サロンワーク中のトークがマーケティング調査&集客に!6つの肩書きを職業にした美容師YOHEIさん

美容従事者にも多様な働き方は広がりつつあります。しかし6つも肩書きをもち、そのすべてを仕事として成り立たせている美容師というのはなかなかいないはず。福島県郡山市で2つのサロンを経営するYOHEIさんは、それを実現させている美容師です。

前編ではどのようにして多様な働き方を実現してきたのかを伺います。ポイントとなっているのは、サロンワーク中のお客さまとのおしゃべり。悩みや困りごとを聞いたときに、自分が解決できることを提案するうちに、職業にすることができたそうで、サロンワークがマーケティングと集客の場になっているといいます。また限られた時間のなかでも、それぞれの仕事のクオリティをあげるため勉強もかかさないというYOHEIさんに、どのように時間を作り、モチベーションを維持しているかもお聞きしました。

今回お話を伺ったのは…

YOHEIさん

美容師。「grit.HAIR+PHOTO」、「SHARE SALON grit.」代表
美容師以外にもフォトグラファー・ビデオグラファ―・パーソナルトレーナー・ラジオパーソナリティ、DJと6つの肩書きをもつ。
東京の美容専門学校を卒業後、有名サロンの就職試験を受けるもすべて落ち、美容師以外の仕事を1年半ほど経験したあと、地元福島に戻る。業務委託契約のお店でスタイリストデビュー。その後国内外のサロンで経験をつんで2017年に独立。「grit.HAIR+PHOTO」をオープンさせる。2021年7月にはクラウドファンディングで168万円の支援を受け、東北最大規模かつ最先端のトータルビューティシェアサロン「grit.」をオープン。

サロンワーク中の市場調査&集客で多様な働き方を次々と実現!

自身が経営する「grit.HAIR+PHOTO」でDJをするYOHEIさん。サロン内で、撮影やパーソナルトレーニングをすることもでき、サロンを経営することが多様な働き方を実現するのに役立っているそう

──YOHEIさんの肩書きの多さにとても驚きました。しかもそのすべてを報酬をいただくお仕事にしているそうですが、どのようにして実現されているのでしょうか?

サロンワーク中にお客さまの悩みや困りごとを聞いているうちに、それを解決する形で仕事が生まれることが多いんです。たとえば美容師以外の仕事で最初に始めたのが、写真撮影でした。僕は2013年頃から、その当時では珍しかったSNSでのスタイル発信のために一眼レフを買い、知り合いの写真家やカメラマンから教わったり、独学で勉強したりしながら撮影をしていたんです。自分の子どもの写真を撮影して同じようにSNSにあげていたら、それを見たお客さまが、「スタジオで撮るとかちっとした写真になっちゃうから、うちの子も撮ってくれない?」と仰ったのがきっかけで、撮影の仕事を始めることになりました。

美容師の場合、カットだけだったとしても1時間くらいはお客さまとお話する時間がありますし、僕は自分がやりたいことや思いも話すタイプなので、そこから仕事が生まれやすいのかなと思っています。そしてこのようにたくさんの肩書きをもっていたり、自分の展望ややりたいことを発信している人間だからこそ、そこを面白がってくれたり、応援してくれるお客さまも多く、「面白い美容師さんがいるよ」と紹介していただくことも多々あります。結果として集客にもつながっていると感じますね。

──サロンワークが市場調査になるというのは美容師ならではという感じで、面白いですね!パーソナルトレーナーはどのような形で?

これもサロンワーク中に、体を鍛えることについての悩みを聞くことが多くて。みなさんお金をかけてジムの契約はしているけれど、なかなか成果が出ないという方や、いつの間にか通わなくなってしまったという方が多かったんです。僕は体を鍛えるのが趣味で、当時から素人なりにノウハウはあったので、「じゃあ試しに一回パーソナルトレーニングをやってみますか?」と声をかけたのが最初ですね。営業時間後に、1時間1000円くらいの価格設定でトレーニングを提供するのを、2年くらい続けていました。

趣味ではなく職業の形にこだわるのは、提供する側もされる側も意識をあげるため

サロンの一角でパーソナルトレーニングを行うYOHEIさん

──そこから徐々に金額をあげていったんですか?

徐々にというより、一気に金額をあげることになったきっかけがあるんです。某大手パーソナルジムに通われていたお客さまのサロンワーク中に自分がやっているパーソナルトレーニングの話をしたら、「それは安すぎますよ。受ける側の意識も低くなっちゃうから高くしたほうがいい」と言われまして。その方がシェアサロン立ち上げのときにクラファンで伴走支援をしてくれた方だったので、「じゃあクラファンのリターンに組み込んじゃいましょうか」と言われ、10万円のプランのリターンに1年間のパーソナルトレーニングのプランを入れたんです。そのことをきっかけに料金を見直すこともでき、現在は2~3ヵ月のプランでおひとり12万円ほどいただいています。

──なるほど。金額をあげることによって、変化はありましたか?

はい。とくにパーソナルトレーニングの場合は、結果にも影響があると思っています。高いお金を払っているからこそ、より真剣に取り組んでくださるようになったかなと。このことを通して、自分が提供している活動のクオリティをあげて、報酬をきちんといただけるようにしようと改めて思いましたね。お互いの意識があがるということもありますし、低い報酬で受けてしまうと、僕の活動の一番の柱であるサロンワークの受け入れられる枠が狭くなってしまったり、質が落ちて売上がさがってしまうのではないかと思ったんです。そうなってしまうと本末転倒ですから。

まだまだやりたいこともたくさんあるので、やるからにはプロ意識をもち、ひとつひとつのクオリティを下げないようにしていきたいなと思っています。

スムージーを作りながら、英語のニュースと日本語のYouTubeを同時に聞く!タスク処理能力をあげて時間を生み出す

インスタに投稿している写真。スタイリッシュなフレームをつけた投稿が目を引く

──お話を聞いているとどこからそんなに時間を捻出されているのか、不思議なのですが…。

タスク処理能力をあげて、時間を生み出すことが大切だと思っています。半年前はひとつのことにアタフタしていたのに、半年後には2つ同時にできるようになり、その次は3つ…というふうに、意識していればタスク処理能力って増えていくのが当たり前だと思うんです。すると自動的に使える時間も増えていきますよね。

たとえば僕は毎朝スムージーを作るために1時間くらい台所に立つんですけど、その間にGoogleスマートスピーカーで英語のニュースを流してリスニングしつつ、スマホでビジネス系のYouTubeを流して、毎朝勉強しているんです。英語と日本語だと意外と混線しないので(笑)。そうすると朝の1時間で2つのインプットと、スムージー作りの3つのタスクができるんですよね。ルーティーンにすると日々のサロンワークでも、クオリティを落とさずに効率よく回せるようになるし、自頭も鍛えられるのでタスク処理能力が上がります。

──2つ同時にインプット…!それはすごいですね。そんなにぎゅうぎゅうにタスクを詰め込んで、疲れてしまったり、モチベーションが続かないときはありませんか?

モチベーションの維持したいなら、周りに目標などを宣言してしまう方法がおすすめです。たとえば先ほどお話したスムージーは、2年くらい前から始めた食事制限の一環なんですが、インスタのストーリーに毎朝自分で作ったスムージーを載せるようにしているんです。そうすると引っ込みがつかなくなり、継続できるんですよね(笑)。ほかにもこういうことがしたいって宣言しておくと、それを見ていた方がご縁をつないでくれて実現することもあるので、何はなくとも宣言するようにしています。
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多様な働き方を実現させた3つの掟

多様な働き方を実現させたYOHEIさんに掟を聞くと、以下の3つでした。

1. サロンワークでヒアリングしたお客さまの困りごとに、自分ができることをかけあわせて仕事にする

2. 仕組み化し、タスク処理能力をあげて時間を生み出す

3. やりたいことは周りに宣言することで、自分を追い込み実現させる

後編ではYOHEIさんが昨年取り組んだ、シェアサロンのオープンについて伺います。初挑戦だったクラウドファンディングはサクセスこそしなかったものの、170万円近い資金を集めることができたそう。そのポイントは応援したいと思わせるような共感を集めることだといいます。後編もお楽しみに!

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Salon Data

grit. HAIR+PHOTO
住所:福島県郡山市堂前町3-25 田中ビル1F

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