「人と比べない自分のヨガ」で日本人初の世界チャンピオンに! 三和由香利さんがインストラクターとして伝えたいこと

ヨガインストラクター、ヨガコーディネーターとして大活躍中の三和由香利さん。前編では、テレビやCMといった数々のメディア出演など、ヨガインストラクターとしての仕事の広げ方を伺いました。三和さんの武器は、「こんなことをやってみたい」と思ったら企画書にまとめて送る行動力。そして行動をしたあとには、結果に一喜一憂せず、自分の進みたい道につながっていると信じるようにしているそうです。

後編では、三和さんがどのように世界チャンピオンとなったのか、またその経験がインストラクターとしてどのように活かされているのかを伺います。大会に出場し、世界チャンピオンになった経験から感じたのは、意外にも「人と比べないヨガ」、「自分のヨガ」を追求する大切さだと三和さんは言います。その真意とは…?

今回お話を伺ったのは…

三和由香利さん

ヨガインストラクター・ヨガコーディネーター
2011年、ヨガの世界大会にて日本人初のワールドチャンピオンとなり、世界中のスタジオで音楽と共に五感で楽しめるパフォーマンスとレッスンのワールドツアーを開催。またホットヨガが日本に数店舗しかない時代から全国に広めるべく貢献。NHKではホットヨガ番組を担当しテキストを2冊発刊、その他に著書を4冊出版。テレビやCMなどメディア出演や監修、産後は教育機関や企業での講演など多方面で活動の幅を広げている。
HP:yukarimiwa.com
Instagram:@miwa_yukari

数字にとらわれず、自分らしいヨガを楽しんで、世界チャンピオンに

世界チャンピオンを目指していたわけではなく、
ヨガのポーズを夢中で習得していくうちに、
気付けば世界チャンピオンになっていたと三和さん

————世界大会に出場するようになったきかっけは?

渡米していたころに、世界大会を見に行く機会があって、純粋にすごく楽しそうだと思い、あそこに出てみたいと思ったのがきっかけでした。それまでヨガを習っていたときに感じていたのは、自分自身と向き合う、静かなものというイメージでしたが、世界大会は本当にお祭りみたいな感じなんです。司会者の方が「アメリカ、カリフォルニア州代表の〇〇さんー!」ってすごく盛り上げて、観客も「ヒュー!」っていう感じで(笑)。競技が始まると静かななかでアドバンスっていう難易度の高いヨガのポーズをやっていくわけですけど、そのポーズを見ているだけでもすごく楽しかったんです。帰国したあとに日本代表となり、そのあとは5年連続出場しました。

————挑戦から5年目に日本人初の世界チャンピオンになったそうですね。1位になったときは、いかがでしたか?

本当に無心で楽しめたのが優勝した年だったかもしれないですね。このヨガの大会というのは無音のなかで3分間ポーズをとっていくのですが、呼吸とともに体内時計で3分ちょうどに終わらせなくてはならず、早くても遅くても減点の対象になってしまうんです。最初の年はビギナーズラックで時間を気にすることもなく、5位に入賞することができました。ところが翌年からは、時間をオーバーしてしまったり、逆に短くなりすぎてしまったり。そのときにはっと、「私は時間に捉われすぎているな。これってヨガじゃないよね」と気づいて、次の年はもう一度初心に戻って自分のヨガに集中してやってみたんです。そうしたら、1年目と同じで5位に入賞することができました。

5年目はもうこれで最後になるかもしれないと思って、今まで以上に応援してくれた人やご縁に感謝しながら楽しみました。3分ピッタリで競技を終えることができ、結果は優勝でしたが、私がまさか優勝するとは思っていなくて、びっくりして(笑)。優勝後は1年をかけてアメリカやヨーロッパ、オセアニアなどをまわる、ワールドツアーを行い、各地でデモンストレーションやレッスンをやらせていただきました。とても貴重な体験でしたね。

 できないことがあっても人と比べず、1人1人のヨガを楽しむ

ウィーンのショッピングモールで行われた
デモンストレーションの様子
※コロナ禍以前の画像になります。

————チャンピオンになったことが、インストラクターとしてのお仕事にどう生かされていますか?

ヨガはそもそも人と比べるものではないので、自分のヨガをやればいいということです。なので、人それぞれできること、できないことがあるけれど、「1人1人のヨガを楽しもう」とみなさんに伝えてきました。ヨガに限らず、なんでもそうだと思うんですけど、人間だから人と比べてしまうこともありますよね。そうすることで切磋琢磨して、伸びていくこともあるとは思うんですけど、「自分はできない」と思ってしまったりそれがデメリットに働くこともあると思うので、私はデモンストレーションをやるときには必ず「私は私のヨガを見せるね」と伝えています

たとえば私がやっているポーズをできなかったとしても、それぞれ育ってきた環境も違えば、体の柔軟性や筋力が違うので、そんなことは気にしない。とにかくヨガを楽しもうということをテーマにしてやってきました。

————イベントなど、単発で教えることも多いと思いますが、そのときに気を付けていることはありますか?

イベントなどではとくに、参加をした人がポーズをできるようになるよりも、自分と向き合うところからはじめ楽しんでもらうことを優先して考えています。もちろん、基本に忠実に教えることが大切ではあるんですけれど、イベントの場合は初めてヨガに触れる方も多いと思うんです。せっかくヨガに興味を持ってくれたのに、つまらなかったとか難しかったとか、やっぱり無理だ、と思われるのはもったいないので、できなくても楽しかったとか、面白かったと思ってもらえるように、参加してくださった時間を有意義なものになるように心がけていますね。

「ネガティブワード」は言わない。可能性は無限だと信じられるように

1000人が参加した桜ヨガのイベント。
これだけたくさんの人が参加していても、
会場が一体感で包まれる瞬間があるそう
※コロナ禍以前の画像になります。

————クラスをお持ちだということですが、具体的にレッスンの最中にはどのようなことに気を付けていますか?

自分が動いて動作を見せていくのではなくて、すべて細かく言葉で説明するようにしています。これは分かりやすさを追求しているということもありますが、みなさんがヨガに集中するためという意味合いもありますね。

たとえば、両手を挙げる動作のときに、「両足をそろえて、両手を体側におろしたところから、手のひらを上向きにして、上向きのまま両手を天井に向かって真横から持ち上げて」という感じで伝えるんです。そうするとその言葉を聞き逃さないように、みなさん集中してくれます。1回目はちょっとよくわからないかもしれませんが、2回目はできるようになってきて、3回目は聞いただけで動けるようになっていくんです。

————なるほど。三和さんのレッスンにはどんな特徴はありますか?

ヨガインストラクターというと、癒し系を想像されるかもしれませんが、私は威圧系ですね(笑)。単発のイベントのときなどは難しいですが、自分のクラスでは「できなくてもいいよ」とは絶対に言わないようにしています。自分の限界を作るのは、自分だと思うんです。「あ、今できないって思ったから、バランスが崩れた。もう1回やってみましょう」みたいな感じで、結構暑苦しい感じでやってますね(笑)。

————そうするとどんな効果が生まれるのでしょうか?

レッスンに参加している人それぞれが自分の限界を超えようとしていると、そのレッスン会場にあるエネルギーがどんどん高まっていきます。見えないパワーというか、調和が生まれ、空間そのものがポジティブになっていくんです。そうするとレベルが上がってきますし、それまでできなかったことができるようになったりします。

インストラクターとして大切なのは、レッスンを受けた人が自分の可能性は無限大に広がっていると信じられるようになることなのかなと思います。よくヨガをするときに「体が硬いからできない」とおっしゃる方がいるんですけど、そういう方には体ではなく心の柔軟さを伝えたいなって思うんです。体が硬いってだれと比べていますか? ほかの人と比べる必要はないし、過去の自分と比べてなら、少しずつ柔軟性を高めていけばいいだけですよ、ってお伝えしています。ヨガによって心が柔らかくなり、自分の可能性を引き上げていくお手伝いができたらうれしいですね。

世界チャンピオン経験のあるヨガインストラクターとして心がけてきたこと

三和さんがヨガインストラクターとして心がけていきたことを伺うと、ポイントは次の3つでした。

1. 人と比べるものではなく、自分のヨガを楽しむことを伝える

2. 動作を言葉で細かく伝えることで、レッスンに集中してもらう

3. 「できなくてもいいよ」とは言わず、可能性を引き上げる

その穏やかな語り口からは想像できない、熱い指導で生徒の可能性を引き上げてきた三和さん。世界チャンピオンとなったあとも自分の可能性を信じて、どんどんと活動の幅を広げる三和さんの生き方そのものがヨガにあわられ、生徒の心をつかむのではないかと感じました。もっとヨガインストラクターとして活躍したい方は、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

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