人気の韓国風ヘアは、顔まわりのデザインで「小顔」&「可愛い」が叶うのが魅力【ALBUM GINZA/深町隼輔さん】#1

とどまるところを知らない韓国風ヘアの人気。「ヨシンモリ」や「タンバルモリ」、「エギョモリ」など次々と注目のスタイルが登場し、おしゃれを楽しみたい女性の心をとらえています。

そんな韓国風ヘアを得意とする美容師のひとりが、ALBUM GINZAのトップスタイリスト、深町隼輔さん。前編では、深町さんが韓国風ヘアに目を向けることになったきっかけや、韓国風ヘアのメリットなどをお聞きします。

お話を伺ったのは…

ALBUM GINZA
トップスタイリスト/副店長
深町隼輔さん

都内2店舗とフリーランスを経て、ALBUMに入社。似合わせカットと透明感カラーの組み合わせで、一人ひとりにフィットするヘアスタイルを提案。特に、色落ちまで可愛いブリーチカラーと顔まわりのカットにこだわりがあり、色気のある韓国風ヘアが得意。サロンワークはもちろんのこと、業界誌やセミナー講師など幅広く活躍中。
Instagram:@album_shun

韓国の技術を学び、日本人に合わせた「韓国風ヘア」を追求

何か知りたいことや学びたいことがあったら、「その分野の元の人」に聞きたいタイプだと言う深町さん。「メンタルが鬼強いと思う」と自己分析。

──韓国風ヘアに興味を持ったきっかけは何ですか。

もともと僕はコテ巻きができなくて、仕上げはいつもストレートスタイルにしていたんです。ところがある日、お客様にどうしても巻いてほしいと言われてしまい…。とりあえず全部外巻きにしてほぐしたら、当時人気が出始めていた「ヨシンモリ」のような雰囲気になり、そこから韓国風ヘアに興味を持ちました。

実は「簡単かもしれない」と思って韓国風ヘアをつくり始めたんです。半年くらいカットと巻き方をずっと練習したのですが、全然簡単ではありませんでした!本当に難しかったです!

──韓国風ヘアをどのように習得したのですか。

まずは本場韓国のカットを知り、それから日本人に落とし込みたいと思いました。それで、韓国の美容師の動画を見て研究したり、翻訳機能を使って韓国語でDMを送り、質問したりしました。結構返事をくれる人が多くて、いろいろ教わりましたね。

ひとつ驚いたことがあったんです。韓国のカット本を見たいと言ったら写真を送ってきてくれたのですが、それが日本のカット本を韓国語に翻訳したものだったんですよ。あらためて、日本の技術ってすごいんだなと感じました。日本の技術が韓国で独自に磨かれて、それをまた日本の美容師の僕が取り入れるという…

──今や韓国風ヘアは深町さんの代名詞に。SNSでも積極的に発信されていますね。

韓国風ヘアをつくり始めた頃は、SNSで推すことに対して抵抗があったんです。ただ、当時はまだ美容師としての武器と言えるものがなく、インスタグラムのフォロワー数も1万人くらい。集客も全然できていませんでした。だからこそどんどん発信していかなければと意を決しました。

自分なりの韓国風ヘアを追求しながらインスタグラムに投稿するうちにフォロワー数も3倍に増え、今では毎月250名近くのお客様がインスタを見て来店してくださっています。

「小顔」と「可愛い」が韓国風ヘアの2大メリット

「韓国風ヘアが得意というところはブレないようにしつつ、その時々のトレンド要素も柔軟に組み合わせたい」と深町さん。

──韓国風ヘアの特徴は何でしょうか。

韓国風ヘアとひとくちに言っても、いろいろありますよね。ふわっとした外巻きウェーブとくびれシルエットが魅力の「ヨシンモリ」、ボブ風の「タンバルモリ」、ウルフ風のレイヤーが入った「ハッシュカット」など。

どのスタイルでも、顔まわりのデザインにこだわっているのが大きな特徴。顔の輪郭をカバーするようなカットやスタイリングがされているヘアを「エギョモリ」と呼んでいます。

──「エギョモリ」は小顔に見せるデザインのことなんですね。

そうなんです。顔がとても小さく見えるという意味で、韓国では別名「顔面消滅カット」と言われているらしいです。それくらい韓国女子は小顔を求めているし、美意識が高いんですね。

深町さんのインスタグラムに投稿されている韓国風ヘアの一例。上品な色っぽさを感じさせるくびれスタイルが大人気。

──韓国風ヘアのメリットは何でしょうか。

一番は、先ほど言った「小顔」に見えること。そして、「シンプルで可愛い」ということですかね。日本人は黒髪にコンプレックスを感じて明るく染める人が多いのですが、それでミックス巻きにするとギャルっぽく見えてしまうんです。韓国風ヘアは大人っぽさや品があり、そこが日本人にもウケていると思います。

今ではおなじみの「2Wayバング」も韓国から入ってきた前髪のデザインで、「可愛い」と「大人っぽい」を両立できるうえに簡単にスタイリングが決まる。だから定番人気になったのだと思います。

──韓国のヘアスタイルを日本で取り入れるときのポイントはありますか。

韓国人と日本人では顔も髪質も違うので、韓国ヘアそのままでは日本人に似合わないことも。日本らしく取り入れるなら、動きや質感で柔らかいニュアンスをプラスする必要がありますね。レイヤーカット、セニングカット、スライドカットといった技術が、そのニュアンスを出すカギを握っています。

──今後の韓国風ヘアはどうなっていくと思いますか。

韓国ヘアの人気はまだ続いていますが、中国のインフルエンサーの「ワンホンヘア」も注目が高まっています。これまでも「中韓ミックス」と言われるスタイルを手がける人はいたと思うのですが、それがさらに表に出てくる予感がしています。

やはり、ずっと同じ韓国風ヘアをつくるだけではダメだなと。例えば、韓国っぽさをベースに中国っぽいレイヤーの入れ方やモード感を混ぜ合わせ、それを日本人に似合うように昇華させる。トレンドをとらえて進化させることが大事です

覚悟とスピード感を持って、これからも前進

「自分の知識を深めたいので、もっと勉強したい」と深町さん。興味を持った美容師の講習会などに積極的に参加して、直に話を聞くようにしているそう。

──美容師として大切にしていることを教えてください。

いろいろな意味で、嘘をつかないこと

知識がないと技術や接客に出てしまうので、以前は、嘘をつかないために自信のあることだけをやっていたんです。ブリーチしたいお客様には「あのサロンがいいですよ」、縮毛矯正なら「この美容師が上手ですよ」と紹介して。そうすると、カットや暗髪カラーのときだけ僕のところに来て、その他の施術はほかで…となり、履歴がぐちゃぐちゃになってしまう。

それは決してお客様のためになっていないと気づき、ケミカルに関しても勉強するようになりました。僕の武器は韓国風ヘアではあるけれど、例えば縮毛矯正や髪質改善といったことまで、美容の知識をしっかり持っているべきだと思っています。ただ、いっぺんに手を出すと全部中途半端になってしまうので、まずひとつを追求して本物の知識を得て、それから次に進むようにしています。

──今後の目標は何ですか。

正直、売上をこれくらい上げたいとか、役職に就きたいとか、独立したいとか、そういった願望はまったくないんです。ただ、お客様が来てくださることが本当にうれしいというだけで…。

強いて言えば、20代のうちに「韓国風ヘアと言えば深町」という存在になりたいと思っています

──韓国風ヘアを武器にしたい若手美容師に向けて、何かアドバイスはありますか。

感染症対策のためのさまざまな規制も緩和され、渡航しやすくなったので、韓国の美容室で直接学ぶのが一番近道かもしれません(笑)。冗談ではなくて、韓国風ヘアを自分の武器にすると決めたなら、それくらいの覚悟が必要だと思います。

──深町さん自身は覚悟を決めるのが早かったようですね。

僕、B型でマイペースではありますが、思い立ったら即行動するタイプなんです。時間だけはみんな平等にあるので、人より先に行くにはスピード感が大事。覚悟を決めるのも、行動に移すのも、早いほうだと自負しています

憧れていたある人に、「SNSの時代、自分の行動力がSNS以上に早くないと追いつかない」と言われたのも大きかったです。何らかの結果を出している人の考えを知って、カッコいいなと思いました。

やると決めたらやるタイプですが、どうしてもブレーキがかかってしまうことがある。そんなときにこの言葉を思い出します。


「コテ巻きが苦手」という弱点をきっかけに、「韓国風ヘア」に目を向けた深町さん。SNSを駆使して韓国の技術とトレンドを学び、いつしかその「韓国風ヘア」が自身の最大の武器に。お客様に嘘をつかないためにケミカルの知識も着々と身につけ、美容師としてステップアップを続けています。

後編では、深町さん流「韓国風ヘア」のつくり方について、カット方法やスタイリング方法を詳しく教えていただきます。

撮影/佐藤貢
取材・文/井上菜々子

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Salon Data

ALBUM GINZA
住所:東京都中央区銀座4-2-17 銀座111レジャービル 8F・11F
電話:03-62623-0338

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