【子育て応援メソッド】店長自ら男性初の育休をとってみた! Ameri 武蔵小杉店 楠康貴さん #1

美容業界で働くワーママ・ワーパパたち。子育てには目に見えない細かなお世話もあり、時間に追われている人も多いと思います。そんな多忙なママ・パパに、仕事と育児を両立するためのコツをインタビューする「子育て応援メソッド」。

今回は、Ameri武蔵小杉店店長の楠康貴さんに育休取得のお話を伺いました。厚生労働省の発表によると、令和元年度の育休取得率は、女性83.0%に対し、男性は7.48%と低い数値に止まっています。

楠さんも店長という責任ある立場、且つサロンでは男性初の育休取得ということもあり、育休取得には迷いがあったそうです。でも、産前産後の大変なときにママと一緒に育児をスタートすることで、今後の仕事と育児の両立について考えることができました。

さらに育休中、仕事と離れたことで美容師への思いを再確認し、今後の課題も明らかに。育休取得のメリットは大きなものでした。

育休給付金が出るのは出産日以降

Ameri武蔵小杉店店長 楠康貴さん。美容師歴11年、店長になって3年目。抜け感のあるボブ、輪郭に沿ったショートボブが得意。今年1月に男の子のパパに。サイクリング、一眼レフ、ゴルフ、モルモット飼育など多趣味。

――育休はいつ頃、どれくらいとりましたか?

出産予定日の1/7~1/15までの9日間です。美容業界は、1月前半は比較的落ち着いているので、時期的には休みをもらうことは可能かなと考えていました。

当初の予定ではもう少し短い予定でしたが、実際の出産が予定日より5日遅れたので、代表と相談して延長してもらい、結局トータル9日間の育休をとることに。1月後半からはお客様も戻ってきてとくに土日は忙しくなるので1/16の土曜から出勤しました。

――男性で育休を取得するのはサロン初だそうですね。さらに店長という立場で休暇をとることは悩まれましたか?

確かに悩みましたけど、代表に話をしたら二つ返事で「いいよ」と言ってもらえたことは大きかったですね。お客様にも前もってお伝えして、ご理解いただくことができました。

出産は、人生で一度あるかないかのことですし、代表とお客様の理解に背中を押されて、思い切って育休をとることにしました。

――育休中、店長の業務は他のスタッフの方が担当されたのですか?

副店長に任せました。店長の仕事でいちばん重要なのは、お店の運営・管理。なにかトラブルがあったときに指揮をとることです。元々、お店の仕組みとして、誰かが不在のときに代わりに誰がどの業務をやるか決まっていたので、その辺はスムーズだったと思います。育休中も、なにかあればラインで連絡はとっていましたし、スタッフもそれほど困ることはなかったと思います。

――育休の間、給与はどうなるのですか?

出産日以降の1/12~1/15の分は、育児休業給付金として「賃金日額×4日分×67%」の金額がもらえます。出産前の1/7~1/11の分は、対象外のため有給休暇を当てました。

というのも、以下のように法律で定められているからです。

育休そのものは出産予定日から子どもの1才の誕生日前日まで取得することができます。しかし、育児休業給付金は、あくまで子どもを養育していることが前提となるため、出産日以降の給付になります。僕の場合は、1/7~1/15までの9日間の育休のうち、育児休業給付金が支給されるのは、出産日の1/12~1/15までの4日分になります。出産日以前は、育児休業給付金が支給されないので有給を当てることにしました。

・パパが育休をとれる期間…妻の出産予定日から原則として子どもが1才の誕生日を迎える前日まで。最大1才6ヶ月or2才になる前日まで延長可。
・パパがもらえる育児休業給付金…出産日以降、最初の6ヶ月は賃金日額×日数分×67%、その後6ヶ月間は月額賃金の50%

こんな制度も!
「パパ・ママ育休プラス」
パパ・ママともに育休をとる場合、原則として子どもが1才になる日の前日までの休業期間を1才2ヶ月まで延長できる制度(取得できる期間は1年間)

「パパ休暇」
ママの産後8週間以内に、パパが育休をとると、期間内にもう一度育休をとることができる制度

母乳が出ない分、僕ができる育児をがんばる

奥様と第一子と楠さん3人ご家族

――パパとして育児はどんなことをされていますか? 

コロナ禍で出産に立ち会うことができず、初めて対面できたのは、生後6日目。退院する日に病院に迎えに行った日でした。いや~、ガッツ石松でしたね(笑)

実際に僕が育児を始めたのは、育休明けになります。起きてから家を出るまでの時間と帰宅後のそれぞれ2時間に、オムツ替えやミルク、沐浴のアシスタントまでなんでもやります。いまでは、ウンチを手で受け止められるくらいオムツ替えが得意になりました(笑)。

奥さんが入院中に教わったことは奥さんに教えてもらっています。コロナ禍で両親学級がなくなってしまったので、分からないことはネットで調べながら、試行錯誤しているところです。まだ楽しいと言えるほどの余裕はありませんが、子どもはすごくかわいいですね。

「育休をとることをスタッフに伝えると、
『ゆっくりしてきてください』と送り出してくれました」

――奥さんは、楠さんの育児参加に対してどうおっしゃっていますか?

基本的には「ありがたい。助かる」と言ってくれています。赤ちゃんがいる生活だと、いままで奥さんがしてくれていた家事も手が回らなくなるので、ときどき料理や洗濯などもします。「洗濯物のたたみ方が違う」と言われることもありますが(笑)。

ひとり暮らしが長かったので、家事もひととおりは経験しています。奥さんが産前産後の大変なときに育休をとったことで、パパとしての覚悟を持てたし、その後の育児参加がスムーズになったことが育休取得の最大のメリットですね。

――ママはとても心強いでしょうね。

でも、泣き止ませるのは難しいです。抱っこしてあやせば泣き止むこともありますが、一向に泣き止まないときは、ちょっとめげますね。奥さんに交代するとすぐ泣き止むのを見ると、母の偉大さを感じます。パパは母乳が出るわけでもないし、できる範囲でがんばろうと思っています。

僕、けっこう本を読むんですけど、結婚したときにお客様から「妻のトリセツ」っていう本をいただいたんです。

結婚してからのいろんなシーンが出てきて、男性と女性の心理の違いとか、産後はホルモンバランスの変化でこんなことが起きて、こんな対策があるよとか。それを読み直して、少しでも奥さんに寄り添えればと思っています。「夫のトリセツ」っていうシリーズ本もあるので、ママさんにはそちらがおすすめです。

自分にまつわる人を幸せにしたい

「奥さんの両親が歩いてすぐのところに住んでいるので、
かなりお世話になっています」

――パパになったことで気持ちの変化はありましたか?

育休中、仕事を離れて考える時間があったので、自分を見つめ直すきっかけになったと思います。人によって幸せの形は違うので、その人が幸せだと思えるように生きるべきだなと改めて思いました。家族とか友達とか親とか、僕にまつわる、僕が大好きな人を幸せにしたいです。それに尽きます。

そのために仕事があるのですが、自分がしている仕事が嫌だと感じるのであれば、その仕事はやめたほうがいいと思うんです。それでお金を稼げたとしても、自分が幸せを感じないのであれば、僕の幸せ論とは違ってきます。

僕は、「人生」と「時間」の使い方ってニアリーイコールだと思っているんですね。自分の時間をどう使うか、どういう時間を過ごすかがその人の人生じゃないかなって。となると、無駄な時間の過ごし方はできないですよね。

美容師という仕事から少し離れてみて、やっぱり僕はこの仕事が好きなんだなと再認識できました。家族と同じようにスタッフも大事だから、みんなが働きやすくて、幸せになれるような環境をさらに整えられればいいなと思っています。

楠さんが育休取得で得たメリットは

美容室の男性店長が育休をとるのは、まだまだレアケースだそうです。楠さんは、代表とお客様に快く背中を押され、育休を取得しました。そこで得たメリットは以下の3つです。

1. ママと同時スタートで育児の協力体制が早く作れた

2. 休暇中に自らの「幸せ論」が明確になった

3. 美容師への思いを再認識し、今後の課題が見えた

後編は、「スタッフの幸せを作ることが会社の成功の秘訣」とおっしゃるAmeri代表の高橋さんにインタビューさせていただきました。

▽後編はこちら▽
【子育て応援メソッド】会社の成功の秘訣はスタッフの幸せを作ること Ameri代表 高橋譲太郎さん #2>>

撮影/古谷利幸
取材・文/永瀬紀子

Salon Data

Ameri 武蔵小杉店

住所:神奈川県川崎市中原区市ノ坪26-1コトウビル3F
TEL:044-712-3214

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