばかりを投稿していました。
ある日、YouTubeの撮影を受けときにユーチューバーの方に言われたことが自身の投稿を見つめ直すきっかけになりました。
打ち出すべきは施術メニューではなく、「施術を受けたらこんな未来が待っていますよ」というイメージだったんです。「華奢見せ」を使うようになってからフォロワー数がじわじわと増え、他に「肩甲骨出し」「天使の羽」「鎖骨出し」なども効果は絶大でしたね。
――自身の得意技をInstagram上でどのようにPRしているのでしょうか?
手っ取り早く、施術中の動画を投稿するのが効果的ですね。もともとはお客様が施術中に動画を撮っていたことがきっかけなんで、お客様に「これスゴイ! 動画撮っても良いですか?」と言われて、正直ちょっと戸惑ったんです。今まで勤めてきたサロンでは施術中はスマホNGだったのでそれがあたり前だと思っていたし、やっぱり不安な部分もあったんです。でも、その方がSNSに動画を上げてくださったことで、「私もこれ受けたいです!」「動画で使っていた機械、アレ何ですか?」という問い合わせが殺到しました。
普段どんなことをやっているのかお客様に伝わりやすくなったんでしょうか。それからは自分でも施術中の動画を投稿するようにしたところ、ご新規の方でも「あの機械を使う施術にしたい」と来店時にメニューが明確に決まっているパターンがかなり増えましたね。
最近では、動画を撮っても問題なさそうな手技や機械であれば、「動画を撮りたい」と要望があったら「どうぞ!」と言っています!
Instagramは顧客とのコミュニケーションの場
――児玉さん自らが出演している動画もありますよね。
いつも施術後に、お客様が自分でできるストレッチを教えているのですが、忘れている方が案外多くて…。「自分でやってみようと思ったんだけど上手くできなくて」という方も。そこで、いつも教えているストレッチを動画でInstagramに投稿してみたら保存数がかなり伸びたんですよ。いいね! より保存数が多いほどに。
ストレッチ動画を投稿している施術者さんは他にたくさんいますが、道具を使ったり、床に寝そべったり…と自宅でしかできないものばかりの印象だったので、私はデスクとかお手洗い休憩のときにサクッとできるストレッチを発信することにしました。
施術後に、「Instagramに動画を載せてるので、あとで保存して実践してくださいね」と伝えるのが今では定番になりました。
――どちらかというとリピーターに向けての動画なのですね。
今ではだいぶリピーターさん向けのアカウントになってきましたね。私の場合は一人経営なので、どちらかというとご新規様を集客し続けるよりも、リピーターを増やす方が向いているのかなと感じています。必死に集客し、月に何人ものご新規様を施術して、卒業…というよりも、9割リピーターさんでたまにご新規様が入る、という方がお客様との心の距離も近くなると思ったんです。
個人サロンの場合、リピーターさんがいわば広告塔のような存在だと思うんです。何度も通って「良いな」と感じていただくことではじめてInstagramに載せてもらえるものなので、リピーターさんとの距離を詰めるためにもInstagramは大きな役割を持っているんです。
一気に先の予約まで取るご新規様の割合が増加
――Instagramの打ち出し方を変えて、サロンワークに変化はありましたか?
ご新規様でいうと、初回予約を取る際に先の分の予約も一気に取ってしまう方が増えました。うちの場合、2ヶ月先まで予約が埋まってしまうことがよくあるので、例えば4月に来店した場合は次回来店が6月になってしまいます。特にご新規様はゴールが決まっている方がほとんどなので、「○月に予約をした者ですが、3ヶ月は通いたいと思っているので先に3回分を予約取っても良いですか?」とメッセージが来ることも。つまり、来店する前からリピートが決まっているということです。とても嬉しい反面、必ず結果を出さなきゃというプレッシャーはありますけどね。
――施術効果と自店PRがご新規様にしっかり伝わっているからだと思います。個人サロンとしてSNS活用をしていく上で大事なこととは何でしょうか?
「SNSは広告」という意識をしっかり持って、自主的に回していくことが大事ですね。そして、「悩んでいる人を幸せにしたい!」という施術者の気持ちがわかるような投稿であれば必ず届くと思います。
――今後、SNS上でやっていきたい取り組みはありますか?
質問コーナーや、気軽にお悩みを相談できる場をもう少し増やしていきたいですね。DMはまだよっぽどの勇者じゃないと送れない…という感じなので、「気になることがあるけど相談するのが恥ずかしい」という方にもきちんと手を伸ばせるような方法を考えていきたいです。
自店の強みをアピールする秘訣
1. ターゲットを絞り、打ち出したいものを明確に決めておく
2. 施術後のゴールを「言葉」として打ち出し、お客様が結果をイメージしやすくする
3.施術中の動画を投稿して、技術をわかりやすくアピール
▽前編はこちら▽
【SNS活用術】「同じドレスでこんなに違う⁉︎」花嫁写真を投稿したらブライダル集客に成功!【OPAL セラピスト 児玉愛美さん】#1>>
取材・文/佐藤咲稀(レ・キャトル)
撮影/石原麻里絵(fort)
イラスト/なとみみわ