自らの経験と学びで新たな仕事を創り出す MAKEUP プロデューサー SHOKOさん #1

美容系YouTuberとして認知度の高いSHOKOさんですが、実は30年以上のキャリアをもつ美容のスペシャリスト。SHOKOさんは、美容師・ヘアメイク、美容師さん向けの教育セミナー講師を経て、現在YouTubeの運営と40~50代の女性に向けた自己実現のための講座を開講されています。いくつもの困難を乗り越えて、美容をキーワードにさまざまな仕事をされてきたSHOKOさんからのアドバイスは、現役の美容業界で働く方、未来の美容業界人に刺さります!

お話をお伺いしたのは…

MAKEUP プロデューサー SHOKOさん

関西を拠点に美容師・シュウウエムラシステム講師として活躍。SEBASTIANI(米)アーチストチームに参加。阪神淡路大震災を機に、幼少の頃からの「雑誌で活躍するヘアメイクになる」という夢を叶えるため、拠点を東京に移す。ヘアメイク事務所に10年勤務し独立。闘病を経て「元気で美しくないと幸せでない」と気づき、美しく健康になるための学びを深め多種の資格を取得。現在、「史上最高のじぶんになる講座」を開講。開設するYouTube「SHOKO美チャンネル」は登録者数20万人超の人気チャンネル。
HP:メイクアッププロデューサーSHOKO公式WEBサイト
YouTube:SHOKO美チャンネル 【40代50代の為の美容法】

困難はあるものと思って生きていく

――SHOKOさんといえばYouTuberとしての認知度が高いと思いますが、以前はどんなお仕事をされていたのですか?

地元関西で美容師からスタートしました。ところが、はじめてのひとり暮らしと、叱られっぱなしの仕事でのストレスで、ガリガリの栄養失調になってしまいます。入院したのが親にバレてしまい、気づいたらひとり暮らしをしていた家は引き払われ、西宮の実家に戻されていました。

実家で母の手料理を食べて体力も少しずつ回復。そうすると、やっぱり美容がやりたくなるんですよね。同じ失敗を繰り返さないためにも、独自に美と健康を取り戻すための研究を重ねました。そして、神戸の美容室で再スタートを切ります。そのときの師匠が「人の3倍やらないと美容師から抜きん出れない。本当にやるなら教えてやる」と厳しく優しい方で、辛かった美容師の仕事が楽しくてたまらない一生の仕事になりました。

再スタート後、今度は腱鞘炎でハサミが持てなくなってしまい、メイクブラシなら持てるだろうとヘアメイクの勉強をすることになります。美肌の知識を見込まれ、美容師をしながら休日にシュウウエムラ化粧品システム講師として美容師向けの教育を担当。SEBASTIAN(米)アーチストチームにも参加し、ファッションショー・ヘアメイクショー・メイクセミナー等で関西を拠点に東京、海外を飛び回る充実した生活を送っていました。

作品撮りでの1カット

――美容師とヘアメイクでお忙しくされていたのですね。

そうですね。でも、仕事が軌道に乗り始めた矢先に阪神淡路大震災で実家が半壊。精神的にもダメージを負いましたが、生き残った者として悔いのない生き方をせねばと強く思い、中学生の頃からの夢だった「雑誌や心に残る広告の仕事に関わるヘアメイクになる」夢を実現するために東京に拠点を移します。

――東京へのスイッチはスムーズにいったのですか?

厳しいヘアメイク事務所でしたが、夢にみたファッション誌、広告、CMなどの仕事に恵まれ、充実した日々でした。10年間お世話になった事務所から独立し、1年後に今度は子宮ガンになってしまいます。手術と療養で仕事ができず、一度穴を空けてしまうとなかなか元の位置に戻るのは厳しい世界。そこで、「元気で美しくないと幸せではない」と気づき、美しく健康になるための学びを深め、資格をとりまくり、研究に明け暮れます。

当時取得した資格は、ボディワーク(骨格・筋肉リリースなどの施術)、日本ストレッチ協会トレーナー、アンチエイジングアドバイザー、ダイエットアドバイザー、美肌食マイスター、日本肥満予防健康教会認定講師など多数。

――さまざまな資格を取得されたのですね。

フリーって、仕事がこないと怖くなるんですよ。暇なときに落ちこんでいくよりは、勉強していたほうが気持ちが楽なんです。資格をとるだけで仕事が大きく変わるとは言えませんが、勉強していると安心できるんです。

現在、同居するお母さまの介護をしながら
お仕事されているSHOKOさん

――病気や震災など、幾度となく困難を乗り越えられてきましたが、その源は何だったのですか?

人間って一回底を見ると「もう下はない。だったら上がるしかない」という心境になるんです。小学生には小学生の、新社会人にはその世代の、どの世代にも困難なことはありますよね。だから、困難はあるものだと思って生きていくといいかもしれません。実際に行ってみるとたいした底じゃなかったりするので(笑)。とくに若いときは一度経験するといいと思いますよ。

もうひとつは、ヘアメイクは中学生のときからなりたかった職業だということ。美容の仕事でやっていくという気持ちがブレなかったことも大きいと思います。親に反対されていたので、途中でやめるという選択肢がなかったですし、たぶんこの先も美容を軸に活動していくことは変わらないと思います。

女性は美しく生きることで自信を取り戻す

――現在、SHOKOさんの美容メソッドを講座でお伝えしているのですよね?

学びの甲斐があり、「エイジングケアもするヘアメイク」として、その世代の女優・モデルさんに支持されるようになったんです。雑誌企画の監修やセミナー・講演会の依頼が飛びこむようになり、仕事に復帰することができました。「女性は、美しく生きることができると自信を取り戻し、自分らしく健康で幸せになれる」ことを確信し、「史上最高のじぶんになる講座」を開講しました。

――どんな講座内容なのですか?

40~50代の女性に向けた、「顔印象が劇的に変わる、じぶん史上最高を更新し続ける講座」です。

食・美容法・メイクアップを年齢に合わせてリニューアル。自分をどう見せるかだけではなく、例えばエステサロンを経営しているけれど集客ができないとか、技術を持っていても売りこむことができない方がどうやって仕事につなげていくのかをプロデュースしています。以前は対面で30時間全6回でしたが、コロナ禍でいろいろ状況が変わってきたり、海外の方もいらっしゃるので、オンラインで広い範囲の方に届けられるように現在スタイルを変えていっている最中です。

――みなさんどんな雰囲気で受講されているのですか?

和気あいあいとした雰囲気で、とにかく元気です! 最初に相談にこられるときは、自分の顔が嫌だとか、仕事としてやっているけれど生活費が稼げないという方もいらっしゃいます。でも講座では自分のよいところをどんどん引き出していくので、皆さん「楽しい~!」とおっしゃっています。「楽しいです」しか聞かないですね(笑)。

「生徒さんの中には、きれいになることで自信をつけ、
お子さんの成績まで上がったと
報告してくださる方もいらっしゃいます」

――先日出版された本は、講座と同じような内容ですか?

内面も外面も一緒に育てていき「第一印象でパッと見たときに惹きつけられる顔になりましょう」という本です。

40才過ぎると、性格が顔に出てくるんですよね。きれいな人でも悪口ばかり言っているとあまり良く映らないじゃないですか。逆にブスって言われていたのに、ケタケタ笑ってかわいらしいと言われる人もいらっしゃいますよね。40才からは脳を変えるだけで生き方が変わる。わたしなんてもう遅いと思っている人たちに向けて、めっちゃチャンスですよ、ということが書いてあります。

美容テクニックはもちろん、
キレイになることを楽しむためのメンタル法も紹介。
「1秒で惹きつける人になる」SHOKO著
KADOKAWA刊(7/21発売)

やりきった感覚を意識的に味わう

――最後に、これからヘアメイクを目指す方にアドバイスをお願いします。

努力を楽しむこと。「好きなことを仕事にしたのだから全部が楽しいはず」と思ってしまうと、ちょっとシンドいときに「好きなことやっているのに楽しくない」と感じてしまうんですよね。楽しく仕事するためには、小さな目標を設定して、それを達成していく。そうすると、お客さんが喜んでくれたり、大きな仕事が舞いこんできたりとごほうびがあるから、楽しくなるんです。いつも楽しかったら張り合いないですからね。シンドイときは「わたしいま努力してる。えらい!」と俯瞰で見られるようになるといいと思います。そして、目標達成したときにやり切った感覚を意識的に味わう。それが自分の自信にもつながっていきます。

あとは、見てくれている人は必ずいるということ。一生懸命やっている人は目につくんですよね。先輩も一生懸命やっている人にはいろんなアドバイスをしたり、手をかけたくなるもの。同じ実力でも、早く現場で使ってもらえるから、どんどん差がついてチャンスが早く巡ってくる。ちょっと違うなと思っても「ありがとうございました」と一回飲みこんで、後で自分なりにアレンジすればいいだけ。とにかく素直に「わたしやってます」と努力する姿を人に見せるといいと思います。わたしは生意気だったんでしょうね、努力を人に見せるのが嫌だったんです。タイムマシンがあったら、20代の自分にそうアドバイスしたいです。

いまSNSなどもそういう時代ですよね。「わたしこんなことやっています」って発信すると、応援してくれる人が出てくる。コツが分からなくても動画を上げ続けると「いいね」が増えて、「上手になりましたね」、「きれいになりましたね」なんていうコメントもいただけるようになる。わたしも、YouTubeはそういう形で伸びてきているんだと思います。

SHOKOさんが美容の第一線を走り続けている理由は

幾度となく困難を乗り越えられ、SHOKOさんが30年以上美容の第一線を走り続けている理由は以下の3つでした。

1. 美容の仕事への熱がブレない

2. 暇なときは落ちこむより勉強する

3. 美容をキーワードに何ができるか考える

後編では、チャンネル開設後たった2年で登録者数20万人超のYouTuberとなるまでの軌跡をお伺いします。

▽後編はこちら▽
開設後わずか2年で登録者数20万人の人気YouTuberに MAKEUP プロデューサー SHOKOさん #2>>

取材・文/永瀬紀子

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