【SNS活用術】事務職、週1で花を買う女性。世界観を伝えるにはターゲット設定を具体的に 【ネイルの小部屋カタンコトン オーナー カオリさん】#2

世田谷線が走る穏やかな街に構える「ネイルの小部屋カタンコトン」。オーナーのカオリさんがつくりだす、絵本のようなほっこり可愛らしいデザインには全国に多数のファンがいます。

Instagramをはじめたものの、フォロワー数が増えても客足は増えなかったと言います。「どんな人に届けたいのか」をよく考え、作品投稿だけでなく「想い」を言葉で伝える投稿に変えたところ、デザインやサロンの世界観に共感してくれるお客様の来店が増え、接客や施術がしやすくなったのだそう。カオリさんにとってInstagramとは集客ではなく、ファンを増やすためのツールなのだと教えていただきました。

後編では、「絵本のようなほっこりネイル」という世界観をどんな風に伝えているのか、その投稿&撮影テクニックを教えていただきます。
教えてくれたのは…

「ネイルの小部屋カタンコトン」
オーナー カオリさん

CAから転身後、世田谷の街にプライベートネイルサロンを構え、ネイリスト人生をスタート。ほっこりと温かみのあるデザインと世界観で、年代問わず「可愛らしい」雰囲気を持った女性が日々訪れる。Instagramにはネイル作品だけでなく、花やスイーツ、カフェといった、一人の女性の暮らしを垣間見れるような投稿テクニックも特徴的。
Instagram:@katankotonnail

「37歳、週1で花を買うのが好きな女性」がターゲット

「ネイルの小部屋カタンコトン」のコンセプトは「眺めているだけでホッとする、絵本のようなほっこりネイル」。Instagramの投稿からもコンセプトや世界観がしっかりと伝わってきますが、その秘訣は「ターゲット設定にこだわること」と教えていただきました。どうやら「花」「スイーツ」の投稿にもきちんと狙いがあるようで…。

――世田谷線沿線は味のある街並みですが、街の雰囲気も発信しているみたいですね。

そうなんです。近隣の方よりも埼玉や千葉からいらっしゃる方が多いので、月に一度ネイルに訪れたときに、世田谷線に揺られるひとときも楽しみの一つになれば良いなと思って、街の雰囲気や近隣のお店も発信するようにしています。カフェの紹介は、結構反響が良いんですよ。

ネイルサロンっぽくない、素朴な写真に仕上げる

「カタンコトンと電車に揺られるひとときも
楽しみにしてほしくて」と、世田谷線ありきで構えたこのお店。
実は以前、カオリさんは世田谷線の乗務員をしていたことも!

――どのお写真も雑誌のワンカットのようにおしゃれですが、やはりカオリさんの持ち前のセンスでしょうか。

実はすごく勉強しました(笑)。

最初の頃は本っ当に下手で…!「カオリちゃんって写真下手だよね〜」「どうにかした方が良いよ」とお客様や家族にイジられるくらい(笑)。過去の投稿を遡ると恥ずかしいものばかり…。初期の作品投稿は明るさにも無頓着だったので、全体的に暗いし、デザインを上手くPRできていませんでしたね。

――上達するためにどのように試行錯誤されたのですか?

他の人の投稿を見て、どんな投稿がウケているのか、なぜフォロワーに共感を得ているのかを研究したり、おしゃれなインスタグラマーさんの写真の撮り方を真似したり。あとはファッション雑誌や生活情報誌を参考にすることも。

「よくお花を投稿しているためか、
お花を買って来てくれるお客様が多いんです」とカオリさん

――世界観を投稿に落とし込む上で工夫していることはありますか?

他のネイルサロンのような「美しい」「きれい」「洗練」「キラキラ」ではないものをこのお店の良さとしているんです。「ネイルサロンっぽくない」と言われるのが褒め言葉だと私は思っています。

だから、写真は美しく撮らない。うちのお店は控えめな女性をターゲットにしているので、写真をキメすぎると引かれてしまうのではないかと思っていて。他のネイリストさんみたいに光の加減にとことんこだわって…という手間はかけていません。ポイントは「ちょいダサ」です(笑)。素朴な感じを残すようにしています。

「ほっこりネイル」というコンセプトに合うように
「温かみのあるもの」が前提。植物などの自然のものを
使うようにしているのだとか

――カオリさんの作品写真は背景も可愛らしいですよね。

日頃から「作品と一緒にアップしたら良さそう!」という小物を探しています。私の場合は、他のネイリストさんの投稿は見ずに、日々の生活にアンテナを張るようにしています。庭に咲いているお花や植物などを使って、お金をかけずに、自分の周りにあるもので工夫しています。

――フレーム選びにもこだわりがあるのでしょうか?

私のネイルは繊細で柔らかい雰囲気をウリにしているので、それらが強調されるように白っぽいフレームをつけてみたり。「この作品はどの部分を強調したいのか」を考えて、そこが一番わかりやすく映るような加工をしています。

注目してほしい部分を単にアップにするよりも、
フレームをつける方がすっきり見せられる!

――作品を投稿する上で、手のポージングは何かルールがありますか?

色合いや雰囲気を見せたいときは全体像を写しますが、基本は「手描き」がこだわりなので、細かいアートを見てもらいたいときは爪先をアップにして撮るようにしています。

あと、プロフィールに飛んだときに、投稿写真のバランスを考慮して、隣合う投稿の手の向きを事前に確認しています。「隣の手の向きはこっちだから、今回はこの向きで撮ってみよう」という感じで。

――今後Instagramで取り組みたいことはありますか?

このお店らしい動画を撮ってみたいですね。ネイリストの一日とか、ネイリストの休日とか。作品に関係ないシーンを通して、このお店の雰囲気を伝えていけたらいいですね。

世界観を発信するための投稿テクニック

1. より具体的なターゲット層=ペルソナを設定する

2. 他のネイリストの投稿を真似するのではなく、ターゲット層が好むスタイルを考える

3. アングルや加工をその都度選んで、デザインごとの持ち味を強調する

▽前編はこちら▽
【SNS活用術】個人サロンにとってInstagramは集客ツールではなく、ファンを増やす手段 【ネイルの小部屋カタンコトン オーナー カオリさん】#1>>

取材/佐藤咲稀(レ・キャトル)
撮影/柴田大地(fort)

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Salon Data

ネイルの小部屋カタンコトン

住所:東京都世田谷区世田谷1-22-5 山一ビル2A-3号室
LINE:@katankotonnail

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