わかりやすいカウンセリング動画がバズりTikTokフォロワー10万人超 成清裕樹さん
渋谷のサロンでフリーランス美容師として活動する成清裕樹さん。美容師歴は4年でありながら、現在ひと月の予約が3分で完売。キャンセル待ちが600人もいるなど多くの顧客からの愛顧を得ています。また、トレンドを戦略的に打ち出したSNSも大人気。TikTokはなんと10万人のフォロワーを抱えています。
人気の裏には、成清さんの「徹底的な顧客目線」と「実直な努力」がありました。お客さまと会話をするときは、専門用語を使わず誰にでもわかりやすい説明を心がけているそう。また、多くのフォロワーをもつ今も、睡眠時間を削ってまでSNSの1日1投稿を欠かしません。多くの顧客を魅了し続けるためには情報収集も重要。「流行の兆しは、必ずお客さまが知っている」と語る成清さんは、お客さまとの会話のなかで次のトレンドを掴んでいるのだとか。動画サイトで他業種のビジネスを学び、美容師としての活動に役立てているそうです。
後編ではさらに、成清さんのSNS運用について詳しく伺います。
丁寧なカウンセリングの様子を中心に動画投稿し始めたことで、安定して再生数が増加してきたのだとか。また専門用語を使わず、「誰が見てもわかりやすい」動画にするのがコツなんだそう。現在、3媒体の運用をされているそうですが、閲覧する層が違うため同じ動画でも編集を少し変えているんだそう。
今回、お話を伺ったのは…
成清裕樹さん
フリーランス美容師。渋谷を中心にサロンワークを行っている。新卒で都内有名美容室に就職し、2年半アシスタントとして勤務。2021年11月より、フリーランスに転身。現在、TikTokが10万人、YouTubeが2.58万人、Instagramが1万人と多くのフォロワーを得ている。顧客のカウンセリング動画が大人気となり、YouTubeショート動画は最高332万回もの視聴回数を記録している。
成清裕樹さんのInstagram:@____narikiyo
伝わらないと意味がない。専門用語を使わないカウンセリング動画が大人気に
――成清さんといえば、Instagramのフォロワーが1万人、YouTubeの登録者数が2.58万人、TikTokについては10万人を超えるフォロワーがいらっしゃいますね。どのように人気コンテンツに成長させてきたのでしょうか。
まず今現在、最もフォロワーが多いTikTokは、前職のサロンに勤務していた2021年夏頃から開始しました。その頃はまだスタイリストデビューもしていない状況。知り合いやカットモデルになってくださる方に声を掛け、SNSに投稿できる素材集めを始めました。当時、高い技術や知名度があったわけではないにもかかわらず、快く協力してくださった方々やSNSを通じて応援してくださった方のおかげで、現状があると深く感謝しています。この運用開始時から今に至るまで、動画の撮影から編集まで、すべて自分で行っています。
フリーランスのデビュー初月である2021年11月のタイミングで、初めてTikTokで100万再生されるカウンセリング動画を作ることができ、高い再生回数になる動画づくりのコツをつかみました。
――どのような動画の再生数が伸びやすいでしょうか?
美容師さんのスタイルによって傾向は異なると思います。僕の場合、他人から怖く見られることが多いと感じたので、安心感を持ってもらえるようにとても丁寧にカウンセリングする姿を見てもらえる動画にしました。自分自身を客観視して、動画の内容に反映することが大事かもしれませんね。
またお客さま目線での動画作りも、多くの人に動画を見てもらううえでは重要だと感じます。カウンセリング中の説明も、動画のサムネイルなどでも、専門用語を使わず「誰にでもわかる」言い回しで説明をすることを意識しています。美容師さんからすると「ちょっとダサい」と思われる言葉であっても、お客さまに伝えるためであれば積極的に使います。せっかく素晴らしい技術を持っていても、それがお客さまに伝わらないのでは意味がありません。伝えるべき内容はしっかりと伝えて、僕に施術を任せたいと思ってもらえるような動画をつくろうと思っています。人にたくさん見てもらえる動画を作れる感覚は、いつも研ぎ澄ませておきたいものです。
集中してフォロワーを集める時期は、「1日3投稿」をマストに
――TikTok、YouTube、Instagramはどのように使い分けされていますか?
TikTokは、フォローしている人の情報を閲覧するというよりも「おすすめ」に出てくる動画を閲覧することが多い印象です。そのため、パッと見てわかりやすい「美容師としての自分」を全面に押し出した内容にしています。Instagramはフォローしている人の情報を見ることが多いと思うので、ある程度興味を持ってくださったお客さまが閲覧してくださっていると想定しているので、自分のスタイル写真を載せて、僕自身のファンになってもらえるような投稿を心がけています。YouTubeについては、ほか2つの媒体と比較して、幅広い世代の方が見てくださっているようなので、どちらかというとTikTokと似た方針でコンテンツを作っていく予定です。
このようにSNSによって特性があるので、同じお客さまのカウンセリング動画でも、実は編集の仕方を変えているんですよ!TikTokは美容師の自分を押し出しているので、ある程度長めに見られるようになっています。気になる方はぜひ見比べてみてください。(笑)
――フォロワーを増やすために行っていることがあれば教えてください。
各媒体ともほぼ毎日、動画や画像を投稿することを続けています。特に、先日乗っ取りにあいフォロワー0人からの再出発になったInstagramは、1日に3投稿をしています。お陰でリーチ数なども、以前の状況に回復しつつあります。時々、「フォロワーが多くいるのだから、毎日投稿しなくてもいいのでは?」と言ってもらうこともあるのですが、どれだけ予約が埋まったとしても今後1年間は絶対に「毎日投稿」を継続するつもりです。
僕は瞬間的にフォロワーを増やすことよりも、継続して高い位置で再生数をキープすることや、継続的にお客さま来店してもらうことが重要だと考えます。特別何かの能力が秀でているわけではない僕は、油断したら足元をすくわれるという危機感があるんです。毎日できることをコツコツ続けて、ずっと先の未来でも、お客さまから「成清さんにお願いしたい!」と言ってもらえる美容師になりたいと思っています。
プライベートな話題を中心にしたTikTokライブでファンを獲得
――SNSを拝見していると、フォロワーがファン化している印象を受けます。セルフプロデュースをするうえで意識的にされていることはありますか?
TikTokでライブを行うときはあえて美容の話はしないようにしています。仕事中は、どうしてもキリッとしてしまうもの。ライブ中はプライベートな話題を中心にし、視聴者の方に親しみを持ってもらえたらと思っています。リラックスして望んでいるためか「この美容師さんこんなに笑うんだ!」というコメントをいただくことも。仕事中には見せない一面を出すことがポイントだと思っています。ファンづくりの一環として、ライブは活用できると感じていますね。
――成清さんの将来の目標をお聞かせください。
今年の目標は、「フリーランスとして日本で最高峰の売上をキープしつつ、美容師以外の仕事にもチャレンジする」ということです。今現在、予約サイトの顧客数がおそらく日本でトップクラスだと思っています。お客さまによい技術と接客を提供し、顧客数と売上を維持しながら、新しいことにチャレンジしようと思っています。
将来的には、経営なども視野に入れたいですし、美容とは関係のないサービス提供なども考えていきたいです。ゆくゆくは同年代の仲間たちみんなで美容業界を盛り上げられるような時がきたら、1998年生まれのメンバーでサロンを持つことにも憧れています。僕は美容師の仕事が何よりも大好きです。どんな道を歩むことになっても、必ず美容師の仕事は続けていこうと思っています。
成清裕樹さんのSNSが常に人気になっている3つの秘訣
1.自分を客観視し、丁寧なカウンセリングをみせることで安心感を伝える
2.何があっても1日1投稿以上を継続 特にフォロワーを集めたいタイミングは1日3投稿を行う
3.ライブではプライベートの話を中心にし、ファンづくりの一環として活用する
予約枠は即完売、SNSで多くのフォロワーを持つという華やかな活躍の裏には、成清さんの日々の努力の積み重ねと、美容への熱い想いがありました。売上を継続して伸ばしていきたい方や、SNSフォロワーを増やし集客に活用したい方、ファンづくりに興味がある方は、ご参考にされてみてはいかがでしょうか。