サロンに合わせた回答はNG!? 面接試験は飾らないことが大切「Say.omotesando」田代美宙さん
表参道と福岡に店舗展開するサロン「Say.」。有名店から転職してきたスタッフが多く、技術力に定評のあるサロンです。その「Say.omotesando」でスタイリストとして活躍しているのが田代美宙さんになります。前編では、「Say.」への転職した理由や、お店の魅力についてお話を伺いました。
後編では、実際に受けた採用試験がどんな様子だったのか、どんなことを意識して面接試験に臨んだのか、お話を伺います。それまでの面接試験ではサロンの雰囲気に回答を寄せてしまうなど、良い印象を与えるために飾ることをしていたという田代さん。自己分析の成果を生かし、飾らずに素直でいることを心がけた結果、合格できたといいます。
今回、お話を伺ったのは…
「Say.omotesando」スタイリスト
田代美宙さん
群馬県出身。新卒で入社した都内のサロン1店舗を経て、2020年「Say.」に入社。高い技術力をもつカリスマ美容師を目指して、アシスタント時代から熱心に練習に取り組む。2022年にスタイリストデビューを果たし、今年「HOT PEPPER Beauty AWARD2024」で7位を獲得するなど今注目のスタイリスト。
1ヶ月間で作成したスタイルブックで前向きな転職をアピール
――採用試験のために準備したことはありますか?
僕は前のサロンを退社してから「Say.」の採用試験を受けるまでに1ヶ月ほどフリーターの期間があったんです。試験時に「1ヶ月何をしていたのか」は必ず聞かれるだろうと思ったので、友人のスタイリングやカットをして撮影していました。サロンを辞めた美容師は一般的に見てもあまり良いイメージを抱かれないと思ったので、それを払拭できるように取り組んだんです。
――転職組ならではですね。実際に何をしていたかは聞かれたんですか。
聞かれましたね。試験当日は1ヶ月間でしたことをアピールできるようにスタイルブックを持ち込みました。面接官にも好評で、前向きな転職という印象を残せたのではないかと思います。
自己分析を生かして面接試験では飾らないことを意識
――採用試験はどんな内容でしたか?
1次に書類選考、2次に面接試験です。面接試験は社長を含めたスタッフ2人との個人面接の形でした。
――面接で聞かれたことで印象的だったのは?
本当はどうなりたいの?と聞かれたことです。まず初めに「どんな美容師になりたいですか?」と聞かれたので、このサロン内だけでなく業界内でみても誰にも負けない美容師になりたいと答えました。その後に「本当は?」と念を押すように聞いてきたんです。一瞬戸惑ったのですが、僕の気持ちに嘘はなかったので同じ答えを繰り返して伝えました。おそらく「Say.」はスタッフの目標をしっかりサポートするからこそ、本人の目標に対する意思が本気なのかを確かめたかったのではないかと思います。
――愛情が感じられますね。面接試験で意識したことは何ですか。
自己分析をして、自分のアピールすべきことが「素直」だと分かったので、「Say.」の試験を受けるときは素直さを意識しました。実はそれまでの採用試験では、サロンに入りたいがあまりに面接試験での回答をサロンのイメージに寄せたりしていたんです。それがおそらく表情や雰囲気に出てしまっていて、回答内容が薄っぺらいことや無理に合わせていることが面接官にお見通しだったんだと思います。なので、寄せたり媚びたりするような飾った回答はせずに面接試験を受けました。
――ありのままが大切なんですね。合格が決まったときの心境は?
まず「やってやろう!」と働くことの楽しみとやる気が高まりましたね。その後、時間が経つにつれ喜びが追いついてきた感じです。家族や転職活動中に協力してくれた友人にはすぐに連絡して、みんな喜んでくれたことを覚えています。
サロンごとに技術は違う。新たな環境に早く慣れるために先輩を頼って
――お話を聞いていて努力することに積極的な方だと感じています。入社に向けても何か準備を?
はい、サロンごとに技術は何もかも違うので、先輩スタッフに時間を作ってもらって一緒に練習しました。シャンプーひとつとってもやり方は全然違って。前のサロンはお客様の横に立ってシャンプーをするサイドシャンプーだったのですが、「Say.」は頭側に立って行うバックシャンプーでした。一度覚えた手つきを捨てて、新しい形に慣れるのは大変です。ひとりで取り組むより、先輩に相談できる環境が整いているのであれば素直に頼って、一緒に練習した方が時間の効率もいいと思います。
――実際に入社してみてギャップは感じましたか?
感じませんでしたね。僕の場合、「Say.」で働く友人にヒアリングをしていたので、事前に抱いていたイメージに差はなかったです。実際スタッフに対する姿勢がすごく真摯で、アシスタントとして育てるというわけでなく、スタイリストになったときに活躍できるようにと将来を考えた教育をしてくれています。
――就活を振り返ってみて、どんな経験だったと感じますか。
就活は自分を見つめ直すことができて、本当はどうなりたいかを考えさせられる機会だったと思います。1つの目標を叶えるには自分が考えていた以外にもやり方がたくさんあると知れて、柔軟に考えられるようになりましたね。
――最後に就活を控えている方、転職を迷っている方へアドバイスをお願いします。
僕は転職活動で多くの友人に助けられて今があります。なので、同じようにいろんな人と話してみてください。他人と話すことで自分が向いていることや目標をどうしたら叶えられるかなど、意見が聞けるはずです。そうすれば、自己分析もできて本当にやりたいことが見つかると思います。それが今の環境で叶えられなさそうであれば、転職を決断してみるのもいいかもしれません。
田代さんが転職活動を成功させた3つのポイント
1.前向きな転職をアピールするためにスタイルブックを作った
2.素直で飾らないことを意識して面接試験に臨んだ
3.ギャップを感じないよう事前にサロンの実情をヒアリングしていた
カリスマ美容師になるべく前向きな転職をおこなった田代さん。インタビューのなかで友人に話を聞いたというエピソードが多かったことから、周りの人に愛される人柄を持っていて、それが今日の美容師としての活躍につながっているんだと感じました。すでにカリスマの風格があるようにも思えます。就活を控えている方、転職を迷っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
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