自己肯定感が高まるヘアメイクの魅力をたくさんの人々へ届けたい【ヘアメイク 原マリエさん】#2

現在、妊娠中のためヘアメイクアーティストとしてのお仕事は一旦休止をしながら「日常に寄り添うヘアアレンジ」をテーマに、チャンネル登録者数1万人のYouTubeでヘアアレンジ投稿を積極的に行なっている原さん。

前編では、ヘアメイクアーティストになったきっかけと今までの経緯、Instagramを活用した集客について伺いました。後編となる今回は、ヘアメイクアーティストとしてYouTubeを始めた経緯と動画制作時に気をつけていることやアドバイスをお聞きします!


教えてくれたのは…
ヘアメイクアップアーティスト 原マリエさん

幼少期から美容に興味があり、高校卒業後は専門学校のブライダルヘアメイクを専攻。卒業後に、全国にチェーン展開する大手へアメイクサロンの「アトリエはるか」へ入社。一般の方を中心にヘアメイクやセットを行う。店長職を経験したのち、一般の方へ向けたヘアメイクアップアーティストとしてフリーランスに転身。現在(取材時妊娠9ヶ月)妊娠中のためヘアメイクの仕事は休みながら、ヘアアレンジやメイク写真・動画の投稿などSNSの活動に注力している。

「ヘアメイクは自己肯定感を上げてくれるもの」ということを、もっと知ってほしい

――Instagramは集客を目的としていましたが、YouTubeはどういった経緯で始めたのでしょうか?

仕事柄、場所や時間が自由に使えないことに悩んでいました。さらに、妊娠したことでもっと自由な働き方が必要になってくると考えて…。自分で模索した結果、「収入幅を広げるためにYouTubeを始めてみよう」ということで始めました。

――YouTubeでテーマにしている「日常に寄り添うヘアアレンジ」に込めた思いについて教えてください。

Instagramでは、自身が経験した障害によって形成された美容に対する考えをストーリーズで発信している。

今、セルフヘアアレンジの方法ってたくさん発信されていると思います。ですが、私はそれだけではなくて、ヘアメイクアーティストを志した際に感じた「心が潤う感覚」と自己肯定感が高まる美容との向き合い方をSNSを通じて広めたいと思っています

――「自己肯定感が高まる美容との向き合い方」とは、具体的にどんなことでしょうか?

実は、自分自身が摂食障害に悩まされた時期があって…。その経験をした頃から私の中での美容というのは「誰かのため」ではなく、「自分のため」にあるんです。自分の欠点を受け入れられてその欠点をも補ってくれるアイテムとして美容が存在していると思っています

ヘアメイクって綺麗になれるだけではなくて、自己肯定感も上がる。そんな自分にとってのお守りのような感覚としてヘアメイクを多くの方に味わっていただきたいんです。

――ご自身の経験から生まれたテーマなのですね。そのために心がけていることはなんですか?

どの投稿にも共通して言えることが「誰でも簡単にできるアレンジ」です

例えば、あまりピンや小物を使用しないようにしています。用意するものが必要なアレンジよりも、手一つとかゴムだけで簡単にできるヘアアレンジが紹介できれば、忙しい日でもお気に入りのスタイルを纏えて気分良く過ごせますよね。そうした細かい積み重ねによって美容と日常が密接になり、「寄り添う」ことの実現に繋がると考えています。私自身が感じた「ヘアメイクの素晴らしさ」を視聴者様にも体感いただけたら嬉しいなと思っています。

視聴者のニーズを考えて、日常に寄り添うヘアスタイルを発信

原さんの視聴者を大切にしている様子が伺える動画として、チャンネル登録者数1万人記念の際に寄せられた質問について受け答えする動画も。テーマに一貫性があり、信頼感が高まります

――では、テーマに沿った動画を制作する際に配慮している点はありますか?

常に「どうしたら日常に寄り添えるのか」という視点を軸にして、視聴者様目線で「自己満足」な発信にならないように動画作りを意識しています。自分の感覚も大事にしていますが、一番は視聴者様が求めているニーズに従うことが重要だと捉えています

――動画を投稿する際に視聴者が求めている声を取り入れているのですね。そうした要望はどこから拾うのでしょうか?

そうですね。InstagramのストーリーズやYouTubeのコメント欄からです。いただいたコメントを集計して、もっとも多い要望に応えた動画や投稿をするようにしています。

――それは、視聴者目線で嬉しいですね。実際に視聴者には好評でしたか?

喜んでいただける層もいらっしゃる反面、全体的な視聴数に結びつかないときもありますね。確かに数字も大切ですが、私は視聴者様との信頼関係が最も大事だと思っています。数少ないリクエストだったとしてもそれに応えることで生まれる信頼関係があり、そうした細やかなやりとりによって登録者数が増えることに繋がると思うんです。

――原さんの投稿で3つに分けたヘアスタイルの紹介が多く見受けられたのですが、その投稿も視聴者のニーズが反映されているのでしょうか?

「3選」「5選」を意識した動画で、クリック数もアップ

そうですね。マーケティング集計の結果、「3,5,10」などの数字がある動画のクリック数が多いことに気づいたんです。一つのアレンジのみの動画に比べて複数のアレンジを載せたほうが、リーチ数も好評で以前の130%と大幅にアップしました。以後、なるべくInstagramやYouTubeでも「3」を意識した投稿を心がけています。

あとは、SNSを運用するには自分の感覚だけでは難しいと感じたので、YouTubeを運営する方向けのオンラインセミナーを受講して、分析する必要性を学びました。

たくさんの人に見てもらうためには常に分析が必要不可欠

「ブライダルに特化したヘアメイクに絞りたい」という目標のほかに、「ゆくゆくはヘアアレンジの本を出版したいと考えています!」と原さん。

――たくさんの方に見ていただくためには分析が必要なんですね。具体的にどんな分析をしているのでしょうか?

他の方の動画でいいなと思ったところを参考にしたり、自分の投稿した動画を見返して反応がよかった要素を次回の動画制作にも取り入れる…などを実行しています。

「夏」「涼しげ」など、季節に合わせたヘアアレンジも

あとは、サムネイルの見え方にも気を遣っています。完成したアレンジよりも、途中経過の様子をサムネイルにした方が視聴率が上がることが分かりました。「どんなアレンジが完成するのだろう?」と動画を見てくださるきっかけになったようです。そうして試行錯誤を繰り返した結果、1万人を超え始めましたね。

――今後、SNSを活用していく予定の方へアドバイスをお願いします。

美容業界全般的に言えることですが、まずは、始める前に自分の強みを「見つける」というより「決める」ことが大事だと思います。美容師もヘアメイクも幅広くジャンルがあるので、その中から自分の強みになるところを売り出すことが最も重要になると実感しています。

原さんがチャンネル登録者数を増やした3つの秘訣

1.視聴者目線を軸にして動画を制作する

2.少数派のリクエストにも丁寧に真摯に応える

3.常に自分の動画を見て分析し、結果を次の動画に反映させる


とても勉強熱心な原さん。常に視聴者に求められるニーズを追求している姿から、支持される秘訣が伺えたようでした。視聴者に寄り添う方法が分からない方やフリーで活動の幅を広げたい方など、ぜひ参考にしてみてくださいね。

取材・文/東菜々(レ・キャトル)
撮影/喜多 二三雄

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