エステティシャン資格の種類とは? キャリアアップを目指せる資格取得の流れを紹介

エステティシャンは資格がなくても働ける職種ですが、なかには技術力の向上・キャリアアップ・よりよい職場への転職などを考えて、資格の取得を検討している方もいるのではないでしょうか。

しかし、エステティシャン関連の資格は多岐に渡るため、どれを取得すればよいか迷うかもしれません。

今回は、そのような方に向けてエステティシャンの資格の特徴と種類、キャリアを活かせる資格取得の流れをご紹介します。

エステティシャンの資格にはどんな種類があるの?

エステティシャンとして働く際に必要な知識や技術と、取得しておくとよい資格にはどんな種類があるのかわからない方もいるでしょう。

ここでは、エステティシャンの資格には、どんな種類があるのかをくわしくご紹介します。

施術に関する資格|ボディ・フェイシャル・トリートメントなど

エステティシャンの施術に関する資格には、施術をおこなう部位によって、ボディ・フェイシャルにわけられます。また、温水などで温めながらおこなうスパ・トリートメントについても、個別の資格が設けられているのが特徴です。

ほかにも、エステ脱毛を行なっているサロンもあるため、脱毛に関する資格を取得しておくと、転職やキャリアアップの際に役立つ可能性があります。なお、脱毛に関する資格も多数あるため、取得前に充分調べておきましょう。

つづいては、それぞれの部位の資格についてご紹介します。

ボディ|ボディの技術や知識に特化した資格

エステティシャンがボディへの施術に特化した資格を取得するコースでは、ボディトリートメントを中心に学びます。正しくボディトリートメントをするためには、全身の構造や代謝を理解する必要があるため、生理学などの幅広い知識が求められます。

また、カウンセリングと連動したトリートメントのトレーニングで、実践的なスキルを身につけられます。

フェイシャル|フェイシャルの技術や知識に特化した資格

フェイシャルの技術や知識に特化した資格でも、皮膚だけでなく顔の構造や筋肉の仕組みの知識が必要です。さらに、化粧品についての知識や肌分析、メイクアップについてのスキルについても習得しなければなりません。

ハンドテクニックでおこなう顔のトリートメントは、実際にお客様をお迎えして実践力を養うための実習が実施されます。

脱毛|脱毛の技術や知識に特化した資格

エステティックサロンで行われる施術には、光脱毛やワックス脱毛、電気脱毛などが挙げられます。いずれの施術も、安全で衛生的な施術を求められるため、国内外で脱毛に関する民間資格が発足しました。

脱毛に特化した資格で問われるのは、脱毛や皮膚などの知識や施術スキル、施術における衛生管理などです。なかには、実技試験を受けるにあたって、一定以上の脱毛業務の実務経験やエステティシャンの実務経験、指定講座の受講などが必須となる試験も見られます。

スパ・トリートメント|スパ系の技術や知識に特化した資格

スパ・トリートメント系の資格では、オイルや水・温水、そのほかの素材を用いたトリートメントなどについて学びます。

トリートメントでは、水や温水、化粧品とブラシで全身の確執を除去し、お客様に適した素材で全身のパックをおこない、うるおいを補うのが特徴です。温めた石を使って筋肉をほぐす方法や、ヘッドスパ・トリートメントなどの技術も身につけられる資格もあります。

施術以外に関する資格|衛生管理・講師など

エステティシャンとして働く際に役立つ資格には、エステティックサロンでの施術以外に関する資格も存在します。

サロンを運営するうえで必要な衛生管理の資格と、エステティシャンの要請に関する資格をご紹介しましょう。

衛生管理|サロンや施術の衛生管理に関する資格

エステティシャンが共通の認識として遵守すべき、衛生管理についての知識を学ぶ、施術を行なうエステティックサロンの衛生管理に関する資格です。

施術環境を清潔に保ち、お客様とエステティシャンの安心・安全を守ることが主な目的ですが、近年では感染症を予防するという意味もあります。

衛生管理に関する資格としてよく知られているのが、CIDESCO衛生管理資格です。一般社団法人 CIDESCO-NIPPONが認定している国際的な資格で、エステティシャンの衛生知識を徹底するために設けられました。受験できるのは、CIDESCO資格を取得している日本支部の会員です。

講師|エステティシャン養成に関する資格

エステティシャン養成の講師に関する資格は、エステティシャンとしての高い能力を持ち、ほかの人へ教育・指導できることを証明する資格です。サロンスタッフの教育担当を担当したり、エステティシャンを養成するスクールの講師などへキャリアチェンジしたりする際に役立ちます。

AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザーもエステティシャン養成に関する資格です。筆記試験と、サロンスタッフへの指導を模した実技試験が行なわれます。

エステティック資格に関する素朴な疑問Q&A

エステティシャンの資格を取得しようと思った際に、疑問が生じてなかなか選べないということもあるでしょう。

ここでは、エステティシャンの資格に関するよくある素朴な疑問を具体的な資格を例に挙げながらQ&A方式で解説していきます。

Q1. 「認定」資格とは?

エステティシャンは業務独占資格や名称独占資格である国家資格ではなく、日本エステティック協会や日本エステティック業協会(AEA)、日本美容電気脱毛協会などの業界団体の認定資格です。

認定資格は指定校で学んで試験に合格して取得でき、エステティシャンとして必要な知識と高いスキルを保有していることの証明となります。ただし、高度な知識や技術のほかに、一定の実務経験や上級資格の取得などの条件を求められる認定資格も少なくありません。

認定資格のなかには世界的な知名度を持つ国際資格もあり、このような資格を取得すると、海外で活躍することも可能です。

CIDESCO認定 ビューティセラピー

認定資格の一例として、CIDESCO認定 ビューティセラピーがあります。エステティシャンの技術の向上を目指し、ボディやフェイシャル、ヘッドスパだけでなく、メイクやネイルなども学ぶことが可能です。

引用元
CIDESCO認定 ビューティセラピー

高度な技術を求める認定資格であることから、受験資格を得るまでに多くの学習時間を必要とします。学生受験の場合は、CIDESCO国際認定校にて1,200時間以上のカリキュラムを受講、一般受験であってもエステティックの基礎教育を600時間以上受けていなければなりません。

日本美容電気脱毛協会 認定美容電気脱毛エステティシャン

美容電気脱毛とは、1本1本の毛包(毛穴のうち毛根を包んでいる部分)に微弱な電気を流して、毛の再生機能に影響を与える脱毛方法。認定美容電気脱毛エステティシャンは、この美容電気脱毛において、一定以上の知識や技術を有していることを証明する認定資格です。

受験資格には、美容脱毛学や電気学、皮膚毛髪学などの知識と、一定時間以上の脱毛実技が求められます。美容電気脱毛の施術は資格必須ではありませんが、安全で衛生的な施術を提供するためにも取得しておくことをおすすめします。

引用元
日本美容電気脱毛協会 認定美容電気脱毛エステティシャン

Q2. 国内資格と国際資格の違いとは?

エステティシャンの認定資格には、日本の業界団体が認定する国内資格と、国際的な団体が認定する国際資格があります。国内資格は日本国内のみで有効であり、国際資格は海外でも通用する資格です。

エステティシャンの求人によっては求められる資格が異なる場合もあり、複数の資格を持っている人もいます。

国内資格|AJESTHE認定エステティシャン

国内資格のひとつが、AJESTHE認定エステティシャンです。日本エステティック協会が認定する学校での300時間以上コース、もしくは1000時間以上コースを修了するか、1年以上の実務経験を積むかのいずれかの要件を満たさなければなりません。

試験内容は、フェイシャルとボディの手技を評価する技術力確認試験と、エステティシャンセンター試験による筆記試験です。AJESTHE認定のなかではもっとも下位に位置づけられており、取得すると上級の認定資格へチャレンジできるようになります。

Q3. エステティシャンになるには資格が絶対必要なの?

エステティシャンは国家資格ではないので、資格がないと働けないということはありません。しかし、認定資格を取得することで採用されやすくなったり、給料が上がりやすくなったりします。

脱毛やエステティシャン養成に関する資格を取得すれば、新たなキャリアの方向性が見えてくるかもしれません。

さらなる知識やスキルを習得したことで、より質の高い施術や提案が可能となり、お客様からの信頼が高まる可能性もあるでしょう。また、独立開業する際にも、資格があることでお客様が安心して利用できるなどといったメリットがあるため、持っていて損はないでしょう。

エステティシャンになるには資格が必要? エステティシャンを目指す方法や様々な資格を紹介

日本脱毛安全普及協会 脱毛士

日本脱毛安全普及協会による、脱毛士検定という認定資格です。連射式脱毛とは、光脱毛施術の方式のひとつです。連射式には、1秒間に複数の光を照射できる専用機器を用います。連射式脱毛を扱うサロンも増えているため、取得しておくとサロンワークで役立つ認定資格です。

脱毛士検定は、3級脱毛士・2級認定脱毛士・上級脱毛士の3つがあり、3級がもっとも下位の検定です。3級脱毛士は協会認定の講師による講習を受講すれば取得可能です。2級認定脱毛士は筆記試験、上級脱毛士は筆記試験と面接形式の実技試験に合格する必要があります。

引用元
日本脱毛安全普及協会 脱毛士

Q4. 資格を取得するのにおすすめの方法は?

資格を取得するための勉強方法は複数あり、どの方法を選ぶかで費用や期間が変わってきます。取得する資格によって必要となる勉強量も異なるため、自分にあった取得方法を選択することが大切です。ここでは、資格取得にはおすすめの方法をふたつ紹介します。

専門学校・スクールなどの認定校で学ぶ

エステティシャンとしての技術や知識があるという証明となる認定資格があれば、自信をもってエステティシャンデビューを目指せます。資格の取得を目指すなら、希望資格の受験資格が得られる認定校がおすすめです。

認定校で学ぶメリットは、大きくふたつが挙げられます。ひとつは、エステティシャンに求められる基礎的な知識やスキルを体系的に学べること。そのため、これからエステティシャンを目指す方でも、資格取得が可能です。

また、認定校での受講で受験の条件を満たせることも多いため、サロンワークでの実務経験がない方でも、資格を取得しやすくなります。

もうひとつは、その認定資格に合ったカリキュラムを提供しているため、効率よく学習を進められることです。

エステスクールに通うメリットとは? 東京で認定エステティシャンを目指せるスクール・専門学校を紹介

エステティシャンの資格を取ってから求人を探すならこちら

通信教育で学ぶ

通信教育は、カリキュラムの多くを自宅で学ぶことになるため、独学に近い学習形態と言えます。メリットのひとつは、勉強するタイミングを自分で調整しやすいこと。隙間時間に勉強することもできるため、仕事や育児をしながら資格取得を目指す方に向いています。また、専門学校やスクールよりも学費が安いこともメリットです。

デメリットは、理解や技術を高めるのに時間がかかること。自宅学習で質問したいことがあってもその場に講師がいないため、すぐに解決できないことがあります。また、動画教材で技術の基礎を学ぶこともありますが、実際に手を動かないとわからないこともあるでしょう。

キャリアを活かせる資格取得の流れを紹介

エステティシャンとしてのキャリアを活かせる資格を取得するには、どうすればよいのでしょうか。

ここでは、AEA認定エステティシャンの資格取得とキャリアアップを例に、エステティシャンが取得する際の流れをご紹介します。

1. 認定校でカリキュラムを学ぶ|資格により学ぶ必要な時間数が違う

実務経験がない人がAEAのエステティシャンの認定資格を取得するには、認定校で学ぶことからはじめる方法があります。

目指す資格の種類によって、必要なカリキュラムと時間数が異なりますが、まずはAEA認定校の基礎的なカリキュラムを履修して基礎資格の取得からはじめるのが一般的です。

2. エステティックサロンなどで実務経験を積む|資格により必要な年数が違う

認定校を卒業する方法以外にも、エステサロンなどで実務経験を積むことで、AEAのエステティシャン認定資格試験の受験資格を得られます。

この場合には、基礎資格を経ずに2年以上の実務経験で上位資格、3年以上の実務経験で最上位資格のための認定試験を受けることが可能です。

3. 基礎資格を取得する|AEA認定エステティシャン

資格取得を通してエステティックの基礎的な知識や手技、施術時の注意点などを学べる認定資格です。エステティシャンとして働きたい方や、あるいは働きはじめてすぐの方でもチャレンジしやすいでしょう。

AEA認定エステティシャンを取得するためのエステティシャンセンター試験は、実務経験と認定校のカリキュラムの修了という2つのルートがあります。

1年以上の実務経験があるか、AEA認定校の300時間以上コースまたは1,000時間以上コースを修了、または終了が見込まれている人が受けることが可能です。

AEA認定校でのコース学習を修了あるいは修了見込みの方は、筆記試験に合格すれば認定資格の申請を行えます。それ以外の方は、筆記試験合格後に行われる実技試験にも合格しなければなりません。

引用元
一般社団法人 日本エステティック業協会 AEA認定エステティシャン

4. 上級資格を取得する|AEA上級認定エステティシャン

AEA認定エステティシャンの次は、AEA上級認定エステティシャン認定試験を目指すことになるでしょう。上級認定エステティシャンの受験資格は、次の3つのパターンがあります。

・2年以上の実務経験者であること
・AEA認定エステティシャンの資格取得したあと1年の実務経験者であること
・AEA認定校の1,000時間以上コースを修了、または終了が見込まれるものであること

試験は筆記試験と実技試験があり、3つのパターンのいずれであっても、まず筆記試験に合格しなければなりません。筆記試験に合格すると、フェイシャルとボディの実技試験が行われます。なお、筆記試験に合格していれば、筆記試験合格日から5年間は実技試験だけを受けなおすことが可能です。

5. 最上級資格を取得する|AEA認定インターナショナルエステティシャン

AEA認定エステティシャンの次は、AEA上級認定エステティシャン認定試験を目指すことになるでしょう。上級認定エステティシャンの受験資格は、次の3つのパターンがあります。

・2年以上の実務経験者であること
・AEA認定エステティシャンの資格取得したあと1年の実務経験者であること
・AEA認定校の1,000時間以上コースを修了、または終了が見込まれるものであること

試験はいずれのパターンにおいてもまず筆記試験が行なわれ、合格すると実技試験を受けられるようになります。こちらの認定試験においても、筆記試験に合格していれば、筆記試験合格日から5年間は実技試験だけを受けなおすことが可能です。

資格を取得してキャリアアップ! 最上級資格を目指そう

エステティシャンがキャリアアップするためには、実務経験はもちろん資格の取得が役立ちます。

エステティシャンの資格は、いくつかの段階にわかれている場合も多いので、経験を積んで、知識を得ながらステップアップしていくことが可能です。エステティシャンとしての技術を磨きながら、最上級資格の取得を目指しましょう。

引用元
CIDESCO衛生管理資格(一般社団法人 CIDESCO-NIPPON)
一般社団法人 日本エステティック業協会 AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザー
CIDESCO認定 ビューティセラピー
日本美容電気脱毛協会 認定美容電気脱毛エステティシャン
日本脱毛安全普及協会 脱毛士
一般社団法人 日本エステティック業協会 AEA認定エステティシャン

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事

近くのエステ求人をリジョブで探す

株式会社リジョブでは、美容・リラクゼーション・治療業界に特化した「リジョブ」も運営しております。
転職をご検討中の場合は、以下の地域からぜひ求人をお探しください。

関東
関西
東海
北海道
東北
甲信越・北陸
中国・四国
九州・沖縄