大事なのは数字よりも目的。総再生回数が500万回を突破した美容師・佐野元気さんの疲れないYouTube運用

5年前からいち早くYouTubeに参入し、現在はチャンネルの総再生回数が500万回を越える美容師の佐野元気さん。前編ではどのようにしてYouTube運用に成功したかを伺います。佐野さんのチャンネル運用の軸は疲れないこと。目的をきちんと設定することで、過度に数字に振り回されず消耗することも少ないと話します。もうひとつ大切にしているのが、自分が投稿を楽しむこと。視聴者の求める動画を提供する視点と同じくらい、自分が楽しめる動画を投稿することで、動画に佐野さんらしさがにじみ、ファンを増やすことにもつながっているそうです。

今回、お話を伺ったのは…

佐野元気さん

池袋の美容室でキャリアをスタート。「ショートボブ似合わせ」を得意とし、集客サイトのエリア別ランキングでも上位に入る経験を持つ。その後、「knit 銀座」に活動の拠点を移す。SNS運用にも力を入れており、YouTubeのチャンネル登録者数は7000人、チャンネルの総再生回数は500万回を越える。

YouTubeチャンネル
Instagram
Twitter

目的を設定し、数字に過度に振り回されないYouTube運用に成功

これまでのYouTube運用について、丁寧に説明してくれた佐野さん

――YouTube運用で心がけてきたことはどんなことでしょうか?

まずは何のためにYouTubeをやるのか、目的意識をきちんと持つことが大切だと思っています。フォロワーさんを増やしたいのか、集客をしたいのか。一口にフォロワーさんといっても一般の方なのか、美容師さんなのか。それによって、動画の内容や運用方法にも差がでてくるのではないかと思います。

私がSNSに力を入れ始めたのは集客のためでした。なので100回見られて新規のお客さまがゼロよりも、10回しか見られなくても1人お客さまが来てくれるほうがありがたい。そのためにはどうしたらいいのかということを、常に考えて動画をあげてきました。

――具体的にはどのような動画をあげられてきたのですか?

5年前にYouTubeのチャンネル登録をしたのですが、それぞれのフェーズで動画のコンセプトは変えていました。チャンネル登録直後は、ほとんど編集はせずカット動画をあげていたんです。それも月に1回動画を出すくらいのペースで、本格的な運用はしていなくて。それでも月に1~2人は新規のお客さまの来店につながっていたんです。当時はインスタの集客がフォロワー数が多い順に表示されていたため、新規参入がなかなか難しいこともあって、その人数でもYouTubeのほうが集客には効果的でした。

視聴者に求められる動画から、自分らしさがにじむ動画へ

佐野さんの代名詞ともいえる「バッサリカット」動画

――今のように再生回数が増えるようになったきっかけはあったのでしょうか?

チャンネル登録から2年後くらいに出した、長い髪をショートやボブにする、いわゆる「バッサリカット」動画です。YouTubeのおすすめ動画に載ったことで、再生数がまわるようになりました。そこからは視聴者の方が求めるものがバッサリカットだと判断し、積極的にあげるようにしていましたね。

――今もバッサリカットを中心に動画をあげているのでしょうか?

最近意識しているのは、私らしさがにじんだ動画、人格が見える動画をアップすることです。意図的に私が話している部分や、私が映っている部分を動画に入れるようにしました。これには理由があって。バッサリカット動画で再生回数はあがり、新規の来店数もかなり増えたのですが、なかなかリピートにつながっていないという悩みがありました。

バッサリカットをする方は、一度切ったあとはまた長い時間をかけて伸ばす傾向にはあるのですが、動画で私の人格を知ったうえで、来店いただけるようになれば、結果はまた違うのではないかと考えたんです。実際動画に自分らしさをにじませるようになったら、バッサリカットをしてくれるならだれでもいいというような方から、私に切ってもらいたいという意志を持っている方が増え、再来率もあがりました

また人格が見える動画をあげることで、お客さまの安心にもつながると思っています。やはり最初に来店するときは、どんな人なんだろうと不安になる方も多いと思うので、実際にカットしているところや話しているところなどが見えると安心してお越しいただけるのかなと思いますね。

YouTubeは半分仕事で半分趣味。楽しむことで無理のない、持続可能な運用が可能に

再生回数28万回を記録した高畑充希さんのショートカットを再現したカット動画。

――YouTube運用を大変だと感じることはないですか?

それがあまりないんですよね(笑)。結局、私は自分が作りたいスタイルでお客さまに喜んでもらい、それをYouTubeに残すのがすごく好きなんだと思います。最近私のチャンネルで一番ハネたのが、高畑充希さんがドラマに出演されたときのショートカットを再現する動画で、現在28万回くらい再生されています。これはドラマを見た方で高畑充希さんのようなショートをやりたい人が増えるかもしれないという仮説の元に作ってみた動画ではあるのですが、それと同じくらい自分がこのスタイルをかわいいと思い、再現した動画を作りたいと強く思ったんです。

半分趣味で半分仕事。それくらいの気持ちでYouTubeを運用していることで、長くYouTubeを続けてくることができ、結果にもつながったのかなと思っています。

――ちなみにYouTubeを運用する際、マーケティングなどは勉強されましたか?

はい、最初はある程度、勉強しました。でもYouTubeはアルゴリズムがどんどん変わっていきますし、流行の変化も早い。なので、ひとつの知識や考え方に固執するより、自分の目でYouTubeを見て、なぜこの動画が見られているのか、この動画に視聴者は何を求めているのか、仮設を立てていくことが大切だと思っています。そしてそれを動画作りに反映し、結果を検証するんです。これが身についていれば、どんなにYouTubeの仕様が変わっても、結果を残せるのではないかと思っています。


佐野元気さん流、疲れないYouTube運用の3か条

1.目的を設定することで、過度に数字に振り回されないようにする

2.視聴者が求めるものを把握しつつ、自分の作りたい動画も大切にする

3.人柄のにじんだ動画を出すことで、ファンを増やす

後編では佐野さんが美容師として大切にしてきたことを伺います。一番大切にしているのは、お客さまのなりたい姿に寄り添える美容師であることだと佐野さん。時代の流れが変わり、美容師が正解を示すよりも、お客さまに伴走してなりたい姿を実現することが求められていると感じるようになったそうです。そして方向性を変えた結果、リピート率もアップしたといいます。後編もお楽しみに!

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